【RDR2】ストーリーの感想│贖罪に生きるギャングの物語

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ゲームレビュー

先日クリアしたRDR2があまりにも良すぎて、もっと名作として認知されるべきでは!?

こう思わずにはいられませんでしたし、ストーリーも素晴らしいの一言に尽きる内容だったので感想をまとめてみました!

  • アメリカ育ち
  • GTA5、CoDなどのアメリカンゲーム経験アリ
  • オープンワールド好き
  • Witcher 3やSkyrimのような中世ファンタジー派
  • カッコいい男が好き
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※この記事はPRを含みます

はじめに

あのGTA5などで有名なRockstar Gamesが手掛けるRed Dead Redemption 2

created by Rinker
テイクツー・インタラクティブ・ジャパン

現代を舞台にするGTAシリーズとは異なり、アメリカ開拓時代を舞台にするRDRシリーズの第2作目の本作。

第2作目ですが、1作目であるRed Dead Redemptionの前日談に当たる物語のため、この作品から入っても全然OK!

むしろ前作を知らない方が、ストーリーの展開が全く予想できずハラハラドキドキできるのでお得かもしれないという作品です。

そんな本作はあまりにも美しい景色、尋常じゃないリアルの再現度によって、西部時代劇の世界を追体験できる2022年時点ではオープンワールドRPGでも1、2を争うほどのクオリティを持つ作品。

Witcher 3やSkyrim、ELDEN RINGのような中世ファンタジー派の僕ですら、あまりのクオリティの高さにハマらずにはいられなかったレベルとなっています。

そんな本作は、ストーリーや内容がイメージと違う!というギャップに苦しみ、投げ出してしまう人も多いゲームでもあります。

そこで、このゲームはどういったゲームで、何が魅力で、何にそんなにハマったのか。

これをネタバレなし・ありに分けてご紹介していきます!

まず最もよくある勘違いが、RDR2はギャングのガンマンとして開拓時代を好き放題暴れながら楽しむゲームというイメージ。

実際には真逆で、RDR2はこの無法者の時代の終焉を描き、主人公たちギャングを反面教師とし、逆説的に道徳の重要性を説くゲームなんです。

なのでストーリーは閉塞感に満ち溢れ、主人公たちはどんどん苦しんでいきますし、そんな時代に抗う生き様から色々なモノを感じ取る内容となっています。

ゲームプレイも同様ですね。

犯罪を犯せばすぐお巡りさんがやってきて懸賞金をかけられますし、懸賞金をかけられた状態での生きづらさといったらもう…

快適にプレイするだけなら、お行儀よくやっていこうと思わされるようなゲームデザインとなっています。

でもだからこそ、しっかりとしたテーマ性を感じられ、不便だからこそ生を実感でき、アメリカの開拓時代を生きていると感じられる名作になっているのでしょう。

一度魅力に気付くともうやめられないクオリティの名作なので、ぜひ一度手に取ってみて欲しい作品です!

僕も長らくやっていなかったことを後悔しました!

※ここから先は【ネタバレ】全開です!!!

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閉塞感に満ち溢れたダッチ・ギャング

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RDR2に対して多くの人が持つイメージが、西部のガンマンや好き放題できる無法者の時代

