七つの魔剣が支配する VIII 【あらすじと感想・考察】

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七つの魔剣が支配する

「骨抜き事件」完結!

サイラス=リヴァーモアという魔法使いの生き様がたっぷりと描かれたななつまらしい一冊に仕上がっていました!

上級生たちの実力や決闘リーグへの盛り上げもしっかりと描かれていて、隙がない仕上がりです!

※ここから先は【ネタバレ】全開です!!!

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※この記事はPRを含みます

ななつま8巻のストーリー

  1. 前巻ラストでサイラス=リヴァーモアに抜き取られたアルヴィン=ゴッドフレイの胸骨を取り返すべく、現生徒会陣営の3年生にも召集がかかる。一方で、前生徒会陣営はこれの妨害のため動き出す。
  2. 現生徒会陣営は迷宮内にあるサイラスの領域を進軍し、一部の死霊が持っていたサイラスの骨から彼の目的と工房の位置を特定する。
  3. 前生徒会陣営が妨害に現れたことにより現生徒会陣営vs前生徒会陣営が勃発するも、前生徒会陣営を退ける
  4. 工房に突入したオリバー=ホーン含む6名はサイラスとの交渉を成立させ、サイラスの儀式に立ち会う。
  5. サイラスの儀式に命刈る者リーパーが乱入するも、見かねたオリバー達が助太刀したことで儀式は成功に終わり、ゴッドフレイの胸骨を取り戻す
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感想

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やはり魔法使いの生き様は素晴らしい。

今巻はもうこれでしたね!

一回「決闘リーグ」はお休みとなって、「骨抜き事件」の犯人であるサイラス=リヴァーモアにフォーカスが当てられた一冊でした!

オフィーリア=サルヴァドーリにフォーカスを当てた3巻が大のお気に入りの僕としては、なかなかに好みの内容です。

とはいえ全体を通して色々描かれていて、アンドリューズ隊の決闘リーグにかける思いが垣間見えたり、成長したカティ=アールトの姿が見られたり、現生徒会陣営の《撲殺魔》レセディ=イングウェや《毒殺魔》ティム=リントン、前生徒会陣営の《邪鬼》キーリギ=アルブシューフといった上級生たちの実力が垣間見えたりと情報量は多かったですね!

こうやって各キャラクターの個性が散りばめられているのが、一つの世界を描き切っているななつまならではの面白さなのでしょう。

サイラス=リヴァーモアという魔法使い

今巻を語るうえで欠かせないのは、サイラス=リヴァーモアでしょう。

魔法使いとしての生き様を体現してくれたキーキャラクターですね。

彼の目的はリヴァーモア家の悲願でもあり、死霊王朝バルシュ(古代)の魔法使いを蘇生し魔法技術を受け継ぐというものでした。

そしてサイラス個人の目的として、蘇生した魔法使い・ファウに海を見せるというのがありました。

代々リヴァーモア家が引き継いできた『棺』守りという役目と悲願にもタイムリミットが訪れ、ファウが怨霊となってしまう前に何とか蘇生してあげたいというのがサイラスの根底にあったのでしょう。

わざわざ現生徒会陣営に攻め込まれるであろうこの時期にゴッドフレイの胸骨を奪ったのも、奪った骨に重複がないという露骨な法則性を隠蔽しなかったのもタイムリミットを感じていたからでしょうね。

初登場時はオフィーリア同様タダの滅茶苦茶ヤバそうなアウトロー魔法使いという印象でしたが、こういったバックグラウンドを知るとガラリと印象が変わりますよね!

1人1人にそれぞれの人生と背負うものがあって、それに沿った行動を取っているからこそななつまのキャラクターは”生きている”と感じるんだなと改めて痛感しました。

もう一つ感じたのは、これまでの魔法使いたちとの違いですね。

オフィーリアは魔に呑まれ、ダイアナ=アシュベリーは命を落としました。

彼女たちと異なり、サイラスは魔に呑まれたり命を落とすこともなく、目的も達したと言えるでしょう。

最後は自身の手でファウに引導を渡し、海辺でファウの最期を見届けましたからね。

この違いは、サイラスが受け継いだモノにあるんじゃないかなと思います。

そもそもファウが棺に入った霊となったのは、滅びゆく死霊王朝の魔法技術を後続に伝えるためでしょう。

それをサイラスは理解していたからこそ、自身の目的やリヴァーモア家の悲願の達成をゴールとはせず、その後も見据えられていたんじゃないでしょうか?

大切に想っているファウのためだからこそ、自分が命を落とすようなことはあってはならないと踏みとどまれていたような気がします。

魔法剣ではなく魔法格闘

他に印象に残ったのが、魔法格闘マギコンバットという概念です。

タイトルにもある「七つの魔剣」を始めとした魔法剣ソードアーツがメインに描かれていたこの世界ですが、これと対をなす概念のようですね。

思想としては、そもそも魔法一本を捨てて普通人の剣術を取り入れてでも勝利を目指したんだから、他にも使えるモノはなんでも取り入れようぜというアイディア。

ぶんちりー
ぶんちりー

かなり僕好みのアイディア(笑)

トゥリオ=ロッシやレセディ=イングウェのスタイルもこれに該当するのでしょうが、現生徒会のトップであるアルヴィン=ゴッドフレイがこのスタイルなのにはちょっとニンマリしてしまいましたね!

