【完結】グリザイア:ファントムトリガーの感想とレビュー

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グリザイア クロノスリベリオンの発売も目前に迫り、積んでいたVol.7とVol.8をプレイしたので感想ををまとめました!

Vol.1の発売日に受け取りに行った時は大学2年生だったのに時の流れは早いぜ。

筆者プロフィール

  • グリザイアシリーズの大ファン(特に迷宮:カプリスの繭)
  • ERGを沢山嗜んできた
  • 好きなERGは女の子が戦う系(恋姫・グリザイア・シルヴァリオ・忠臣蔵46+1などなど)
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感想を一言で述べるなら

グリザイアらしい作風とテーマ性を楽しめる後継作

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過去のグリザイア3作はやっておくべき?

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タイトルに『グリザイア』とついている本作なので、ファントムトリガーからプレイしてみたい!という方は過去作のグリザイアの果実・グリザイアの迷宮・グリザイアの楽園をプレイすべきかというのは悩ましいと思います。

僕の結論としては、やらなくてもいいが、アニメを見るくらいはして知っておいた方が絶対にイイと思います。

理由としては、過去作を知っているからこそ楽しめるネタがふんだんに盛り込まれているからです。

そもそも舞台が美浜学園ですし、主人公たちの所属組織・SORDは過去作に登場したCIRS傘下の部隊。

主人公・蒼井ハルトの出生も過去作を知っているからこそ話ですし、語りきれないくらい前作を活かしたネタが沢山あります。

直接的には繋がっていなくとも、同じ世界の少し先の話という点では続編とも言える本作ですから、過去3作は知っておいた方が100%と良いと思います。

ただ、過去作を3本やると結構な時間もかかるので、アニメ化されているのを有効活用してアニメで予習するのが丁度いい塩梅かもなと思いますね。

ただ、エロゲ史上に名を刻むレベルの名作なので、時間とモチベがあればぜひ3作ともプレイして欲しいところ!

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魅力的なキャラクターたち

グリザイアシリーズはとにかく登場人物が魅力的で、主人公やヒロイン、だけでなく一姫や麻子、JBなどなど数多くの人気キャラが居るシリーズ。

そんなシリーズの名を背負った本作は、その名に恥じない魅力的なキャラクターが多数登場します。

各担当Volでヒロインたちとハルトはしっかり見せ場と掘り下げがありましたし、他の学校のメンバーもキャラがたっていて非常にグッド。

メインだとクリスこと鯨瀬・クリスティナ・桜子がめっちゃストライクでしたし、サブでも聖エールのシルヴィアやハンドラーの仙石綾芽、そして過去編に登場した師匠・蒼井碧など超魅力的なキャラクターが沢山いて最高でした。

麻子といい碧といいグリザイアの師匠は息をするように名言を放つ名言製造機なので大好きです。

風見雄二を期待するか否かがポイント

本作を楽しむ・楽しめるかの重要なポイントは、風見雄二を期待するかどうかです。

過去作では”本職”は雄二だけで、ヒロインたちは訳アリながらも”一般人”でした。

オマケに雄二が超スーパーなのもあり、とにかく雄二の凄さが際立つ構成だったわけです。

グリザイアで一番好きなキャラは?と聞いたら、主人公・風見雄二の名は真っ先に思い浮かびますからね。

ところが本作はこのような構成ではなく、ヒロインを含めほとんどの登場人物が”本職”になります。

一般人は有坂先生くらいなもんです。

全員未熟なところがあり、雄二のようなスーパーマンではないものの、1人1人がキチンとした専門性と能力を持った”本職”なため、誰か1人の凄さが際立つという事はあまりないです。

もちろんハンドラー(上官)である主人公・蒼井ハルトはヒロインたちとは一線を画す実力者なものの、ヒロインたちが優秀なのもあって雄二ほど目立ってはいなかったですね。

こういう構成なので、それぞれの当番回と活躍シーンを順番に楽しんでいく心構えが楽しめるかの大きなポイントです。

1人の主人公が大活躍する風見雄二スタイルを求めている方は、そこを踏まえてプレイするのがおすすめですね。

感想

総評

Volが細かく分かれていたものの、流れとしてはグリザイア3部作によく似ていた印象。

  1. 各ヒロインの掘り下げ
  2. 過去編
  3. これまでのストーリーが全て繋がり、ラスボス登場
  4. ラスボスとの決戦

過去三部作で言えば①が果実、②が迷宮、③と④が楽園ですね。

まさにこのフローで進んで行ったので、過去作を楽しめた僕は非常に楽しめました。

作風としても前作から大きく変わらず、独特過ぎるギャグやシリアスとギャグの緩急、こだわったミリタリー描写やバイク描写、哲学的とも言える価値観のお話などなどグリザイアならではの作風がしっかり感じられて良かったです。

テーマとしても『戦争に正義(白)も悪(黒)もない、どっちもグレーだ』というテーマがしっかり描かれていて、タイトルになっているグリザイア(=グリザイユ=灰色)に沿った物語になっていて満足感がありました。

