市大三高vs青道、遂に決着!!!
もうこれに尽きる!
前巻が8回裏のチャンスという物凄く続きの気になるところで終わったというのもあって、待ちに待った28巻。
期待を裏切らない激アツの一冊でした!
※ここから先は【ネタバレ】全開です!!!
ダイヤのA act II 28巻のストーリー
前巻終了時点で8回裏青道の攻撃、スコアは市大三高1-青道0。
- 市大三高戦、8回裏2死3塁のチャンスから3番・白州健二郎、4番・御幸一也の連続タイムリーで青道は逆転に成功する。
- 9回のマウンドも任された青道エース・沢村栄純が締めてゲームセット。市大三高1-青道2のスコアで青道が勝利!夏季西東京大会決勝に駒を進める。
- もう片方の準決勝は稲城実業vs紅海大菅田。稲実はエース・成宮鳴を温存したまま9-2で勝利し、決勝進出。決勝の対戦カードは青道vs稲実に決まる。
- 3年生・麻生尊はアッという間に彼女にフラれる。
- 片岡鉄心監督が発表した決勝戦のオーダーは先発・降谷暁、ブルペン・沢村栄純、金田忠大。3年生・川上憲史は右肘の炎症により引き続き投球禁止となる。
- 御幸は降谷に自身のプロ志望の気持ちを明かし、それを聞いてしまった沢村は寂しそうな表情を見せ次巻へつづく。
感想
激アツ!!!
いやもうアツいの一言に尽きる。
冒頭から白州のタイムリーとフルスロットルで、ガッツポーズと回想がエモくて感激。
その後の御幸の打席では前主将で4番の結城哲也さんの応援歌だった「ルパン三世のテーマ」が流れるという激アツ演出。
これアニメで見たらヤバそう
その後はact II屈指の好カードである御幸vs天久の勝負が1球1球丁寧に描かれて手に汗握りましたね!
ここでしっかりと打つのが御幸一也!!!ってカンジでもう最高でした。
これまでもここぞは御幸でしたからね。
最終回を締めた沢村の投球もトラウマになっている死球を乗り越えてのピッチングで、成長をヒシヒシと感じられました!
打者に当ててしまって第1部の決勝・稲実戦で投じた頭部死球がフラッシュバックしたシーンはかなりヒヤッとして、最後の最後までどうなるかわからない素晴らしい一戦でした。
夏大会準決勝・市大三高vs青道は、間違いなくダイヤのAというシリーズを通しても屈指の名勝負だったと言えるでしょう!
白州のノリさんへの想い
値千金の同点タイムリーを打った白州がガッツポーズを向けた相手は、チームを鼓舞していたノリさんこと川上憲史でした。
こんな形じゃ終われないよな ノリ
ダイヤのA act II 28
エモすぎんだろ…
高校野球を野球人生の区切りとして、高校で野球を辞めることを白州に明かしていたノリさん。
そんなノリさんを最後の大会で投げられないまま敗退させるわけにはいかないという強い想いが、白州の中にはあったようですね。
この後の御幸の打席も凄かったですが、個人的に一番痺れたのはこのシーンでした。
現実でも野球に限らず、高校を区切りにスポーツを辞める人はとても多いです。
青道のような超強豪校でもこういった人は少なくないはずです。実際に僕の友人にもこういう人はいますしね。
御幸や天久のようなスーパーな選手たちが次のステージに進む一方で、高校野球を終着駅に設定する選手もいるというのは当たり前なんですけど、意外と見えてこない部分です。
第1部の3年生たちは色々な想いを抱えながらもみんな次のステージへ進んでいく描写がありました。
これに対して第2部のAct IIでは、ノリさんにスポットを当てて高校球児の一つの現実を描いています。
これがダイヤのAらしさがとても出ている一連のストーリーだと僕は思います。
超高校級過ぎる選手やスーパープレーが登場はしますが、ダイヤのAは元々強豪校で甲子園を目指すというリアルな設定とそんな強豪校のリアルなベンチ入り争いや世代交代などが魅力の作品です。
だからこそ、このノリさんのエピソードは全体で見ればコマ数は少ないものの、ダイヤのAらしさが詰まったエピソードだと思えてとても好きなんですよね。
3日で破局した麻生
麻生ワロタ。
いやこっちのエピソードはなんなん(笑)
ノリさんが超深刻な現実に向き合う中、麻生は高校生らしいけどギャグみたいな現実に向き合っていますね。
3日でフラれるって相当やぞ…
これはただの小ネタなのか、決勝戦への伏線なのか何とも言えないですね。
三高戦で片岡監督に呼ばれた時、静かに燃えているように見えたのは見間違いだったんかいとツッコミ入れたくなりました(笑)
三高戦を観戦していた真田俊平
準々決勝で市大三高に敗れ夏を終えた薬師高校エース・真田俊平。
そんな真田は心にモヤモヤを抱えたまま三高vs青道を観戦しに来ていました。
印象的だったのは、号泣している天久を見た真田のモノローグ。
これじゃ気持ちの整理つかねえじゃねえか・・
ダイヤのA act II 28
こちらもまた、高校野球のリアルが描かれていてとても良かったです。
自分を倒した相手には、その強さを証明して欲しい。
自分が負けてしまったことを納得したい。
この感情は、競技性のあるシーンに身を置いている人ならほとんどの人が抱く感情なんじゃないでしょうか。
負けたということは、何かが足りなかったというのは事実です。
でも、どうしようもないくらい相手がスーパーだったからと思いたいのが人間です。
そうやって自分の気持ちに整理をつけてから、ゆっくり事実に向き合っていく人は沢山います。
ましてや彼らはまだ高校3年生ですからね。
そんな夢破れた高校球児の内面を描く細かい描写でしたし、これまでの長期連載で真田俊平という男のキャラクターを確立していたからこそできる描写だと思いました!
