ロクでなし魔術講師と禁忌教典 22巻【あらすじと感想・考察】

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ロクでなし魔術講師と禁忌教典

ロクアカも遂に大詰め!

怒涛の伏線回収に最終決戦となりそうな戦いの開幕、明かされる魔王の過去など読むのが止まらない一冊でした!

※ここから先は【ネタバレ】全開です!!!

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※この記事はPRを含みます

ロクアカ22巻のストーリー

  1. 突如現れたジャティス=ロウファンは《大導師》フェロード・ベリフを殺害し、メルガリウスの天空城を乗っ取る。
  2. ジャティスを止めるべくグレン=レーダスと神秘に至ったシスティーナ=フィーベル、ルミア=ティンジェル、リィエル=レイフォードの3名、そしてナムルスはメルガリウスの天空城に突入。
  3. ジャティスが使用した魔王遺物【輝ける偏四角多面体トラペゾヘドロン】により夢に閉じ込められたグレン、システィーナ、ルミア、リィエル。グレン以外の3名は夢から脱出するも、グレンはセラ=シルヴァースの夢を見たまま目覚めず…次巻へつづく
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感想

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一気に物語が終盤へ!

伏線回収の大盤振る舞いに数々の種明かし。

ここまでシリーズを追ってきたからこそ読むのが止まらない、終盤ならではの一冊でした!

グレンたちのストーリーもさることながら、今巻は何と言っても《大導師》フェロード・ベリフこと《魔王》ティトゥス=クルォーの過去。

並行世界論が登場してからグレンたちの世界は僕たちが住む世界の並行世界だということが何となくは分かっていましたが、ここに来て更なる種明かし。

まさかティトゥス=クルォーが僕たちの世界出身の、おまけに日本人だったとは。

ティトゥス=クルォーという名前も、本名・高須九郎がこの世界の住人には発音しづらかったためという理由でしたね。

そんなティトゥス=クルォー改め高須九郎の悲惨な過去とこの世界での過去、そして《天空の双生児》であるレ=ファリアとラ=ティリカの出会いなどなどとにかく読むのが止まらない内容でした。

ある時までは善政を敷き民からも慕われていたティトゥス=クルォーが変貌し、魔王となった理由も種明かしされると物凄く自然に感じますね。

平和な異世界に逃げてきて、自身の知恵と技術を伝え幸せに暮らすも、外宇宙の神《無垢なる闇》の恐怖が拭えず、絶望に満ちた未来を占ってしまった。

人としてあまりにも自然過ぎる一連の行動と、だからこそ人として許されざる行動に出てしまった心理。

今思えば…もうすでに、この時、彼の心は折れていたのでしょうね

ロクでなし魔術講師と禁忌教典 22

ナムルスが言うように、元の世界で既に完膚なきまでに叩きのめされていたからこそ、今の世界で恐怖に屈してしまったのでしょう。

見方によっては正義の魔法使いが魔王となるまでの過程とも言えるような高須九郎の過去には、とにかく引き込まれました。

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考察

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魔王ティトゥス=クルォーが元居た世界

今巻で明かされた事実の中でも最も衝撃的だったのは、やはり《魔王》ティトゥス=クルォー改め高須九郎が元居た世界。

その世界は僕たちが住む世界の近未来ながらも、魔術が存在した世界でもあるようでした。

そしてその魔術のレベルも非常に高く、グレンたちの世界に転移した高須九郎が”レベルを落として”魔術を伝えるほどだった模様。

そんな彼の世界はこの多次元宇宙の法則を解き明かすほど文明が発達してしまい、外宇宙の神々の力を兵器として扱おうとした結果失敗し、核弾頭の乱れ打ちと合わせて完全に滅んでしまうという悲しい結末…

近未来をテーマにした作品には多いですが、人間の負の側面が顕著に表れた世界だったようですね。

そしてそんな彼の世界、僕たちの価値観で外宇宙の神々を見てみると、それはあるものに酷似していた模様。

それが高須九郎曰く『米国のSFに登場する神話体系』ですから、ほぼ間違いなくクトゥルフ神話でしょう。

元々外宇宙の話が出た時からクトゥルフ神話がモチーフなのかなとは思っていましたが、高須九郎を通してまさにその通りとの種明かしがあったのは面白いですよね。

もう1つ面白いなと思ったのが、メルガリウスの天空城のモデル。

こちらも高須九郎の夢からモチーフが明かされ、またまたイメージ通り。

天空城と言えば『天空の城ラピュタ』というほど日本人には刷り込まれているラピュタがモチーフでした。

高須九郎という人物を使って、いくつかの面白い種明かしを世界の全貌を解き明かす過程に仕込んでくれたのは素晴らしいの一言に尽きました。

《魔煌刃将》アール=カーンの謎

かなりの伏線が回収されたロクアカですが、未だに残っているのが《魔煌刃将》アール=カーンまわりの謎。

彼の本体であろう《正しき刃》

そして未だに謎が残る”正義の魔法使い”

アール=カーンがジャティスとグレンのどちらを所有者と認めるかに揺れ、グレンに《正しき刃》を託した事。

そしてジャティスが異常なまでにグレンをライバル視する理由。

ここにはグレン自身がまだ気づいていない、グレンだけが持つ何かしらのポテンシャルがあるということで間違いないでしょう。

最早チートとしか言いようがないジャティスの正義【ABSOLUTE JUSTICE】を打ち破るキーは、同じ”正”という文字を名に宿した《正しき刃》なんだろうなと期待が膨らみますね。

ロクアカ23巻の発売日

いよいよ次巻で完結か!?と思われるロクでなし魔術講師と禁忌教典 23巻の発売日は2023年10月20日です!

更に完結へ向けた連続刊行ということで、ロクでなし魔術講師と禁忌教典 24巻が2023年11月17日に発売予定!

コメント

  1. 匿名 より:

    正直ここまでの流れであの方向以外の解決されても萎えるなと言うのはあるんですよね
    ネタバレ避けて言わなかったのでしょうが
    寧ろジャスティスがここまで言ってもシスティーナがジャスティスの言ってる意味を理解できずグレンを叱咤しないのは、グレンと仲良くなりすぎたからかジャスティスへの不信の強さ故か、と言う
    最初からジャスティスは答えを言ってるんですよね

    • ぶんちりー ぶんちりー より:

      僕はシスティーナがグレンを叱咤しない(できない)のは、グレンへの信頼感故に…といったイメージですね。
      彼女のレベルがどれだけ上がってもスタートは教師と教え子という関係なので、絶大な信頼が彼女の思考を阻んでいるのかな?と。
      多分無意識的なのでしょうが、気付きつつも気付かないフリをしている…そんな解釈です。

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