七つの魔剣が支配する X 【あらすじと感想・考察】

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七つの魔剣が支配する

ヤバすぎた!!!全人類読んでくれ!!!

終始ワクワクが収まらないまま、オリバーの壮絶な過去や魔剣vs魔剣などファンが卒倒してしまいそうな大盤振る舞いの一冊でした!

※ここから先は【ネタバレ】全開です!!!

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※この記事はPRを含みます

巻のストーリー

  1. 前巻から続く決闘リーグもいよいよ上級生たちの戦い。ゴッドフレイ陣営のヴェラ=ミリガン隊の勝利に始まり、アルヴィン=ゴッドフレイ隊vsレオレンシオ=エチェバルリア隊の戦いも激闘の末ゴッドフレイ隊の勝利に終わる。
  2. 次期生徒会の統括はゴッドフレイ陣営が最後の最後で推したティム=リントンに決まる。
  3. ナナオ=ヒビヤの行動に激怒していたテレサ=カルステはナナオに一騎打ちを仕掛けるも、撃退される。
  4. ギクシャクしていたオリバー=ホーンとナナオ=ヒビヤは互いの関係を進展させ、身体を重ねる
  5. オリバー陣営の4人目のターゲットはデメトリオ=アリステイディスに決まる。
  6. オリバーvsデメトリオの死闘の最中にオリバーの壮絶な過去が明かされ、最後はオリバーの勝利に終わる。
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感想

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最後のオリバーvsデメトリオが凄すぎて全部持って行った!!!!!

もうこれに尽きます。

前巻で異界生物と触れ合おうとし、廃人となってもおかしくなかったカティ=アールトの処遇やゴッドフレイvsレオレンシオの因縁の対決、進展したオリバーとナナオの関係など濃密すぎる盛りだくさんの一冊でした。

ただそれでも、やはりオリバーvsデメトリオが凄すぎた

明かされるオリバーの壮絶な過去。

第四魔剣・『奈落を渡る糸アングスタヴィア』vs第五魔剣・『死せる胡蝶の夢バビリオソムニア

10巻という大台、そして3年生編の終了という一区切りにふさわしい、ここまでななつまシリーズを追いかけてきたファンへの大盤振る舞いでした!

いよいよタイトルにもなっている”魔剣”同士の本格的なぶつかり合いが見れるんだなと、読んでいるときはワクワクが止まりませんでしたね。

ここまで積み重ねて来たものがあるからこそ重みを感じるシーンも多く、1冊とは思えない圧倒的満足感を感じられる強烈な一冊でした!

マジで語彙力失うから全人類読んでくれ。マジで。

あまりにも惜しい男・デメトリオ=アリステディス

「村付き」でありながら異界に渡る夢を捨てきれず、永遠の後悔を背負ってしまった男

それが今巻のターゲットであり、ユーリィ=レイクの使役者であり、オリバーに討ち取られたキンバリー教師・デメトリオ=アリステディス

自分が監督していた村に流れ着いた腐れた海の底エイリオネプチュの生物に対して、夢という輝きに目を奪われ判断を誤ってしまったデメトリオ。

結果として、一見すると何事もなく平穏に過ごしていた日々の中で着々と侵略され、腐れた海の底エイリオネプチュの『神』が行うとされる腐敗による万物の合一を引き起こしてしまいました。