しかし本作はそんな時代の終焉を描いた物語で、無法者が好き放題するのとは真逆。

文明に、探偵社に、コルム一味に、法政官に、軍にと色々な相手から追われ、逃げ回る物語。

時代を謳歌する者たちの物語ではなく、時代に追われる、時代に取り残された者たちの物語というわけです。

本作ではリーダーのダッチが俺には計画がある。

一発デカい稼ぎをやって南国にでも高飛びするぞ。

こう言い続けますが、ことごとく失敗に終わります。

失敗する度に仲間を失い、中盤では夢みていた南国もまた理想からは程遠い事を思い知ってしまいます。

失敗する度に居場所も無くなっていき、信頼できたはずのギャングにも綻びが生じていきます。

じわじわ首を締められるような閉塞感は凄まじく終盤は序盤とは明らかに違う空気を感じられます。

この時代に抗おうとし、それでも流れに押されてしまうギャングの姿こそがRDR2の描く醍醐味と言えるでしょう。

イメージされがちな自由を謳歌するストーリーからは程遠いものの、多くの人が好きになれるであろう哀愁漂うストーリーであるのは間違いありません。

RDR2のストーリーに高い評価をつけていない人の多くは、イメージとのギャップが受け入れられなかったというのもあるでしょう。

こういうストーリーなんだな、と受け入れられればその魅力にドンドン惹き込まれていくはずです。

実際にこの強烈な閉塞感が効いて、中盤からは誰が死んでしまうのか、このあとダッチギャングはどうなってしまうのかとハラハラドキドキしながらメインストーリーを楽しめます。

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メインストーリーとサブストーリーの対比

本作は主人公・アーサー・モーガンがメインストーリーで悪行を成し、サブストーリーで善行を成すという構成になっています。

罪を重ね、それを償うという対比関係があるわけですね。

タイトルにも入っているリデンプション(Redemption)は、この贖罪を表していると僕は思います。

メインストーリーで殺人や強奪等を派手にやっているからこそサブストーリーでの人助けが際立ちますし、逆もまた然り。

映画版ドラえもんのジャイアンが良い奴に見えるような効果がずっと描かれているわけです。

アーサーは悪党ダッチギャングの実行犯筆頭と言えるレベルで暴力に優れた人間で、間違いなく極悪人。

そんな彼のサブストーリーでの姿を見ていると、コイツは良い奴なんじゃないか?と思えてきてしまうんです。

というか実際に根は善人だと僕は思っています。

この二面性を序盤から終盤まで一貫して描くからこそ、結核にかかってしまった後のアーサーの行動には大きく共感できるようになります。

結核にかかって余命を悟り、自身の命を使ってダッチギャングの仲間たちの助けになれないかと考えるアーサー。

そんな彼にはメインストーリー側でも善人としての側面が強く出てきます。

戦えない仲間達には逃げるように伝え、インディアンと軍の闘争を止めようとし、ダッチの命令に反してジョンを救いに行き、遂にはダッチの行動にも疑念を抱き始めます。

ラストはプレイヤーの選択にもよりますが、ダッチではなくジョンとその家族を救うことを選び、単身で囮になってマイカとの決闘後に息絶えます。

サブストーリーを通じて善行を重ねる事によってアーサーの「善」の側面の下地を作り、結核という命のタイムリミットによって人が死ぬまでに行える善行とは何か?ということを綺麗に描けています。