下級生の頃からキンバリー生のために「勝利」を追求してきたからこそ、このスタイルに行きついたのでしょう。

決闘リーグでも胸骨損失による霊体の損傷で出力が1/20まで落ちていたゴッドフレイが、相手に組み付いて地中に引きずり込んでいくのは激アツでした!

こういった姿勢が学生たちの心を掴んでいくんでしょうね!

実際に僕の心は掴まれました

まあお陰様でゴッドフレイを起点に勢力図が変わるという僕の予想は見事外れたわけですが(笑)

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やっぱりいいキャラのロゼ=ミストラル

前巻でも凄くいいキャラしてる!と再登場を熱望していた分身使い・ロゼ=ミストラルは早々に大活躍でしたね!

やっぱり今回もいいキャラしていました。

分身を見抜かれたことにもショックを受けていましたが、今巻は更に分身の欠点が浮き彫りに。

分身越しにキーリギの魅了チャームを受けてしまったり、分身の動きの遅さからアンドリューズに先手を譲ってしまったり。

それでも最後はキーリギに一矢報いるところも含めて、やっぱりいいキャラだなあとヒシヒシと感じました!

あのハイテンションはキャラを作ってるってのもまたいい(笑)

今後の活躍にも期待しています!(クソデカボイス)

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考察

今巻はサイラスメインでしたが、2つ気になる点があったので整理しておきます!

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迫りくる探偵・ユーリィ

今巻でも動向が気になったユーリィ=レイク

すでにキンバリーの教師・デメトリオ=アリステイディスの分身である事が判明していますが、これが分かっていると今回のオリバーの行動はかなり悪手だったと思います。

僕が悪手だったと感じているのは、命刈る者リーパーと戦うサイラスたちに加勢してしまったところですね。

魔法使いの理屈としてはただ静観しておけばよい状況下で、実際にそれをあの場に居た6名全員(オリバー、ナナオ=ヒビヤ、ユーリィ、ティム、グウィン=シャーウッド、シャノン=シャーウッド)が理解していました。

それでも手が出てしまったのは、オリバーの根底にあるものが理由でしょう。

これを目の当たりにしたユーリィは、オリバーに対してこう述べています。

人の心が、何よりも大切なんだね

七つの魔剣が支配するVIII

僕はこれ、言われてみれば的を得てるんじゃないかと感じました。

オリバーの復讐は、母・クロエ=ハルフォードを裏切った教師陣に対するものです。

その根底にあるのは、母を裏切った教師陣への負の感情、もっと言えば踏みにじられた母の心に対する想いなんじゃないでしょうか?

だからこそ冷徹な復讐者としての一面を持っていても、これだけ心優しい少年でいられるのでしょう。

オリバーの本質に迫る部分を見抜かれてしまったのは、後々の復讐劇に響いてきそうな予感がします…

これは場合によっては”甘さ”となりかねない一面ですから、逆手に取られてしまえば窮地に追い込まれる可能性も高いでしょう。

それこそ1巻からずっと仲の良い剣花団の面々が立ちはだかったり盾にされた時にオリバーが復讐を遂行できるのかは、ずっと気になっているポイントですしね。

徐々に追い詰められつつある「教師殺し」としてのオリバーから目が離せません!

明かされた最後の1チーム

決闘リーグ2・3年生の部で勝ち残っているチームが全て明かされ、次の4チームである事が判明しました。

  • ホーン隊(オリバー、ナナオ、ユーリィ)
  • アンドリューズ隊(アンドリューズ、オルブライト、ロッシ)
  • コーンウォリス隊(シェラ、ステイシー、フェイ)
  • ヴァロワ隊(ユルシュル=ヴァロワ、他2名)

最後の1チームは新登場・ユルシュル=ヴァロワ率いるヴァロワ隊のようですね!

話しぶりからして、前生徒会陣営の生徒たちのようです。

今回の「骨抜き事件」騒動にも参加していて、遅れて登場した後シェラたちに宣戦布告していました。

相変わらず仲良いね~。だから私~君たちのこと嫌い~。

七つの魔剣が支配するVIII

単なるチームとしてのまとまり以上の仲の良さがある他3チームが気に入らない様子。

決闘リーグに参加したのも報酬目当てというより、他3チームのようなチームが勝つのが気に入らないからのようです。

なかなか変わったタイプが出てきましたよね。

仲の良さが気に入らないとなると、ヴァロワ隊のチームワークがどうなっているのかも要注目。

オリバーやナナオ、シェラが学年トップなのは間違いないですし、そんな彼らが苦戦した決闘リーグを個人プレーで勝ち抜いてきたとは考えにくいです。

となれば、ヴァロワが他の2人を駒として使うような戦闘スタイルなのでしょうか?

実際にリーダーとメンバーに力の差があるのはエイムズ隊もそうですから、あり得るパターンでしょう。

エイムズ隊はチームとしてまとまっていましたが、ヴァロワ隊はヴァロワのワンマンチームというのは面白そうですしね。

次巻で描かれるであろう謎多きヴァロワ隊の戦いぶりが楽しみです!

ななつま9巻の発売日

恐らく決闘リーグの続きが描かれるであろう9巻、

七つの魔剣が支配する IXの発売日は2022年3月10日です!

コメント

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