そんな彼は自身の愚かさと現実に絶望し、村付きとしての使命を果たしたのち異端狩りとなったようですね。

「…みんな、死にました。…ひとり残らず、殺しました…」

「…何もかも…ぼくの、せいで…」

七つの魔剣が支配する X

前巻でカティに異界との交流は不可能だと断言していたのも、この過去があったからでしょう。

個人的にそんな彼の姿は、僕が大好きなFate/Zeroの主人公・衛宮切嗣に近いものを感じました。

デメトリオが村を焼き尽くす姿は、明確に描写されていないものの、衛宮切嗣が自身の師匠が乗った飛行機を撃ち落とすシーンを連想しましたね。

深い絶望と後悔、無力感に苛まれながらも、理にかなった選択を通す姿は哀しさに溢れていました。

お互いの過去を覗きあった後に剣を交えている時のやり取りを見ても、デメトリオは間違いなく良識に満ち溢れた、心優しい人物だったはずです。

そんな彼はオリバーとよく似ています。

お互い自身の過ちを深く悔い、永遠の罪だと感じている者同士ですからね。

きっと彼ならオリバーの良き理解者になれたような気がしますし、オリバーに必要なのは彼を支えてくれる大人なんじゃないかとも思わされたので、惜しい人物をなくしたなと思いました。

もちろんそんなデメトリオはオリバーの母を殺した下手人の一人ですから、和解は絶対にあり得ないのでしょうがそれでも惜しく感じましたね…

ここまでオリバーに討ち取られた教師陣とは一線を画す人物だったのは間違いないと思います。

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考察

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ダークヒーロー・オリバー=ホーン

表は突出した才能を持たずとも鍛錬に裏付けされた実力を持つ優等生。

裏はキンバリーの教師殺しを着々と進める魔剣使いの復讐者。

表と裏のギャップが凄いオリバーでしたが、遂にこの2つが綺麗に繋がりましたね。

まさにダークヒーローという言葉が相応しい、闇を抱えながらも”ヒーロー”として生きる我らが主人公でした。

とはいえ闇を抱えているという言葉では生温い、あまりにも壮絶な過去でしたね。

過去最高の魔女・クロエ=ハルフォードの息子として生まれながら、あまりにも凡庸だったオリバー。

しかし両親の愛には恵まれ、クロエが殺害されるまでは幸せに暮らしていたようです。

彼の人生が一変したのはクロエの死後。

父・エドガーはシャーウッド家の婿養子だったようで発言権はないに等しく、クロエの魂が絡みついたオリバーは有無を言わさずクロエの死を追体験させられます。

その体験はクロエが完全に人格を失ってしまった拷問の記憶。

さらにその後も魂の融合・魂魄融合ソウルマージの苦痛に耐えながら、クロエの仇を打つべく壮絶な鍛錬の連続

エドガー以外の唯一心の支えだった従兄・グウィン=シャーウッドと従妹・シャノン=シャーウッドこそ味方でいてくれたものの、シャーウッド家には味方がいないに等しい状況でした。

