原点回帰を謳い9世紀バグダッドを舞台にしたことで昔からのファンは大喜び!
僕もかなり楽しみにしていてクリアまでガッツリ遊べたので、感想をまとめていきます!
※この記事はほぼネタバレなしです!
購入したバージョンとプレイ環境
- プラットフォーム:Uplay(PC)
- バージョン:通常版
- PCスペック:RTX3070・Intel i7-9700・メモリ32GB・SSD搭載
- 操作方法:コントローラー(Microsoft Xbox One ワイヤレスコントローラー)
一言で感想を述べるなら
マジで原点回帰。それ以上でも以下でもない。
本作はこれに尽きるかと思いますね。
そもそもアサシンクリードシリーズは、アサシンクリード→アサシンクリードIIへの進化が素晴らしかった以外は、基本的にオールウェイズ70点を出してくれる定食タイトル。
牛丼屋に行って、ちゃんとそこそこの牛丼が出てくるみたいな。
新作ごとに牛丼がねぎ玉牛丼とか明太子牛丼になってるみたいな。
ゲームシステムやストーリーに関しては良くも悪くも期待通りといったシリーズで、Ubisoftの異次元の歴史考察と再現度を楽しめるから舞台が変わればそれで十分!みたいな感覚のゲームでした。
しかし脱マンネリを図ったアサシンクリード オリジンズ以降の3作(オリジンズ・オデッセイ・ヴァルハラ)からハクスラRPGとして生まれ変わります。
そんなオリジンズこそ新鮮かつストーリーもアサクリで好評だったものの、それ以降はアサクリっぽさがドンドン薄れ、昔からのファンは不満たっぷり。
つまらなくはないけど、アサシン?クリード?ってモヤモヤしていた。
新規タイトルにした方が自由度も高くていいんじゃないってカンジ。
牛丼屋に行ってカレーが出てきて、1回目は好評だったけど3回も続くと『こっちは牛丼を食いに来てんだよ!!!』となっていたわけですね。
そんな中本作は原点回帰を謳い元のステルスアクションゲーに戻ったので、ちゃんと牛丼が出てきた。
ただ良くも悪くもいつもの牛丼なので、これといってドデカい感動もない。
まさにそんな感じのゲームでした。
いつものアサクリが帰ってきたのは悪いことではないよ!
良かった点
シンプルステルス&ハクスラとレベリングの廃止
原点回帰として一番顕著だったのは、ゲーム性がステルスに回帰したこと。
前作のヴァルハラ等で採用されていたレベリングシステムやハクスラ要素が一掃され、潜入や暗殺、逃走などにウェイトを置いたゲーム性になっていました。
見つからない事を基本として、見つかったらフィールドに設置されている潜伏用のオブジェクトを使ったり、煙幕等のアイテムを使って暗殺したりとアサシンらしさ全開。
隠れし者の代名詞でもあるヒドゥンブレードがしっかりと活かされるシステムで、昔のアサクリが好きだった僕としてはとても良かったと思いました。
見つかったら逃げて、隠れて、何人か暗殺してまた逃げて…
こういったゲームプレイはアサクリならではなので、また楽しめて嬉しかったです。
イスラム圏特有の雰囲気
アサシンクリードといえば歴史考察に基づいた丁寧な舞台の作り込みがウリ。
今回は9世紀のバグダッドを舞台としており、この時代のバグダッドはイスラムの黄金期とも呼ばれるアッバース朝の時代。
イスラム圏特有のエスニックな雰囲気やモスク、装飾品などの再現度は流石Ubi。
建物が密集したバグダッドの円形都市もパルクールが活きる構造となっていて、移動しながら街の雰囲気を楽しめる素晴らしい造りでした。
アサクリらしいシステムの存在感
原点回帰の一番嬉しい点は、アサクリらしい、アサクリならではのシステムが存在感を発揮できることでしょう。
例えば暗殺とヒドゥンブレード。
隠れし者の象徴でもあるヒドゥンブレードによる暗殺は、正面からの戦闘が不利だからこそ活きてくる要素。
周囲を探索するタカの眼やパートナーのタカ(今作はエンキドゥ)も、やはりステルスゲーだからこそ活きるシステムでしょう。
