ド派手な能力者バトル!
いよいよ獄門開錠編、本格始動!
やっぱりとある”科学”の超電磁砲といえば、能力者vs能力者の科学サイドバトルですからね。
美琴や黒子の戦いがしっかりたっぷり描かれた、超電磁砲らしい一冊でした!
※ここから先は【ネタバレ】全開です!!!
超電磁砲15巻のストーリー
- 前巻ラストで動き出した脱獄犯・春暖嬉美の一味に、脱獄トライアル優勝者の天才ハッカー・初春飾利は攫われる。
- 初春の異変を察知した親友の佐天涙子と共に、御坂美琴と白井黒子はもぬけの殻となった初春の自宅を訪れ、誘拐に気付き誘拐犯の車に追いつくも、美琴は春暖の右腕から出てきたドラゴンに一時撃退される。
- 美琴は車に追いつくも、脱獄犯の一味・鰐河雷斧と交戦、美琴が勝利する。
- 黒子も車に追いつき、脱獄犯の一味・釣鐘茶寮と交戦、黒子が勝利する。
- わざと警備員に捕まった佐天は警備員棟を抜け出し、看守棟に飛び移って侵入。看守の制服を入手して次巻へつづく。
感想・考察
黒子かっけえッ!!!
今巻で僕が一番好きだったのは後述の黒子vs釣鐘です!
今巻は美琴と黒子のバトルがかなりの割合を占めていて、バトルシーンを堪能する一冊でしたからね!
ただそれだけではなく、春暖のドラゴンが恐らくですが上条当麻のドラゴンであることが確定したのは個人的にデカかったです。
美琴の能力を無効化?か何かしていましたし、謎に包まれている上条さんのドラゴン(竜王の顎)について知る数少ないチャンスですから細かいとこまで見逃せません!
恐らく最新刊の16巻かそれ以降のどこか、少なくとも獄門開錠編が終わるまでには色々な情報が開示されるはずなので考察を楽しみにしたいです。
力の入った佐天さん描写
メインディッシュの各バトルについては一旦置いておくことにして、その他に良かったのは佐天さんの内面を描いたシーンですよねえ。
佐天さんはとある世界の良心
初春の異変を素早く察知するところも流石ですが、やっぱり一番の見せ場は少年院に侵入したあとです。
いくら『インディアンポーカー』で走り幅跳びのスキルを習得したとはいえ、ぶっつけ本番で屋上から屋上へのジャンプは相当な勇気がいるはず。
しかも、初春が少年院にいると決まってはおらず、まだ憶測の段階で行動しているならなおのこと恐怖が勝るはずです。
そんな時に、フレンダの一言がフラッシュバックするのがまたいいですよね!!!
結局足手まといにしかならない無能力者も、命を投げ打つ覚悟あるなら立派な戦力って訳よ!!
とある魔術の禁書目録外伝 とある科学の超電磁砲 15
この一言を思い出して震えが止まるの、エモポイント100点満点。
フレンダの存在って佐天さんの中では相当大きいんだなと、改めて感じさせられましたね。
前巻の冒頭でフレンダが音信不通になったことでだいぶショックを受けている様子が描かれていましたし、おじさんかなしいよ。
もう一つエモいのが、佐天さんが初春のことをよく見てるってところですよね。
初春の本質は「正義」ではなく「正義でありたいと思っている」というところをキチンと見抜いていて、そんな初春を悪事に加担させようとしている誘拐犯に憤ってるのは親友なんだなというのがヒシヒシと伝わってきます。
少年院でのシーンだけで、佐天さんの色んな内面が描かているのは本当に素晴らしいの一言に尽きます。
あと個人的な好みだけど短パンの下にスパッツ履くの好き。めっちゃ好き。女の子っぽくて+5000兆点。
美琴vs鰐河
バチバチの能力バトルってカンジで、美琴の『超電磁砲』っぷりが良く出ていましたね!
電磁力で操った車のドアをシールドにして銃弾を弾くシーンなんかめっちゃカッコよくて好きです。ガンダム00に登場するシールドビットを思い出しましたね。
その後はお互い距離を取りながら戦いますが、ここの心理戦も面白かったですね。
謎に包まれた鰐河の能力を観察し、考察する美琴。
そんな美琴の思考を誘導するように戦う鰐河。
能力者バトルの醍醐味ってこれだよね!!!というワンシーンです!
学園都市第3位の美琴より評価の高い能力者なんてほぼいないですが、それでも学園都市の能力者たちって創意工夫を凝らして「能力」の差を覆そうとするんですよね。
美琴の能力は有名なのに対し、有名でないことを逆手にとって能力を誤認させる戦い方は毎回見ていて面白いです。
情報もまた戦力の一つですからね。
今回の鰐河は、重力操作能力である『重力円環』を限定的な使い方をすることで念動能力と誤認させていました!