考察
青道vs稲実の展望
決勝カードは第1部の時と同じ青道vs稲実。
あの試合以降一度も成宮を擁する稲実との対戦が実現しなかったので、ここは予想通りながらも嬉しい展開ですね!
青道の先発も降谷と、第1部の時と被ることも多いです。
ただ一番のキーは、稲実エース・成宮の攻略ですね。
青道打線は三高エース・天久にもかなり苦戦し、結局2得点しか取れなかったです。(天久の超高校級っぷりを考えると納得だけど)
成宮は天久と同等、投球の幅で言えば天久以上の投手であることは間違いないです。
第1部では完成度が物足りなかったチェンジアップもかなり進化しているようですし、青道のキーマンである御幸が左打者なのも相性が悪そうですよね。
三高戦を見ても成宮を引きずりおろせるイメージがわかないので、ロースコアゲームになる気がしてきます。
準決勝で成宮は登板していないので、疲れのないフレッシュな状態なのも脅威度に拍車をかけていますね。
一方で降谷は大崩れのある投手なので、降谷が崩れる予兆を見せた時にすぐ沢村に交代できるかが重要でしょう。
現実の野球でも難しい継投のタイミングが、稲実戦ではキーになること間違いなしです。
もう一つ考えられるのは、ここで降谷がセンバツの時に見せた覚醒状態に突入して、超高校級のピッチングを披露するパターンでしょうか。
地方大会と甲子園で背番号が変わるのは現実の高校野球でもある事なので、甲子園では降谷がエースナンバーである1番を背負うなんてこともあるかもしれません。
これはこれで第3部への導線になりますしね。
成宮に負けっぱなしのままとはならないと思うので、沢村が完璧なリリーフを見せるか降谷が覚醒するかのどちらかだと思います。
1年生投手・赤松晋二の存在
少し気になるのは稲実1年生投手・赤松晋二の存在ですね。
これまでも何度か優秀な投手としてクローズアップされてきた赤松ですが、準決勝でも好投を見せたようです。
稲実の次期エースは間違いなく彼でしょう。
そんな赤松が、決勝の青道vs稲実ではどのような役割を担うのかですね。
準決勝で休ませられたのもあって、先発はおそらく成宮でしょう。
前述の通りそんな成宮がマウンドを降りるイメージはわきません。
となると赤松の出番は決勝のあと、秋大会や第3部だということになりますね。
青道でも奥村光舟や由井薫といった1年生捕手、ベンチ入りメンバーから漏れた2塁手・瀬戸拓馬や今後が期待される九鬼洋平と浅田浩文という1年生投手など今後を意識したキャラクターにスポットが当たっています。(結城将司に関してはもうすでに大活躍)
これに加えてライバル校の次期キーマンたちも描かれていることを踏まえると、3年生編となる第3部はかなり現実味を帯びてきましたね!
ダイヤのAは間違いなく大人気のマンガですから、まだまだ連載が続きそうで嬉しい限りです!
ダイヤのA act II 29巻の発売日
夏大会もいよいよ大詰め。
因縁の青道vs稲実の対戦が描かれるダイヤのA act II 29巻の発売日は2021年12月17日です!
発売が待ち遠しいですね!
コメント
去年の決勝で負けた稲実との再戦を目の前にして、御幸の「キャプテンの立場もあって 口にしないようにしてたけど」の下り、どんな伏線か知らないけど、三高戦よりも”負けられない”気持ちが強い場面のはずなのに、すっごく違和感。
28巻もっとボルテージ上げてほしかったのに「熱闘」感が薄れてしまった。
あそこはかなり急でしたもんね!東京選抜後は「俺が打つ」とまで言ってたのになんでや!ってのは凄く分かります!
降谷は動じてなさそうだけど栄純にはグッサリ来てましたしね…御幸もここにきて「終わり」を意識し始めてるとか?
僕も「波乱」とか「試練」より「熱闘」全振りを期待しているのでそこは心配です。