BGMも素晴らしく、過去作のBGMがたまに使用されたり、ファントムトリガーのBGMも耳に残る名曲が多かったです。

タイトル画面で流れる『Get Heart』や戦闘曲『S・O・R・D』、『Mission Start』、レンジでよく流れる『Machinary』などは大好きでちょくちょく聴いていたほど。

長期に渡る分割販売だったのもあって毎回発売日に購入!とはならずダレる事もありましたが、終わってみれば非常に楽しめた作品でしたね。

製作期間の問題などはあったんでしょうが、最初からフルパッケージで出ていればもっともっと盛り上がったかもなと思わされる作品でした。

ぶんちりー
ぶんちりー

ここ数年のエロゲ業界の盛り下がりは凄いし…

アニメ化もVol.1&2、Vol.3に続けてVol.4とVol.5も作る予定みたいなので楽しみです。

Vol.1

プロローグ的な立ち位置の1巻。

新任教師であり、本作では貴重な”一般人”の有坂秋桜里視点でストーリーを進めることで各ヒロインの特徴やSORDの立ち位置といった世界観や設定などを上手に説明していた印象。

過去作をプレイしている人は、このプロローグだけで設定は全てスッと入ってくる作りだったと思います。

同時に、CIRSなど匂わせ雄二やJBの登場も期待させる、焦らしプレイのようになっていたのも上手でしたね。

先生誘拐事件も各ヒロインの活躍っぷりから各々の特徴がしっかり掴めて良い導入でしたし、ストーリーとしても新任教師が美浜学園の一員になるという形で上手にまとまっていたと思います。

Vol.2

深見レナの当番回

彼女の過去やホロゥ・ハウスで妹分だった井ノ原マキとの再会とバトル。

レナの『大切なモノを守るための強さ』を描いた良い掘り下げパートでした。

そしてグリザイアで僕が一番楽しみにしている熱くカッコいい戦闘シーン。

レナvsマキのバイクチェイスから銃撃戦、そして最後は至近距離での肉弾戦。

アニメのクオリティも素晴らしかったですが、最初にプレイした時はアツく大盛り上がりしたのをよく覚えています。

このバトルのおかげで、ファントムトリガーへの期待値がグッと上がりました。

Vol.3

獅子ヶ谷トーカの当番回

個人的にはVol.6と並んでトップクラスに好きなお話。

ここまでかなりツンケンしたキャラだな~という印象がったトーカのバックボーンをしっかりと知り、ツンに隠れた気が利く優しい性格が印象付けられて一気に好感度が上がる内容でした。

大人の事情に巻き込まれ先輩を失い、復讐のために脱走した狙撃手・九真城恵とトーカの対比を上手に使いつつ、SORDの活躍も楽しめた印象。

アニメ化で一番喜んだのもVol.3の映像化・グリザイア:ファントムトリガー THE ANIMATION スターゲイザーが決まった時でしたからね。

聖エールのキャラクターたちはとにかく尖っているのもあって、彼女たちの戦闘シーンは少ないながらも大のお気に入り。

シルヴィアの「見えますものぉ」はゾクゾクするカッコよさがありますし、ベルベットの突入シーンも最高。

よう!テロリストのクソムシ共!汝の隣人を愛しているかい?

グリザイア:ファントムトリガー Vol.2

全ての背信者に神の裁きを!

グリザイア:ファントムトリガー Vol.2

ゲームでもめっちゃ盛り上がりましたが、アニメーションの見せ方も素晴らしいので是非アニメも見て欲しいところ。

Vol.4

クリスこと鯨瀬・クリスティナ・桜子の当番回

めっちゃストライクなキャラながら、裏方担当のお母さんポジだったこともありイマイチ掴みきれていなかったクリスの過去や思想を一気に描き、印象付けたストーリーでした。

自信を守って死んだ母を追体験するようにタイガを守っていく姿はシビれましたね。

また、Vol.4で本作はヒロインたちがハルトや大人の背中を追い、自身の背中を後輩に見せる作品なんだなと理解できました。

レナはマキ、トーカは恵、クリスはタイガですね。

そういう意味では、Vol.4は自身の背中を後輩に見せるという部分が顕著に描かれた作品だったと思います。

あとハルトが頭をパスするシーンはグリザイアらしいイカれたシーンでめっちゃ好きです。

アニメ化予定なので映像化が楽しみですね。

Vol.5

狗駒ムラサキの当番回

”ニンジャ”のストーリーだったこともあり、だいぶ毛色が違う内容で少し驚いたお話。

ただ、盛り上がり等がこれまでのパートに見劣りしていたのと、ここから次巻のVol.5.5&6までの発売が9月ほど空いたのもあって、少しダレた印象。

ストーリー的には狗駒姉妹の、よそよそしいように見えて近い距離感を描いた良い話ではありました。

ただ、構成的にほとんどが導入と過去編ベースの掘り下げだったため、イマイチ盛り上がりに欠けるなというのが個人的な感想。

本編の時系列でイベントがあればもっと違ったかなと思いますね。

Vol.5.5

箸休め回

Vol.6と同時発売で、ここまで登場したメイン・サブキャラクターの掘り下げと補完でしたね。

Vol.6が良すぎてだいたい忘れた。

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Vol.6

過去編

過去作で言うところのグリザイアの迷宮:カプリスの繭です。

グリザイアシリーズのファンならたまらない展開ですね。

主人公・蒼井ハルトとファントムトリガーの過去が描かれ本作は、とにかく師匠・蒼井アオイが魅力的過ぎました。

歩く名言製造機だろこれ。

ハルトの出自も、遺伝子的には雄二×麻子というトンデモスーパー遺伝子ですし、そんなハルトを歪ながらも温かく育てる個性豊かなファントムトリガーの面々は読んでいてとにかく面白かったです。

