【神ゲーオブ神ゲー】サクラノ刻 クリア後レビュー

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時を遡れば大学受験直後。

受験勉強のため一時封印していたエロゲを解禁し、真っ先にプレイしていたのが発売前からずっと楽しみにしていた前作・サクラノ詩。

そんな詩の続編を待つこと気づけば大学・大学院を経て社畜に…

しかしながら待った甲斐が十二分にあった神ゲーオブ神ゲー・サクラノ刻 -櫻の森の下を歩む-をクリアしたので感想をざざざっと書いて行きます!

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※この記事はPRを含みます

サクラノ詩のプレイは必須?

2015年に発売された前作・サクラノ詩のプレイは必須なのか?

かれこれ8年も経ちますから、その間にエロゲーマーになった方には前作をプレイするか迷っている方もいるかもしれません。

もちろんエンタメの楽しみ方は人それぞれですが、それでも僕の考えを簡潔に述べます。

サクラノ詩をプレイしていないのであれば、今すぐ詩を購入してプレイして!!

この記事はブクマでもしてブラウザバックしろ!!

ここから先のネタバレは一切見るな!!

以上です。

後にも先にも出ないかもしれない独特の魅力がある本シリーズは、可能な限りフレッシュな状態で、最大限楽しんでいただくのがベストだと僕は思います。

記憶をリセットできるなら今からでも詩と刻を一気にプレイしたいくらいです。

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感想を一言で述べるなら

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辞め時が分からない満足感の塊

テーマ性が非常に強く、語るとなるとオタクたちが止めどなく語り続けそうな本作。

この作品の良さを簡潔に表すとしたら、僕は『辞め時が分からない』『満足感がエグイ』というゲームに対する最大級の賛辞しか思い当たりません。

気づいたらめっちゃ遅い時間になっていて、翌日に響いたことが何度あったか…

そのくらい引き込まれるストーリー、そして今日はここまでにしとくか!となった後の余韻。

このゲームをプレイしているだけで日々が充実する素晴らしい作品でした。

※ここから先はネタバレを含みます!!

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ストーリー

前作は草薙健一郎、今作は夏目圭

このシリーズの1つの特徴として、死者が大きな存在感を持ち、物語のキーパーソンとなっていることが挙げられるでしょう。

前作は主人公の父・草薙健一郎がそうでした。

後の妻・中村水菜と結ばれるストーリーや中村家との対立、そして櫻七相図の完成に立ち会う名シーン。

主人公の直哉だけでなく、登場人物の人生に大きな影響を与えた人物として存在感を遺憾なく発揮していました。

そんな立ち位置にやってきたのが前作で故人となった直哉のライバル・夏目圭

本作は直哉を画家として再び羽ばたかせるストーリーでしたが、物語の中心に居たのは直哉ではなく圭なんじゃないのか?

こう思ってしまうくらい、圭の存在感は凄まじい。

圭の存在感を強く感じるほど、そんな圭を失った直哉に感情移入できるからか、この作品への引き込まれ度に大きく寄与してくれたと思いますね。

前作では明かされなかった彼の生い立ちや生涯、そして胸に秘めた強い意志などが描かれたため、刻の時間軸ではもう故人なのに、登場したキャラクターの中でも1、2を争う存在感は圧巻です。

美が生まれる過程と誕生に立ち会える幸福

様々なテーマが描かれており、恐らく僕も全てを理解はできていないであろう本作。

そんな数あるテーマの中でも、僕がこのシリーズ、特に本作で最も好きだったテーマが『誕生までの過程』

前作は『生きてさえいれば、幸せはいつかやってくる』といったテーマが1つありましたが、その幸せに至るまでの過程が本作のテーマだったように思えます。

芸術以外の全てを捨てた圭が健一郎に出会い、夏目圭としての幸せを掴むまでの過程。

圭を失った直哉が多くの人々に支えられ、芸術家として再び羽ばたくまでの過程。

もっと直接的に見れば、恩田寧や長山香奈、夏目圭、草薙直哉など”才に恵まれない”側面を持つキャラクターたちが命を削って絵画を完成させる過程が描かれることが多かったと思います。

これだけの過程を経ているからこそ、その誕生に立ち会えている事そのものが奇跡であり、幸せな事なんだというテーマ性を感じて物凄く好みでした。

またこれはルートによってストーリーが変わるエロゲらしい側面もあり、ルートによっては宮崎みすゞの弟子とはならず、才能を開花させきらない恩田寧。

壇上での瞬間的な美を完成させるどころか、その壇上にすら上がれない長山香奈と草薙直哉。

ルートによって誕生したかもしれない美が生まれない事で、美の誕生は奇跡であるという側面が描かれているのも凄く良かったですね。

特にグランドエンディングでは長山香奈と草薙直哉の傑作が登場するからこそ、これまでの他のルートではこれが生まれないんだよなあ…と余韻に浸れるのも最高でした。

各章感想

スナック感覚の各章さっくり感想シリーズ

I. La gazza ladra

直哉たちが登場するより更に前の、過去編。

弓張学園の現校長・鳥谷紗希の中村家に対するクーデターにより没落した中村家。

そんなお家事情によって歪んだ関係となった中村麗華と鳥谷静流の物語。

最初はいきなり馴染みないキャラの過去編かよ!?と思いましたが、これがなかなかどうして凄く良い。

食事の前に飲む食前酒的な役割を果たしていて、このシリーズならではの雰囲気や前作の思い出などを思い出させてくれて、この後に待ち受ける『サクラノ刻』を楽しむウォームアップをしてくれました。

