探偵はもう、死んでいる。 5巻【あらすじと感想・考察】

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探偵はもう、死んでいる。

シードに敗北し、多くのものを失うという衝撃の展開で終えたたんもし4巻

今回はシードとの最終決戦だけでなく、新たなる《調律者》の登場や予想の斜め上を行く展開とジェットコースターのようでした!

ドキドキしながら読み進めていくスリルと気になる伏線が張られていくワクワク感が味わえる素晴らしい一冊でしたね!

※ここから先は【ネタバレ】全開です!!!

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※この記事はPRを含みます

たんもし5巻のストーリー

  1. シエスタと再会した君塚君彦きみづかきみひこは、《原初の種》シードとの決戦の末、シャーロット・有坂ありさか・アンダーソンが重体となり、夏凪渚なつなぎなぎさが植物状態になったことを知る。
  2. アリシアの心臓を移植したことで目覚めたヘルの助太刀もあり、君塚たちはシードを封印する。
  3. シードの一件の事で、君塚とシエスタはニューヨークにて《調律者》が集う会議に参加し、裏切者の《怪盗》アルセーヌが既に脱獄を果たしており、《革命家》フリッツ・スチュワートに成りすましていることが判明する。君塚とシエスタは、《怪盗》にこの事実を突きつけるも逃げられてしまう。
  4. 翌朝、シエスタが自分の意志で失踪しており、君塚はこの理由が自身の心臓にある《種》の欠片が近いうちに暴走するからであることに気付く。
  5. シエスタを救うべく、君塚たちはシエスタに戦いを挑む。
  6. 目覚めた夏凪の機転によりシエスタは《眠り薬》を身体に打ち込まれ、永い眠りについて次巻へ続く…
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感想

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予想の斜め上をやってくるゥ!シード編-完-では終わらない!

もうまさにそんな感じの一冊でしたね!

今巻はシードとの最終決戦か、その前の準備回かな~とか思っていた僕が甘ちゃん過ぎました。

シードとの最終決戦に今後の伏線っぽい不穏な《怪盗》の登場だったりシエスタとの決戦だったり。

盛りだくさん過ぎるよォ!?

この3つ別々の3冊でやっても文句ないくらいの内容なのに、これが一冊なんて贅沢すぎますね!

たんもしはこれまでも一冊に色々詰め込まれていて、ジェットコースターに乗っているような気分で読める作品でしたが、今巻はこれまで以上でした!

前巻で夏凪が死んで(と思わされて)、今巻で植物状態だと発覚して。

マジかよキッツって思っていたらシエスタが失踪フラグをビンビン建ててきて、遂にはひっそり死ぬために失踪。

怒涛の展開過ぎてハラハラドキドキしながら読まされちゃいましたね!

アツすぎる表紙の挿し絵

たんもしと言えば挿し絵が表紙になっているのがお決まりです。

しかし今回はそれが分かっていても激アツでしたね!

話の流れ的に、表紙がどんなシーンなのかはなんとなく察せました。

分かっていても鳥肌モノの演出は、素晴らしいの一言に尽きます!

しかも今回は2枚の絵を繋げて表紙にする大技炸裂!

「俺はお前を止める」

「君に私は止められない」

探偵はもう、死んでいる。 5

2枚の絵とこのセリフはヤバすぎるんよ。

シエスタのために戦う君塚と世界のために戦うシエスタ。

王道な展開ですがこれに燃えない奴は居ないと言い切れる展開で、終盤は興奮と満足感でいっぱいでした!

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考察

今回は《原初の種》シードをめぐる戦いが終わりましたが、同時に多くの伏線が張られた一冊でもあります。

今後重要になってきそうな情報のオンパレードでしたが、やっぱり《調律者》まわりの話が覚えておきたいところです!

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《特異点》君塚君彦

まずは我らが主人公、君塚君彦です。

彼は《調律者》たちに、特異点シンギュラリティと呼ばれていました。

《巫女》ミア・ウィットロックの予知を覆しvsシードで全く新しい結末を紡げたのは、君塚の特異性が関わっているようです。

予知を覆せる力。

《巫女》の力をもってしても未来が見えない特異性。

これが君塚には備わっているようです。

そして、この体質?が《特異点》と呼ばれるもののようですね。

事件に巻き込まれる体質と紹介されてきた君塚ですが、この体質は《特異点》の付属物のようなモノなんでしょうね。

ロクでなし魔術講師と禁忌教典に登場するルミアの異能『感応増幅』が、本来の能力である『王者の法アルス・マグナ』の副産物であったのに近いイメージでしょうか。

君塚はこれまで事件が集まってくる体質と思っていたようですが、周囲の未来を不確定にする体質であればその意味は大きく変わってきます。

特に、後述する《怪盗》が盗み出した《聖典》の記述を覆せる力という点は、間違いなく今後の物語でキーになっていくはずです。

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次々と明かされる《調律者》

12人いると言われている《調律者》

これまで《名探偵》、《暗殺者》、《吸血鬼》、《巫女》の4名が明らかになっていましたが、今巻で新たに6名が登場しました!

  • 《発明家》スティーブン・ブルーフィールド
  • 《魔法少女》リーロデッド
  • 《情報屋》ブルーノ
  • 《黒服》???
  • 《革命家》フリッツ・スチュワート
  • 《怪盗》アルセーヌ

役職だけ明かされている《執行人》を含めると11枠埋まるので、ほとんどのメンバーが登場していることになります。

とはいえ《革命家》は死亡しており、《怪盗》は裏切者なわけですが…

《怪盗》については後述します!