ファンならニヤニヤが止まらんなこれというストーリーでしたね。

アオイのぶっ飛んだ行動力もギャグとカッコよさのバランスが素晴らしく、赤ん坊のハルトを背中におぶってバイクかっ飛ばすわ敵地に突っ込むわ、ハルトを敵にパスして日本刀で襲撃するわ。

滅茶苦茶盛り上がりながらプレイした一本でした。

そしてラスボス・漆原縁の登場とVol.2から続く一連の事件が一気に繋がる気持ちよさ、最終決戦を感じさせる後味などファントムトリガーNo.1のストーリーだったかなと思います。

まあ、僕がカプリスの繭が大好きな人間なので、同じような構成で攻められたらそら刺さるわなとも思いますが(笑)

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Vol.7

最終決戦前夜

決戦の舞台や設定、敵勢力の顔見せなどをやる決戦前夜的なストーリーでした。

これ単体で面白いというより、過去編からの盛り上がりを嵐の前の静けさ的なストーリーで維持しつつ、Vol.8への期待感を煽るという良さがありました。

そして本作のテーマの1つである『戦争に正義も悪もない』という部分が一気に強調され始める一本。

まさかの本格的な戦争が舞台になるんだなと驚かされました。

悔やまれるのはVol.6から一年以上も空いたこともあり、僕の中でモチベがダレてしまった事ですね。

今更感想を書いているのも、Vol.7をずっと放置していて先日一気にVol.7とVol.8をやったからだったり…

Vol.8

最終決戦

このVol.8だけは選択肢が大きな意味を持ち、全滅エンドTRUEエンドの2ルート構成になっています。

何と言っても素晴らしかったのは全滅エンドの存在

このエンドのあるなしで、本作の評価は大きく変わるんじゃないかなと思いますね。

これまで優秀でどこか安心感のあったSORD面々でも、戦争では1つのミスであっさり死んでしまうんだなという、悲惨な展開を見せつけてくれた全滅エンド。

これのおかげでTRUEエンドのありがたみが増し、プレイヤーのこちらも有坂先生のようにホッとすることができる上手な作りでした。

全滅エンドで有坂先生が新しい生徒を受け持つやるせなさは、こちらもヒシヒシと感じられて喪失感が凄かったですしね。

集合写真で有坂先生は泣いていましたが、僕も泣きました。

一番最初に死んでしまうトーカ・恵が生き残ることによって、連鎖的にタイガ、クリス、マキ、レナ、ムラサキとユーキ、ハルトとみんな生き延びたのも上手な構成で良かったですね。

もっと辿れば、そんなSORDを救ったのは有坂先生の込めた銃弾と、SORDの面々が見逃してきた一般人・パトリックだったのも構成的に面白く素晴らしかったです。

そしてもう1つ素晴らしかったのが、この一般人・パトリック視点

最初は誰やねんコイツ。

こいつの視点やたら長いな…と、楽しみにしていた最終決戦のおあずけを食らったような気分にもなったパトリック視点。

ところがどっこい、このパトリック視点はひたすら凄惨で緊張感があり、振り返ってみればトップクラスに面白いストーリーとなっていました。

グリザイアの果実:周防天音ルート(エンジェリック・ハウル)を彷彿とさせるような、強烈な展開でしたね。

いつ死ぬか分からない緊張感、次々と死んでいき、狂っていく少女たち、主人公(パトリック)を守って死ぬナタリーと遂に壊れてしまうパトリックなど、戦争の理不尽さを描いた重厚なストーリーでした。

エンジェリック・ハウルが好きな方には間違いなく刺さるストーリーだったと思いますね。

因みに僕は当時エンジェリック・ハウルのインパクトが凄すぎてトラウマになりかけた側だったので、今回も当時がフラッシュバックしてハラハラしっぱなし(良い意味)でした。

ぶんちりー
ぶんちりー

ハラハラしながら楽しめた

こういったハラハラする展開とたっぷりと盛り込み、最後はTRUEエンドで全員生存、エピローグではパトリックもセンセイとしての道を歩むなど、後味と余韻の良い素晴らしい作品だったと思います。

今後のグリザイアシリーズ

さて、今回でグリザイア:ファントムトリガーも完結となり、シリーズの展開が気になる本作。

過去三部作に続き、重めでダークなテーマを美少女とギャグで中和しつつ描く本作でしたが、今後もこういったテーマで続けるのかは気になるところ。

スマートフォン向けアプリのPCゲーム化・グリザイア クロノスリベリオンの発売が2023年4月28日と目前に迫っている本シリーズの展開が楽しみですね。

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