ぶんちりー
ぶんちりー

詩やったの8年前だしね

単体としても読んでいて面白いからか、この後に待ち構える本編への期待感が高まる素晴らしい第1章だったと思います。

II. Картинки с выставки

日常パート的な章。

この後、特にグランドルートではこの日常と決別することになるからこそ、直哉の思う穏やかな日常がキチンと描かれていたこの章は何気に良かったですね。

III. Der Dichter spricht

本間心鈴ルート。

寧の師匠として寧を育て上げる過程やこの章でのみ存在感が強くなる本間礼次郎の登場、あとシンプルに天然で可愛い心鈴。

サクラノらしさとエロゲらしさのバランスが絶妙な章でした。

III. kibou

鳥谷真琴ルート。

真琴ルートでありながらも、1章の延長線上でもあるストーリー展開。

恋愛模様も学生時代がメインの詩や心鈴ルートとはちょっと違う関係性ややり取りで、これはこれで良いなあという内容でした。

ぶんちりー
ぶんちりー

スピリタスの飲み比べはイカれとる

III. Night on Bald Mountain

心鈴ルート・真琴ルートとは違い、恩田放哉と決別するような形になり直哉が”奔る”事になる展開。

あっこれグランドルートへの入り口じゃね?となりこの先への期待感高揚感がハンパなかったです。

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IV. Mon Panache!

圭の生涯を描いた章。

僕は本作ではこの章が一番好き。

直哉が絵を描くことになると思いきや閑話休題のように圭の幼少期が描かれ、芸術との出会い、直哉との出会い、そして健一郎との出会い。

いくつかの衝撃的な出会いによって、良いとも悪いとも言えないけれども、劇的に変化する圭から目が離せないストーリーでした。

辞め時が分からなかった章ランキングでも無事優勝です。

正直もうこの章をプレイしていた時点で僕の中での本作の評価は100/100点でした。

ぶんちりー
ぶんちりー

オタクは後に明かされる過去に弱い

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V. D’où venons-nous ? Que sommes-nous ? Où allons-nous ?

御桜稟、アリア・ホー・インクこと氷川里奈が満を持して登場し、直哉が遂に芸術家として復活する章。

直哉のトレードマークといえば前作でも登場したクソ長い筆ですが、この筆を持って壇上に直哉が立った瞬間の興奮は最高でしたね。

あと個人的には身体の至る所が肉離れを起こし、激痛で涙と汗を流しながらも描くのを辞めない長山香奈にも心打たれました。

展開的にも凛のプラティヌ・エポラール返上に里奈の登場、そしてあれよあれよと決まるライブペインティング対決。

怒涛の展開にこれまた辞め時を失いました。

VI. 櫻ノ詩ト刻

エピローグ。

ラストに櫻ノ詩が流れたのはたまらんかった。

オタクはこういうのには滅法弱い。

前作・サクラノ詩と本作・サクラノ刻の色んなシーンがフラッシュバックしつつ、最後は直哉と圭のツーショットから圭だけが消えてFin。

エグイ満足感に包まれました。

感謝。

CG・イラスト

CGはやっぱり綺麗で特徴もハッキリとしており、直哉や健一郎といった男性陣も相変わらずカッコよくて魅力的。

そして一番賞賛したいのは、彼らの絵画もキチンとCGとして入っていた事

ここをぼかす作品も多いと思いますが、そこから逃げずにしっかりと描いていたのはあっぱれでした。

個人的には直哉の幼少期の作品・火水が特に印象的で、お気に入りです。

あと幼少期の直哉と圭可愛すぎんだろ。

BGM

BGMに関しては物凄く”らしさ”があり、聞いていて心地の良い楽曲が多かった印象。

クラシック調のBGMがかなり多い本作は芸術・絵画をベースにしているストーリーと良くマッチしていて、エロゲではやや珍しい曲調なので特徴がハッキリ印象に残ると思います。

そんな印象に残る曲を採用しつつも、ゲームプレイの邪魔をしないバックグラウンドミュージックとしての役割をしっかり果たしているので、素晴らしいの一言に尽きます。

続編はあるのか?

サクラノ詩、サクラノ刻ときて、3作目・サクラノオトの発売は十分に期待できそうな雰囲気がSCA自先生のツイートやnoteからは感じられます。

刻はかなりの超大作でしたし、8年も待っただけの事はあるクオリティと内容でした。

そして終わり方としては刻は詩以上に綺麗に締めくくられた感もあったので、ここからどう展開して、どうストーリーを作り上げていくのか?

なかなかにハードルの高いミッションのように感じられます。

続編はあるのかもしれませんが、詩から刻まで8年待ったように、期待しつつも焦らずにじっくりと完成を待ちたいなと思いますね。

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