ただ美琴の防御は第1位・一方通行ほどではないにせよ、学園都市屈指の防御力ですから能力を誤認させたぐらいでは突破できない。
そこで、美琴の超電磁砲を反射させて倒すという考え方は面白かったですね!
過去に超電磁砲を一方通行に反射させられ、敗北を喫した美琴を倒すにはかなり効果的な作戦だったと思います!
美琴が直感で超電磁砲の威力を抑えていなければ鰐河の勝利もあり得たことに、能力者バトルの面白さを改めて感じました。
あと、旧約15巻から何度か登場している学園都市製無人兵器『六枚羽』が出てきたのはファンサービス旺盛で嬉しかったですね!
時系列的にも『六枚羽』が浜面を襲った旧約19巻とほぼ同時期ですし、芸が細かくてニンマリしちゃいました。
獄門開錠編がとある世界のどの時期なのかはコチラで考察しています!
黒子vs釣鐘
黒子かっけえッ!!!(2回目)
こちらのバトルは予想通りの肉弾戦。
『空間移動』vs『忍者+能力追跡』とお互い近接戦を得意としているだけあって、見応えのある肉弾戦でした!
釣鐘の戦い方は忍者としての体術や短刀術、投擲術などを組み合わせたスタイルで、イメージ通りの忍者スタイルですね!
釣鐘の面白いところはこれに加えて、レベル3の『能力追跡』という能力の存在ですね。
AIM拡散力場を視認できるという能力で、対『空間移動』ではテレポート先が見えるという予知能力のような形で効果を発揮します。
驚異的な身体能力+予知能力ってかなり凶悪なコンボですし、テレポート先を先読みされるって黒子からしたらかなり相性の悪い相手ですよね。
ただ、これまでも戦闘センスが光ってきた黒子はこれを上手に対処していきます。
服の中にコンクリートブロックを隠してカウンターを防御したり、能力をわざと不発させて「AIM拡散力場によるフェイント」をかけたりしていました。
釣鐘の能力を即座に見破ったのも凄かったですが、そこから瞬時に機転を利かせてこれだけのことができるのには驚かされましたね!
やっぱり黒子は戦闘センスの塊過ぎる。
初見の能力を逆手にとって、初挑戦のフェイントを実践するって相当なモンです。
その後もまたカッコよくて、釣鐘に不意を突かれ、痺れ薬が塗られた短刀で右手を切られた黒子。
一旦テレポートして身を隠し、止血用薬剤を腕の中にテレポートさせて血管を詰まらせて痺れ薬の効果を押さえます。
一瞬でこの判断ができるのがまず凄い。
そして、痺れ薬が回った演技をしてとどめを刺しに来た釣鐘にクリーンヒットを入れます。
更に仕掛けておいたカメラのフラッシュで釣鐘の視界を奪い、短刀を奪って痺れ薬で釣鐘をダウンさせる一連の流れがカッコよすぎました!
肉を切らせて骨を断つを実践していて、カッコよすぎます。
黒子は結構ギリギリな戦いが多いですが、毎回リスクを取った戦い方が綺麗にハマっていて見ていて痺れちゃいます!
大覇星祭編でも手に汗握る戦いでかなり興奮しましたが、今回もそれに負けず劣らず手に汗握る戦いでめちゃくちゃアツかったです!
超電磁砲の中でもベストバウトの一角に食い込むバトルでした!
あと、こんな壮絶なバトル中の黒子の一言がおまいう過ぎてクスッと来ましたね(笑)
アナタのような変態サイコパスには負けられませんの
とある魔術の禁書目録外伝 とある科学の超電磁砲 15
そら釣鐘にも「突っこまないっス」と言われるわ。
暗闇の五月計画
最後にちょっと気になったのは、釣鐘が『暗闇の五月計画』に関わっていたという話ですね。
『暗闇の五月計画』というのは、アイテム・絹旗最愛や新入生・黒夜海鳥が有名な被験者の実験で、一方通行の思考パターンを植え付けることで能力を向上させようという実験です。
思考パターンを植え付けるにあたって元々の思考を一部切り取られるようですので、人格などに影響を及ぼす可能性もあります。
鰐河の人格の壊れ方や釣鐘の破滅願望から見ても、春暖の一味はみな『暗闇の五月計画』被験者の可能性は十分にあり得ると思います。
超電磁砲16巻
美琴と黒子がそれぞれ強敵を倒し、佐天さんが収容所内に侵入して終わった15巻に続く、とある科学の超電磁砲 16巻は既に発売されているので、今すぐ読めちゃいます!
初春奪還に向けた佐天さんの活躍も楽しみですが、恐らく主犯である春暖が動き出すでしょうからドラゴンについても色々明かされることを期待したいですね!
超電磁砲16巻の記事はコチラです!
コメント