《発明家》

スティーブン・ブルーフィールド

シエスタの身体を保存し、ノーチェスロボシエスタを生み出し、夏凪の治療も行った医者です。

そして、シエスタの《七つ道具》を発明したのも彼だそうです。

医者であり、その名の通り発明も行うインテリジェンス担当の役職と言ったところでしょうか。

非常に強いポリシーを持っている人物で、患者を救うべく常に全力を尽くし、100%失敗する(絶対に成功しない)治療は請け負わない医者です。

確固たる信念こそ持っていますが、《調律者》の中ではとてもマトモな人物に見えますね。

恐らく今後も裏方として、医者や発明家という立場から登場人物たちをサポートしていくのではないかなと思います。

《魔術師》あらため《魔法少女》

リーロデッド

本来の役職の名は《魔術師》だそうですが、役職を引き受ける際に《魔法少女》に改名することを条件にしたそうです。

《連邦会議》ではシエスタの勝手な行動や、《暗殺者》や《巫女》が《名探偵》の職務に手を貸したことに対して糾弾していた人物です。

要するにめっちゃ噛みついてきていましたね。

そして、《特異点》である君塚君彦の体質を高く評価しているようで、君塚に自身の使い魔になるよう誘っていました

多分シエスタに噛みついていたのも、君塚を独占していることが気に入らないからなんでしょうね。

彼女とは今後、君塚を巡ってぶつかる可能性が非常に高いと思われます。

夏凪の《名探偵》就任にも、真っ先に噛みついてきそうですね(笑)

《情報屋》

ブルーノ

その名の通り情報屋だそうで、これまでシエスタと君塚が事件を解くのにも裏から協力していたようです。

1つの世界の危機は、1人の《調律者》が担当する

というルールがある組織ですが、《情報屋》はその特性から《巫女》同様このルールが当てはまらない人物のようですね。

シエスタの行動についても、肯定的な態度は見せていました。

凄く真っ当な人物に見えるのですが、君塚の十倍は生きているという加瀬風靡かせふうびの証言から考えると、何かヤバい秘密を抱えているのは間違いなさそうですね。

加瀬はリスペクトしているようでしたが、信用するにはまだ早い要注意人物の一人だと思います。

《黒服》

《黒服》は個人ではなく、組織が与えられている役職のようです。

裏から便利屋として《調律者》をサポートするのが職務のようですね。

1巻で君塚に「荷物」の持ち運びを根回ししたのも、この《黒服》であることが明かされました。

あまり意思を感じられるキャラではなかったので、そこまで注意を払う人物ではないのかなと思います。

《革命家》

フリッツ・スチュワート

本巻で登場した際には既に死んでいた人物です

表向きの顔はニューヨーク市長という大物政治家で、《調律者》の中では珍しい人物です。

《連邦会議》の司会を任されるほど評価されているようですが、何者かに殺害され、その死体は《吸血鬼》スカーレットのもとに送られていました。

《怪盗》アルセーヌ曰く、自身はフリッツの死に関わっていないそうですから、謎の人物に殺害されたことになりますね。

これまで登場した《調律者》は《巫女》以外は全員化け物みたいな強さをしていましたし、全員特殊な技能を持っていることから簡単に殺されるとは思えません。

恐らく彼の死は、今後の物語の展開に大きく関わってくると見て間違いないでしょう。

現在君塚が目指しているのはシエスタの心臓から《種》を取り除くことですが、後述のアルセーヌの件に加えてこちらも近いうちに君塚のハードルとして立ちはだかりそうです。

《怪盗》の狙い

裏切者の《怪盗》ことアルセーヌ

アルセーヌという名前もまた、偽名のようですが…

そんなアルセーヌは、《原初の種》シードと取引をしてシードにまつわる《聖典》を盗み出しただけでなく、他の《聖典》も盗み出していたようです。

そして、《革命家》フリッツ・スチュワートに成りすまして、多くの人々を洗脳していました。

本人曰く、そんなことをしていた理由は

他者の命令によって人はどれだけ意味のないことを実行できるか

探偵はもう、死んでいる。 5

を実験するためだそうです。

確かに洗脳と言うと、命令によって難易度に差があるイメージです。

洗脳されながらも、絶対に従えない命令に抗うシーンは色んな物語で見られます。

この洗脳がどこまで有効なのかを確かめるのが、《革命家》に成りすましていた理由のようですね。

自身の能力がどこまで有効なのかを確かめるのは、戦いに挑む前段階としては非常に重要だと思います。

アルセーヌは《調律者》を裏切ってまで《聖典》の奪取を行ったわけですから、《調律者》を敵に回すような野望を秘めていてもおかしくないでしょう。

恐らく今後、《調律者》たちと対峙するために、自身の能力を測るのがこれまでのアルセーヌの狙いだったと考えられます。

そして、リスクを負ってまで《聖典》を盗み出したわけですから、その野望はアルセーヌ自身が「世界の危機」になるような、そんな野望なんじゃないかと僕は予想しています。

電子書籍特典:『断ち切っても変わらないもの』

今巻のラストで夏凪は髪を切った姿で登場しましたが、書き下ろし特典ではその夏凪が髪を切るエピソードが描かれていました!

シエスタとは熟年夫婦と言えるくらいイチャコラしてる君塚ですが、なんやかんやで夏凪ともイチャコラしてますよね

今回も夏凪が髪を切る前にコントみたいなやり取りをして、夏凪がロングの黒髪を最後に目に焼き付けていいよと言います。

「さ、さすがに見過ぎでは?」

探偵はもう、死んでいる。 5

夏凪が若干引くほど黒髪を目に焼き付ける君塚。

夏凪の事も大好き過ぎますよね。

ぶんちりー
ぶんちりー

何はともあれ生きてて良かった…

たんもし6巻の発売日

気になる 探偵はもう、死んでいる。 6巻の発売日は2021年11月25日です!

テレビアニメも放送された『たんもし』、今後も目が離せませんね!

コメント

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