ロクでなし魔術講師と禁忌教典 20巻【あらすじと感想・考察】

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ロクでなし魔術講師と禁忌教典

これはグレンが居ない物語。

フェジテでの決戦が描かれたロクアカ20巻は、ロクアカだからこそできる素晴らしい濃密な一冊でした!

※ここから先は【ネタバレ】全開です!!!

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※この記事はPRを含みます

ロクアカ20巻のストーリー

  1. グレン=レーダスをタウムの天文神殿に送り出し過去での戦いが行われていたその頃。フェジテでは《剣の姫》エリテーテ=ヘイヴンの域に至りかけたリィエル=レイフォードがエリテーテに惨敗を喫する。
  2. 天の智慧研究会の真の狙いである【聖杯の儀式】に気付いたイヴ=ディストーレの策によって戦況は一辺し、アルザーノ帝国軍vs天の智慧研究会のフェジテ市街戦の状況まで好転する。
  3. 各所でアルザーノ帝国と天の智慧研究会の魔術戦が勃発するなか、リィエルvsエリテーテ、アルベルト=フレイザーvsパウエル=フューネ、イヴvsエレノア=シャーレットの3つの決戦が行われ次巻へ続く…
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感想

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超豪華な”一方その頃”が実現!

ここまでシリーズが続き、魅力的なキャラクターたちが登場してきたロクアカだからこそ可能な、主人公が居ない時の戦いが描かれていました。

僕はグレンというキャラクターと彼の戦い方がとても好きな人間ですが、そんな僕でも大満足できる主人公抜きのストーリー。

リィエル・アルベルト・イヴといった人気も魅力もトップクラスなグレンの元同僚たちが、このシリーズを通じて成長した姿を見せつつ天の智慧研究会のトップたちと戦う展開はアツすぎますね!

今巻では、一度は四肢を切断されるという衝撃的な敗北を喫したリィエルが、特にスポットライトを浴びていたなという印象。

守るために”捨てる”のか、守りたいからこそ”捨てない”のかを迫られたリィエルの決断が1冊を通じて非常に気になる構成になっていて、最後までドキドキしながら読めました。

そして、ここ最近ひたすら株が上がりっぱなしのイヴも大活躍で、初登場時の上昇志向とプライドの塊だった頃からの成長をたっぷりと見せつけられる内容でしたね。

人気も十分すぎる主要人物たちとはいえ、彼女たちだけでもこの作品の中で流れてきた年月を『成長』という形で実感できるのはロクアカだからこそという素晴らしい一冊でした!

前巻でもヒロイン・システィーナ=フィーベルの成長がしっかり感じられる内容でしたし、終盤に来てこれまでのグレンの行動が実を結び、様々な人物の成長に繋がっているのを見られるのは最高の一言に尽きますね。

流石『講師』です!

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イヴの大活躍と成長

僕がイヴ大好きマンだからというのもありますが、今巻で描かれたイヴの活躍は一つの集大成に見える内容だったと思います。

彼女がイヴ=イグナイトだったからこそ身につけられた、姉・リディア=イグナイト譲りの卓越した戦術眼戦闘考察力

そして、彼女がグレンたちとふれあい、イグナイトと決別したからこそ得た柔軟な思考や勝負に打って出る度胸

どちらが欠けていても今回の【聖杯の儀式】を見破り、聖儀【ピュリファイド・サンクチュアリ】で相手の出鼻を挫き《最後の鍵兵団ウルティムス・クラーウィス》のキーマンであるエレノアを誘き出す策を立案・実行することは不可能だったでしょう。

イヴがロクアカが始まる前から積み重ねて来たものと、ロクアカが始まってから積み重ねて来たものの両方が十全に活かされた素晴らしい活躍だったと思いますね!

あとはvsエレノアがどのような結末を迎えるのか。

イヴのファンからしたらこれでもか!というくらい見せ場を沢山貰えるここ最近は嬉しい限りですね。

めっちゃカッコイイ表紙にもなってますし!

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考察

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エレノアの魔術

アルザーノvs天の智慧研究会の各局面の中で、最重要ポイントの1つはイヴvsエレノア。

エレノアを倒せば《最後の鍵兵団》が全て消えるという点では、戦局に与える影響が最も大きいでしょう。

後述の”本命”次第ではありますが、《最後の鍵兵団》が居なくなれば【聖杯の儀式】は失敗に終わりますしね。

そんなエレノアは死霊術を操る魔術師で、どんな攻撃を受けても再生する不死性も獲得しているように見えます。

イヴやアルベルトから見てもエレノアの不死性や無尽蔵に湧き出てくる死者は等価交換を無視しており、明らかに不自然なようで、カラクリがあるのは間違いないでしょう。

そこで恐らくキーとなってくるのがエレノアが操る死者が”全て女性”という点。

女性のみというのは彼女の魔術の制約や原理に強く紐づいていると見て間違いないでしょう。

そして、エレノアの原初を形作る記憶という意味深な描写。

延々と耳に残る、女性達の泣き叫ぶ声。

(略)

死んだくらいで逃げられるなら、どれだけ幸せなことか。

ロクでなし魔術講師と禁忌教典 20巻

ここのパートは間違いなく彼女の魔術に繋がってくる過去なはず。

死んだくらいでということは、言い換えれば死んでも生き返ってしまう、死んでも意味がないということでしょう。

これはまさにエレノアの不死性そのもの。

元々の素養なのか、後付けされたものなのかは分かりませんが、この不死性を利用して彼女を捕らえていた人物がいたのは間違いなさそう。

そして、その場には他にも女性たちが居たのも確定。

となると、エレノアが呼び出している死者はここで”死んだ”女性たちなのではないでしょうか?

死んで蘇るを繰り返していたとするなら、その時のエネルギー?のようなモノをエレノアがストックして使っていれば等価交換の原理は成立します。

アルベルトが魔術をストックして発動しているように、ストックした死霊術を使って発動しているとしたら納得はできますしね。

そのストックに限りがあるからこそ、エレノアは”不死身”なのに”死なないように”立ち回っているのなら筋は通ります。

どのような原理かは定かではないですが、彼女の生い立ちが深く関わっていて、何かしらの弱点があるのは間違いなさそうですね。

真なる”本命”

《大導師》フェロード=ベリフ曰く、ここまでの全てを囮にできる”本命”とやらがあるそう。

《最後の鍵兵団》やエリテーテは単なる布石と言い切れるくらいですから、何かしらの手段で【聖杯の儀式】を完遂できると見るのが妥当。

フェジテ市民を殺さないように指示していることから考えても、彼らを『生贄』にするという根幹は恐らく変わっていないでしょう。

となれば、《最後の鍵兵団》やProject:Flame of megido以外にもフェジテを壊滅に追い込む方法があるということ。

考えられるとすれば、《魔王》ティトゥス=クルォーとしての側面でしょうか。

彼には天の智慧研究会だけでなく、過去に従えていた配下が居るはずなので、エリテーテのように配下たちを蘇生して投入する可能性はあり得ます。

これまでも死者を利用しているので、”本命”もその方向である気がしてなりませんね。

ロクアカ21巻の発売日

フェジテ決戦の続きが描かれるであろうロクでなし魔術講師と禁忌教典 21巻の発売日は2022年6月17日です!

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