見事にミスリードされたぞ!!!
作者の竹町先生に翻弄されっぱなしで、このサプライズこそやはりスパイ教室の魅力と言える内容の一冊でした!
スパイ教室ファンだけでなく、全ラノベファンにこの一冊を読むためにスパイ教室を追いかけて欲しいと思いましたね!
※ここから先は【ネタバレ】全開です!!!
スパイ教室6巻の時系列順ストーリー
- フェンド連邦で任務についていた『鳳』は同国のスパイチーム『ベリアス』の襲撃を受け、『浮雲』のラン以外は全員死亡する。
- 『鳳』が失敗した不可能任務を引き継いだ『灯』はランと合流し、ランのことを隠したまま『ベリアス』と接触することで真相解明と復讐を果たそうとする。
- ジビアがわざと『ベリアス』に捕まり、クラウスと『ベリアス』リーダー・アメリとの交渉の末、ランの合同捜査を行う。
- フェンド連邦のダリン皇太子が暗殺され、合同捜査は打ち切りになるも『灯』は計画を続行。『ベリアス』を山奥で1人残らず壊滅させる。
- 『蛇』のメンバー『翠蝶』に『緋蛟』のコードネームを与えられた『氷刃』のモニカの裏切りによって『灯』は一時壊滅状態に陥る。
感想
騙された!!!いやーーー騙された!
これは後述しますが、見事に前巻の最終節であるNEXT MISSIONからミスリードされてしまいましたね!
これだからスパイ教室はやめられねえ。
それ以外だと、やはり少女たちの成長と個性が強く見られてとても良い巻でしたね!
今巻のメインはタイトルの通り《百鬼》のジビアで、彼女に一番スポットが当たっていました。
ギャングの娘であり、孤児院に居た弟と妹が殺されてしまっているという悲しい経歴を持った彼女。
そんな彼女は圧倒的な身体能力とセンスを持っているようで、『灯』の中で唯一世界最強のスパイである《燎火》のクラウスと息を合わせられるポテンシャルがあるようです。
実際に『ベリアス』との戦いでは見事なコンビネーションを見せていましたね!
ただ、頭の方はまだまだ一流のスパイには追いついておらず、アメリに尋問された際もあまり上手に対処できず三流呼ばわりされていたのも印象的。
そんな彼女に渡す情報を制限し、上手に演技させたグレーテやティアといったブレーンたちの存在もこの一連の流れで際立っていましたね。
互いを補い合う姿にチームとしての成熟度が見られて、なかなかに嬉しい一冊でした。
もちろん他のメンバーも要所要所で活躍していて、チームとして任務がこなせているように見えました!
余談ですが短編集である花嫁ロワイヤルの話がチラホラ出てきていたのは意外でしたね!
スパイ教室は短編集までしっかりカバーしておくのが今後のことを考えてもよさげです。
鳳
今巻ではラン以外が故人として回想に登場した『鳳』
あとがきで竹町先生がただでさえ主要人物が多いスパイ教室で新たに登場した『鳳』が読者に受け入れてもらえるか不安とおっしゃっていましたが、僕は今巻で完全にスッと入ってきました。
前巻終了時では特に思い入れがなかったんですが、今巻で『灯』の少女たちが『鳳』の各メンバーに色々な想いを持っていたのが丁寧に描かれていたからでしょうね。
プロット構成も素晴らしいのに、キャラクターの心情描写も上手ってトンデモ作家すぎるぜ。
あと個人的に、最初にヴィントがクラウスのポンコツ教師っぷりに唖然としていたのも面白かったです。
「ふざけているのか、この男は?」
「「「「本人はいたって真面目です」」」」
「まともな指導はできないのか?」
「「「「できません」」」」
スパイ教室 06 《百鬼》のジビア
ちょっと懐かしい雰囲気でワロタ
やっぱクラウスのポンコツ教室っぷりは笑えますね(笑)
ヴィントが割と真面目そうだから噛み合ってて余計面白い。
騙されたぜ
毎回言ってる気がしますが、今巻も盛大に騙されましたね。
先に謝っておきます、『鳳』の皆さん、前巻の記事で裏切者は誰だ!とか言ってすみませんでした。
皆さんランを逃がすために名誉の殉職を遂げたようですね。
にしても前巻のNEXT MISSIONからのミスリードが凄すぎますよ!
今巻もジビアがアメリに捕まってランを探すところから始まったので、本当に『鳳』に裏切者が居ると思いながら読み進めてしまいました!
