君塚とシエスタと手を繋ぐ謎の少女。
1巻というイントロを経て、物語が本格始動した、たんもし2巻はもう素晴らしいとしか言いようがない出来でした!
シエスタの最期の真相が明かされる、衝撃だらけの一巻です!
※ここから先は【ネタバレ】全開です!!!
たんもし2巻の時系列順ストーリー
たんもし2巻は、シエスタの墓参りに向かった君塚君彦、夏凪渚、斎川唯、シャーロット・有坂・アンダーソンの4人が誘拐され、シエスタの残したビデオを見せられるところから始まります。
そのビデオには、シエスタが亡くなった時のことが記されていました。
今巻はこのビデオの内容がメインでしたので、ビデオの内容を時系列順にまとめていきます!
- 4年前の飛行機ジャック事件のあと、君塚とシエスタは、君塚の通っている中学校で起こっている「トイレの《花子さん》」事件の真相は秘密結社《SPES》が造った薬によるものであることを解き明かす。
- 3年前、君塚とシエスタは、ロンドンで《ジャック・ザ・リッパー》が復活したと言われている連続事件の犯人がSPESの人造人間《ケルベロス》であることを突き止める。その後、シエスタの策により君塚vsケルベロスは君塚の勝利で終わるが、SPESの上層部《ヘル》によって脱走したケルベロスを始末されてしまう。
- シエスタvsヘルは、シエスタが勝利するが、満身創痍のヘルを《カメレオン》に救出されてしまう。
- 君塚たちは、記憶喪失の少女・アリシアに出会う。更に、解決したはずの連続事件の5件目が発生する。
- 二人は、アリシアが5件目の事件の犯人であり、その正体が記憶を失ったヘルであることに気付く。そして、アリシアはカメレオンに連れ去られてしまう。
- 1か月後、SPESのアジトにてシャルに言われシエスタのもとに駆け付けた君塚は、その後シエスタがヘルに《心臓》を奪わせ、シエスタがヘルの人格と共に封印される現場を目の当たりにするも、《ベルセルク》の花粉をかいでしまい、記憶を失う。
感想
衝撃的過ぎる展開!!!
いやもうこれにつきます!!!
アリシア=ヘル=夏凪渚と、それぞれの人物が繋がって行ったときは鳥肌が立ちました!
アリシア=ヘルは全く気付かなかったんですが、ヘル=夏凪渚は終盤で気づきまして、
マジ!?え、マジマジまじ!?!?
といった感じで読むのが止められなかったですね!
気になるけどちょっと怖い!そんなワクワク感を持ちながら物凄い勢いで読んでしまいました!
1巻もとても面白かったですが、感想で述べたように本格始動前のプロローグのような立ち位置だとも感じていました。
ところがどっこい、今巻は本格始動どころかもっと後半でやっても良さそうな核心に一気に突っ込んできましたね!
この作品もう5巻も出てるってマジ???
あと3巻どうなっちゃうのこれ!!!
あまりにも今巻が衝撃的で面白くて…
1巻が面白いのは間違いないですが、そんな1巻でも比べ物にならないくらい2巻が面白かったです!
この時点でもう素晴らしい作品の一言に尽きますね。
ここまでは間違いなくアニメ化されるでしょうから、アニメ放送時の反響が今から楽しみです。
尊すぎる挿し絵と表紙
挿し絵が表紙になっているのエモすぎるんじゃい!!!
今回は、君塚とアリシアとシエスタが手をつないで歩いている表紙。
恐らく二度と実現しないこの構図。
づらい
尊い
現場からは以上です。
小ネタ
今回もありましたねホームズネタ!
今回は舞台がロンドンで、アリシアに出会ったのがベイカー街とホームズゆかりの地でイベントがありました!
2巻連続とは、二語十先生はホームズファンなんですかね?
今後もホームズネタに期待
加えて、切り裂きジャックことジャック・ザ・リッパーやトイレの花子さんなど、馴染み深い都市伝説からモビルスーツのようなロボまで出てくるのはクスッときますね!
考察
今回はかなり考察ポイントが多い巻でした!
これから見ていく3つ以外にもヘルの存在意義や《聖典》、君塚とシエスタの関係、夏凪がヘルやケルベロスの能力を扱える可能性など、沢山覚えておきたいことがありました!
ですが、僕が最も気になったのは次の3つです!
シードと異能
SPESの本拠地で登場した全ての人造人間の生みの親、原初の種・シード。
その正体は地球外から飛来した地球外生命体(植物)、つまりエイリアンでした!
そんな彼の目的は、たった一人降り立った地球で生き残るため、自分たちの生態系を確立することです。
だからこれまで《種》を蒔いて、人造人間を使い勢力を拡大していたわけですね。
この目的に則って運営される秘密結社《SPES》の正式名称は、
Surface of the Planet Exploding Seeds
惑星を《種》で埋め尽くすという意味の名前でした。
これまで探偵・警察vs秘密結社という構図だと思っていましたが、これが実は人類vsエイリアンという構図だったのが明らかになったのは衝撃的ですね。
今巻はシリーズ終盤で明かされそうな情報のオンパレード
ここで一つ気になるのは、人造人間はシードから分離した《種》が育ったクローンか、《種》を移植した人間のいずれかであるということです。
つまり、彼らの異能はすべてシード由来のものなんですよね。
シードがケルベロスやカメレオンの能力を使っていることから、これは間違いありません。
では逆に、他の異能は何なんでしょうか?