少し極端な言い方になりますが、暴力という手段しか持たないアーサーを主人公に据えた事によって、これがより強調されていると僕は感じました。

暴力もまた使い用。

序盤のメインストーリーではこれを悪行に使っていましたが、終盤ではこれを仲間たちを生かすための、善行に使っています。

これはアーサーが結核にかかり、命を奪う事の重さに気づいた事がキッカケ。

本作では人の命を奪った罪に対する贖罪として、人の命を救うために自身を捧げるというテーマがアーサーの二面性と変化を通じ丁寧に描かれています。

アメリカ開拓時代を舞台に描かれる時代の変化

本作は多くの人がイメージする西部のガンマンが終焉を迎える変化の時代。

そんな時代の変わり目を舞台に選んだだけの事はあり、現代にも共通するテーマを描けています。

時代が変われば、それについていける人間と置いていかれる人間がいる。

このテーマはメイン・サブストーリーの両方で描かれています。

これって、現代にも通じるテーマですよね。

例えばスマホ。

連絡手段や娯楽品、ICカードに財布代わりと多岐に渡る使い方をできる人もいれば、そもそもスマホの使い方がよく分からないからガラケーでいいという人もいます。

未だに面倒な紙での書類提出が多い理由も、こういった時代についていけるいけないという背景があるでしょう。

これと本質的に同じ事が本作では描かれています。

例えば、ダッチギャングはついていけない側

まだ無法者の居場所があると信じて派手にやっては、敵を増やして苦しくなっています。

また、ダッチギャングには文明の利器を扱える者がいません

サンドニなどは電気が通り煌びやかですが、ダッチギャングの拠点はこれからは程遠いです。

奪った船や電車の操作の仕方も分からないことだらけ。

こういった様々な観点から、ダッチギャングは時代に置いてかれる者たちとして描かれます。

今の世の中、今のアメリカにダッチギャングのようなギャングは存在しません。

その理由はシンプルで、まさにダッチギャングのように、文明に追われ居場所をなくしてしまったからです。

ギャングはギャングであり、ただの犯罪者という訳ではありません。

でもそのギャングとはRDR2の時代でも過去のものであり、今の時代に適したものではないのです。

そんな彼らが淘汰される過程と結末がRDR2のメインテーマの1つであり、近くない時代を舞台にしているにも関わらず共感できる部分が多いポイントなのでしょう。

時代が変わるから人が変わるのか

本作の舞台であり、テーマでもあるのが時代の変化。

しかし変わってしまったのは、時代だけではありません。

主人公・アーサー・モーガンは前述の通り命の重さに気づき善人へと変化しました。

そしてその逆で、悪の道へと転がり落ちてしまった人物もいます。

それがダッチギャングのリーダーであり、本作のキーパーソンでもあるダッチ・ファン・デル・リンデ

元々ダッチギャングは義賊のような集団で、強きから奪い筋を通す事を大切にしていました。

だからこそ序盤はコーンウォールという大物相手に列車強盗をし、ピンカートン探偵社につきまとわれることになります。

そんなダッチは仲間を守る事を何よりも重視し、だからこそメンバーもダッチに忠誠を誓う。

この関係性によって強い結束を持っていたのがダッチギャングの特徴だったと言えるでしょう。

しかし時代に追われ、計画が失敗続きに終わるとダッチは変わっていってしまいます。

終盤にはギャングの上納金をピンハネしようとし、ジョンを見捨て、目の前で助けを求めるアーサーも見捨てようとします。

これまでダッチが「こうなってはいけない」と言い続けきた輩に、ダッチ自身がなってしまいました。

アーサーが善に目覚め始めていったのと同時期に、全く逆の方向へ変化していったダッチの堕落は非常に強烈なコントラストで強調されていましたね。

では、ダッチを変えたのはなんなんでしょう?

大元を辿れば、やはりこの変化する時代が、ダッチの理想とは異なる方向に向かってしまったためダッチが歪んでしまったと考えられます。

しかしより細かく見ると、ダッチを変えたのは重圧なのかなと思います。

生きるという重圧から解放され、余命を燃やす事にしたアーサーとはある意味真逆ですね。

生き延びて成功せねば、ダッチギャングのリーダーたらねば。

こういった重圧がダッチを変えていってしまったんだと思います。

特に致命的だったのはホゼアの死でしょう。

ダッチギャングの右腕といえば、アーサーとホゼア。

アーサーは実行担当で、ホゼアが立案・運営担当でした。

つまりアーサーは良くも悪くも頼りになる実行役で、ギャングをどうしていくかを共有できる相手はホゼア1人だったのでしょう。

そんなホゼアが死亡してしまい、ダッチは自分1人でギャングを導いて行く事に。

ここからのダッチは一発デカく稼いで高飛びする。

この思考に囚われてしまい、過程意味リスクといった大切なものが見えなくなってしまったように写りました。

手段と目的を履き違えてしまったようなイメージですね。

結果としてギャングを危機に晒し、仲間を見捨て、裏切り者のマイカに誑かされてしまいました。

しかし元を辿ればギャングみんなで幸せに、自由に生きるという目的を果たすための行動だったのでしょう。

だからこそ最後まで「計画」にはこだわったんだと思います。

こうやって見てみると、ダッチの重圧が大きくなった原因は時代の変化ですが、ダッチを変えてしまったのは重圧だと言えるでしょう。

過度な重圧によって人が狂ってしまうケースもまた現代に通ずるテーマです。

だからこそダッチはただの落ちぶれたリーダーではなく、どこか痛々しさを感じる悲しい男に見えるのでしょうね。

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