まさか『翠蝶』が出てくるのがNEXT MISSIONで、今巻は『ベリアス』メインとは…
してやられましたね。
前巻から仕込まれたミスリードにまんまと引っかかって、今巻はサプライズだらけで超楽しく読めましたね!
竹町先生が俺の上を行き過ぎててスパイ教室の予想は大体全部外れそう(笑)
でも予想が外れると、それはそれで読んでいる時の盛り上がりが凄いんですけどね!
NEXT MISSION
そして今巻も度肝を抜かれたのがラストのNEXT MISSION。
もうね、引きが強すぎるんよ。
前巻でも思ったけど次が待てん!!!!!
こんな続きが気になる終わり方されたら続きが待てませんよ!
《氷刃》のモニカが『翠蝶』側について『緋蚊』というコードネームを与えられたのも衝撃ですし、『灯』の新メンバー『炯眼』というのも気になり過ぎる。
何べん言うねんという感じですが、こんなに続きが気になり過ぎる引きは強烈過ぎてもうすでにスパイ教室熱がMAXです!次巻が待てん!!!
考察
やはり衝撃のNEXT MISSIONで裏切ったモニカも気になるんですが、まったく理由が思いつかないので考えてみたい他の2つについて見ていきます。
フェンド連邦と暗殺
まずは今回の舞台となった『フェンド連邦』
恐らく香港がモデルとなっている『龍沖』を植民地としていたり、王族を中心とした国家であることやガルガド帝国と対立していること、時計塔の存在やテムズ川によく似た名前のテレコ川の存在などから考えるとフェンド連邦のモデルはあの国でしょう。
そう、フェンド連邦のモデルはイギリス、United Kingdomだと思われます。
イギリスのスパイといえばかの大人気映画『007』の主人公であるジェームズ・ボンドと、彼が所属する機関・MI6ですよね。
スパイといえばボンド!というくらい有名な彼。
しかしスパイ教室ではフェンド連邦のスパイ機関・CIMのトップである『ハイド』というグループの誰かまたは全員が『翠蝶』の掌の上だったようですね。
そんなフェンド連邦では、アメリの様子から見ても王族はかなり重要な存在なようでダリン皇太子の暗殺は国に激震が走ったことでしょう。
相当厳重な警備をしていたようですしね。
しかし、時代的には第二次世界大戦後の冷戦に近いこの時代で、わざわざ大国の王族を暗殺するメリットというのはほとんどありません。
全面戦争をするメリットが薄くなったからこそスパイが暗躍しまくっているわけですから、フェンド連邦に捨て身の戦争までさせそうなこの暗殺は主犯国としてもあまり旨味がないように見えます。
仮に『蛇』が主導して暗殺を行ったとして、これがガルガド帝国に大きな利益をもたらすかというと微妙ですからね。
フェンド連邦と全面戦争なんかして、その隙に他の国のスパイや軍に国内をグチャグチャにされて損をするのはガルガド帝国側でしょう。
となると、何故ダリン皇太子を暗殺したのか?というのは次巻以降も大きな意味を持ってくると思います。
これが4巻の記事でも考察した『蛇』の最終目的に関わってくるのかどうかも気になるところですね!
新メンバー
最後に気になるのが、『灯』新メンバー。
少女たちは快諾した。クラウスがその加入者を紹介した時、拍手で迎え入れられた。
スパイ教室 06 《百鬼》のジビア
あの癖の強い『灯』メンバーが受け入れた人物。
この時点でどんな人かかなり気になりますよね。
コードネームは『炯眼』
すでにフェンド連邦内に潜伏しているそうで、『灯』メンバーに紹介されたのが今回のミッション前。
となると既に登場しているんでしょうか?
今巻のどこかで出ていそうな気もするんですが、思い当たる節がないんですよね。
順当に行くとチームが壊滅してしまったランかな?と思うんですが、この状況から考えると別の人物である可能性が高そう。
いったい誰が 『炯眼』 なのか楽しみですね!
スパイ教室7巻の発売日
裏切った《氷刃》のモニカや新メンバー《炯眼》、気になる敵キャラの『翠蝶』など気になるスパイたちの動向が楽しみなスパイ教室7巻。
そんなスパイ教室07 《氷刃》のモニカの発売日は2022年3月19日です!
先に2021年12月18日にスパイ教室 短編集02 私を愛したスパイ先生が発売されるようですね!
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