本作には、シエスタの「赤い弾丸」と斎川の《左眼》が登場します。
この世界の異能が、地球外からやってきたシードによるものならば、彼女たちもまた体内に《種》を取り込んでいるということなのでしょうか?
例えば、斎川の《左眼》は義眼ですから、この義眼が《種》によって作られたものなのでしょうか?
ここは非常に気になるポイントです。
もしシード由来ならば、vsシードでは使えなかったり、最悪のケースだと敵に回ってしまう可能性もありますよね。
今後もシードと異能の関係は注視していきたいです!
特別製の《心臓》
これまでも気にしてきたシエスタの《心臓》。
1巻でもシエスタの人格が夏凪の中に残っているのは、心臓移植による記憶転移では説明がつかないと思っていました。
となれば、《心臓》が《種》に分類される異能を宿すものなのではないか?
こう考察していましたが、今回シエスタの口から彼女の《心臓》は特別製だと述べられました。
まだ《種》だと明言されてはいませんが、人格等を継承できる特別な《心臓》であることは確定しましたね。
だからこそ、シエスタはヘルに自分の心臓を奪わせるという大博打に出たわけですしね。
そして、この《心臓》もまた、シード由来の可能性があります。
シードは、すごく意味深なセリフを言っているんですよね。
「どちらか一方に肩入れしては、計画が成り立たなくなるからな」
探偵はもう、死んでいる。2
これは、SPESの目的などを君塚に明かしたときに放った一言です。
片方はヘル、またはSPESの事でしょう。
ではもう片方は?
状況的に考えられるのはシエスタです。
この時、別の場所でシエスタvsヘルが繰り広げられているわけですし、君塚とシャルはシエスタの仲間ですからね。
この一言もまた、シエスタの《心臓》がシード由来であることを暗示しているように思えます。
3巻で更なる情報が出るかもしれないので、目が離せませんね!
見せられた映像の意味
最後に、通して気になっていたのがシエスタが君塚たちに見せた映像の意味です。
君塚は《花粉》の効果で記憶を失っていたわけですから、それを思い出させるという意味があるのは確かです。
ではなぜ、シエスタはこんな意味深な一言を放ったのでしょうか?
「一つひとつの情報を見誤らないこと。今、誰が、なにを喋っているのかを正確に把握しておくこと。そして常に、目の前の現象を疑うこと」
探偵はもう、死んでいる。2
もちろん今巻には、変身能力を持つケルベロスや多重人格者のヘルなど、ミスリードが多い展開でした。
ですから、そこに騙されるなという意味かもしれません。
ただ、ビデオ内には、そのミスリードを解き明かすところまでキッチリ収められていました。
つまり、騙されたとしても、最終的にはシエスタの最期が分かるはずです。
なので僕は、このビデオにはまだ表に出てきていない情報があるか、意図的なミスリードが仕込まれていると考えています。
衝撃的なシエスタの最期でしたが、本当にアリシア=夏凪なのか?本当に夏凪の中にはシエスタだけでなく、ヘルがいるのか?
こういったラスト付近の部分は疑ってみた方がいいかもしれません。
そもそも、シエスタがヘルと戦っている最中の、君塚とシードの会話は誰が撮ったのか?
シエスタ亡き今、誰が4人を誘拐してこのビデオを見せているのか?
こういった謎を繋げてくると、額面通りに内容を受け取っていいのか疑ってしまいますよね。
僕の考えすぎかもしれませんが、このビデオ自体が、SPESによって仕組まれた罠の可能性がまだまだあると思います。
おまけ:電子書籍特典
今回も書き下ろしストーリーが電子書籍特典として入っていました!
タイトルは『二十年後、誰も結婚してなさそう』
ある事件を解決した後に、シエスタ、君塚、シャルの3人が打ち上げをするお話でした。
君塚とシャルの犬猿の仲っぷり、シャルがシエスタをマームと呼び慕っている姿など、本編で言及されていたことがそのまま前面に出ていました!
「キミヅカ、アナタだけは絶対に許さないから、ひ孫の代まで恨むから」
「はは、ひ孫の代って。まるで自分はだれかと結婚できるみたいに」
探偵はもう、死んでいる。2
このやり取りがめっちゃツボでしたね(笑)
今回も楽しい特典でした!
たんもし3巻
衝撃の事実が明かされた2巻を終えて、話は現在に戻ります。
こんな事実を知ってしまった4人がどうなるのか、3巻が楽しみで楽しみで!!!
そんな3巻の記事はこちらです!またまた素晴らしい一冊でした!
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