更に追い打ちをかけるように、当主の命令で正気を奪われシャノンを孕ませてしまったうえに、その赤子も死産に終わってしまいます。

何をどうしたらこれだけ凄惨な過去になるのかと…

読んでいるこっちが苦しくてたまらない壮絶な過去でしたね。

しかしまだオリバーの悲劇は終わりません。

耐えに耐え抜いた果てにオリバーは自分自身を苦しみ続けなければならない『獣』と認識し、因果の果てに第四魔剣・『奈落を渡る糸』を習得。

オリバーはシャーウッド家当主である曾祖父と曾祖母を殺害するも、父・エドガーが自身の仕業に見せかけて自害する。

そして母・クロエの復讐をより強く誓ったオリバーは、今僕たちが知る復讐者になったようですね。

これだけの過去を背負っていながら、復讐を果たした後に少しでも優しい世界になることを祈るオリバー。

そんな彼の行動の根幹にあるのは、母を殺された怒りだけでなく数多くの過ちを犯した自責の念

これはまさに、責任感が強く、真面目で、優しい、表のオリバー=ホーンそのものでしたね。

この過去を知ってしまうと、やっぱりオリバーは単なる復讐者ではなく、壮絶な過去を背負ったダークヒーローだったんだなと思わされちゃいますよね。

というかこれだけの壮絶な過去を体験していながら、ナナオたち剣花団の面々と友情・愛情を育めているのは奇跡と言って差し支えないでしょう。

両親以外の大人には恵まれなかったものの、シャーウッド家の2人や剣花団、キンバリーの面々など、同世代との出会いには恵まれたのが救いなのかもしれませんね。

特にグウィンとシャノンは、これまでとは比べ物にならないくらい行動理念がしっくり来るようになって、一気に好きなキャラになりました。

この2人もまた壮絶な過去を経ているにも関わらず、オリバーを家族として想い合えているのは奇跡に近いかもしれません。

やっていることは復讐でも、心の底からオリバーに幸せになって欲しいと思わされる、そんな過去でした。

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魔剣vs魔剣はどうなるのか?

今巻では遂に魔剣と魔剣のぶつかり合いが見れました。

オリバーの第四魔剣vsデメトリオの第五魔剣ですね。

計2回のぶつかり合いでしたが、結果は以下のように。

  1. 引き分け
  2. オリバーの勝利

しかしながら、それぞれの結果にはキチンとした裏付けもありました。

1回目は、デメトリオが第四魔剣のイメージを持ちきれなかったために第五魔剣が不完全のまま発動。

もう一方のオリバーも、その後の精神的描写とモノローグを見るに第四魔剣が不完全だったように見えます。

つまり、互いに十全ではなかったための引き分けということですね。

そして2回目は、十全だったオリバーそうでなかったデメトリオの差が結果に反映されています。

オリバーはデメトリオの中のユーリィを狙うことで第五魔剣を打ち破りました。

つまるところ、完全な魔剣vs魔剣は実現しなかったということです。

1回目の激突後、デメトリオは自身のミスとオリバー・第四魔剣の実力不足による引き分けだと述べていました。

しかしながら、僕はそうは思いません。

先程述べたように、どちらも不完全だったからこその引き分けに思います。

なので、魔剣vs魔剣はお互いの完成度・綻びが勝敗を分けるものなんだと思いますね。

今後の魔剣vs魔剣も、魔剣の性能云々よりは、使い手のコンディションが勝敗の決め手になるような気がしています。

もし仮に完全な魔剣と魔剣が対峙した場合は、最強の矛と矛の激突らしく、両者死亡という形になるんじゃないでしょうか?

今後も登場するであろう魔剣対決が楽しみですね!

吸血鬼エスメラルダの力

今巻で明かされた最重要情報の1つに、クロエ=ハルフォードの殺害理由がありました。

殺害も拷問も、全てはエスメラルダが吸血鬼の力でクロエの魂を吸収するためだったようですね。

どうやら彼女はその後も多くの魔法使いの魂を吸収し、今の世界最強クラスの力を手に入れたようです。

オリバーの魂魄融合のように記憶・技能などを引き出す事は難しそうですが、純粋な力だけなら100人分上乗せされているという可能性もあります。

エスメラルダが第四魔剣を初めとしたクロエの技能を使える可能性は低くとも、純粋なパワーでオリバーを圧倒的できる可能性は高いということですね。

恐らくラストターゲットになるエスメラルダですが、デメトリオの情報から見ると倒しようのない怪物に思えてしまいます。

正面からの勝負では到底勝ち目がなさそうですから、オリバー陣営がどう対処するのかが楽しみですね!

ななつま11巻の発売日

アニメ化も決まっており、次からはいよいよ四年生編が始まる七つの魔剣が支配する XIの発売日は2023年2月10日です!

更にゴッドフレイ統括の過去を描いた外伝 七つの魔剣が支配する Side of Fire 煉獄の記 も同時発売予定!

コメント

  1. DOMAN より:

    オリバーの過去とかユーリィとの別れを真面目に朗読すると涙がこみ上げてきます…

    • ぶんちりー ぶんちりー より:

      DOMANさん

      壮絶な展開だったので涙腺に来ますよね…
      巻数が増えるにつれて愛着もわいてくるので、今後の展開も涙腺に来そうな予感です。

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