他にもソーシャルステルスなどのハイド要素も、見つかったら逃げるが基本のゲーム性だからこそ。
パルクールも建物が密集し、馬での移動が不便な都市型の舞台だからこそ沢山使うというもの。
こういったアサクリを象徴するようなゲームシステムはステルスゲーだった過去作で確立されたものなので、ステルスゲーに回帰した今作は存在感を増していたと思います。
不具合・バグのなさ
これはPC版で僕の感想になりますが、不具合やバグが一切見られなかったのも素晴らしいところ。
昨今は最適化不足やテスト不足が目立ち、不具合等にストレスを与えられることが多い時代。
そんな中でキチンとした状態まで仕上げ、ストレスフリーでプレイさせてくれた点は賞賛に値するでしょう。
悪かった点
深堀り不足なふわふわストーリー
ストーリーは結社幹部の暗殺シーンや主人公・バシムのアサシンらしい立ち振る舞いなどは良かったのもの、全体的には深掘り不足。
ラストシーンも前作のヴァルハラをプレイしていないと府に落ちないでしょうし、各キャラももっと掘り下げてストーリーに納得感を出して欲しかったですね。
カットシーンのクオリティなんかは素晴らしかったので、もっとカットシーンなどを入れてヒューマンドラマを描いても良かったんじゃないかなと思います。
それこそ権力層として悪事を働く結社を、闇に紛れて成敗するというカタルシスが1つのメイン要素であるわけですから、結社幹部が悪事を働くシーンなんかはもっと欲しかったですね。
コイツを暗殺するぞ!というモチベーションと天の裁きだ!という爽快感を得るための土台作りをもっとして欲しかった…
バシムの心理描写にしても、ロシャンに感じている恩義や信頼と夢に関する葛藤をもっと描写して、終盤の盛り上がりを作ってればなとは思いました。
シグルドとの出会いは描いて欲しかった
プレイ前はヴァルハラ未プレイ層が楽しめるように不要だと思っていましたが、エンディングがヴァルハラプレイ済み向けに感じたので考えが変わりました。
ヴァルハラとの繋がりを匂わせるなら、エピローグとしてバシムがエイヴォルを見つけ出し、シグルドと出会う過程を描いてよと思いましたね。
ここら辺を描かないのであれば、バシムの前世云々よりはバシムがマスターアサシンになることを軸に据えたストーリーにするべきだったんじゃないかなと思います。
バシムとロシャンの関係は良く描かれていただけに、最後にまた風呂敷を広げてヴァルハラを匂わせるのはどうなんだろう?と思っちゃいました。
賛否両論ある点
ボリューム
オデッセイやヴァルハラが100時間レベルで遊べるボリュームなのに対し、本作は20時間程度でメインストーリーが終わるボリューム。
サイドクエスト等もそこまでないので、やり込んでも30時間くらいでトロコン出来そうな感じになっています。
個人的な感覚になりますが、アサクリはサクッとライトなアクションでサクサク敵を倒せる難易度なので終盤は飽きがち。
ヴァルハラは特に中だるみを感じましたから、飽きる前に終わるボリューム感の本作は結構好印象でした。
ただ、RPGスタイルのアサクリが好みの人からするとバグダッドは狭く、やり込み要素も少ないのでボリューム不足に感じるかもしれませんね。
ここは完全に好みと、アサクリに何を求めるかの問題だと思うので賛否両論なのかなと思いました。
総評
アサシンクリード ミラージュの感想をまとめるとこんな感じ。
原点回帰はしたもののプラスアルファは特に無く、Ubisoftらしい及第点オブ及第点みたいなゲームだったので10点満点中7点。
アサシンクリードの過去作を最近プレイしていたり、ユニティまでのアサクリが好みじゃない方は物足りないかなといった印象です。
逆にアサシンスタイルへの回帰を求めていたり、アサクリを初めてプレイしてみたい!オリジンズ以降のアサクリしかやったことがない!という方にはいい入門作になるんじゃないかと思いますね。
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