たんもし3巻は新たな組織《調律者》登場!
そして明かされるシードの真の目的!
今回も新情報盛りだくさんで驚かされまくりな一冊となっていました!
※ここから先は【ネタバレ】全開です!!!
たんもし3巻の時系列順ストーリー
今回も過去と現在が交差していくストーリーだったので、時系列順にまとめていきます!
- 1巻のラストで君塚が気絶した後、シエスタはシエスタの肉体で作られたロボットに自分の後を託す。
- ロボットシエスタが君塚君彦、夏凪渚、斎川唯、シャーロット・有坂・アンダーソンの4人を誘拐し、2巻のビデオを見せる。
- 夏凪は、《名探偵》を継ぐために自身の中にいるヘルと対話し、失っていた記憶をすべて補完する。
- コウモリが、《吸血鬼》スカーレットと共に斎川と君塚を対秘密組織《SPES》の仲間として勧誘するが、二人はこれを断る。この時、斎川は両親が亡くなった原因がSPESであることと、自身がシードの狙う「器」であることを知る。
- 《暗殺者》加瀬風靡の差し金でシードが狙う斎川の暗殺に訪れたシャルと交戦。
- 同時期に、ロボットシエスタは加瀬と交戦。
- 斎川と夏凪が助けに入り、4人とロボットシエスタで協力して加瀬風靡を倒す。
感想
たんもしの過去と現在が交差していくスタイル、たまらん!
3巻目になる今巻も、登場人物たちが過去と向き合い、新事実が明かされていきました。
過去から新事実が明かされていくのは、ミステリーやサスペンスのお決まりで僕は大好物なんですよね。
主人公たちと一緒に過去を解き明かしていくのは、ミステリー特有のワクワク感があります!
たんもしはミステリーではないと思いますが、ミステリーの良さを持っているのは魅力の一つですね!
色んなジャンルが詰め合わせになっているたんもしですが、僕はコメディタッチなキャラのやり取りとこのミステリー感がすごい好きです!
夏凪パート
3章構成だった今巻の、第1章は夏凪が自身の過去と向き合うパートでした!
過去編めっちゃおもろい!
もうこの一言につきます。
シエスタもまた《種》の適合者として育てられていた事が判明し、ナギサ(夏凪)と幼馴染のような関係でした。
ここでは、シエスタの出生だけでなく、シードの目的も明かされましたね。
シードは、自身の身体が地球に適応できず、代わりの肉体・「器」を欲していたんですね。
ヘルだけに肩入れすると、計画が成り立たなくなると漏らしていたのはこういう事だったんですね。
ヘルの成長だけでなく、シエスタの成長もまた、シードの目的だったわけです。
シエスタの心臓の出どころや、ヘルがなぜ特別なのかという疑問が一気に解消されて、読んでいてワクワク感と爽快感がありました!
考察が結構当たってて嬉しかったです(小並感)
斎川パート
次に斎川パート。
ここでは、斎川が両親の死がSPESによるものだと知り、自身が現存する唯一のシードの「器」であることが判明します。
もちろんここを乗り越えていく斎川唯という女の子の芯の強さも見どころだったんですが、僕の心は《調律者》に鷲掴みされてしまいました(笑)
また面白そうな設定出てきたよコレ
夏凪パートで《調律者》という、陰ながら世界を守る12人の守護者の存在が明かされました。
シエスタは、そのうちの一人で《名探偵》という役職だったそうです。
ただ、他の11人は全く謎に包まれていたんですよね。
シエスタの異能はシードに起因するものなので、他の《調律者》がどう戦うのかは凄く気になっていました。
そこで登場したのが、《吸血鬼》スカーレットです。
吸血鬼実在するんかい!(笑)
本作の異能はシード由来オンリーだと思いきや、まさかの吸血鬼登場!
いやこれにはもう驚かされました。
影に入るわ、コウモリを従属させるわ、死者を不完全ながらも蘇らせるわ。
異能が多彩すぎるぜ。
シャルパート
そしてシャルパート。
ここでは加瀬が《暗殺者》であったことが判明して、もう怒涛の展開ですね!
今巻はSPESよりも、《調律者》にフォーカスが当たっていたように感じます。
加瀬は《名探偵》の仕事を引き継いで対SPESの任務を担当しているようですが、そのアプローチは全く異なりましたね。
シードと直接戦うのではなく、シードの延命に必要な「器」を消していく。
一つの合理的な方法であり、君塚たちとは相容れない方法です。
敵の敵は味方とはならないのが面白いですね。
1巻を読んだときは探偵と警察で手を組んでいくのかななんて思っていましたが、《名探偵》と《暗殺者》は別々の方法でSPES打倒を目指すようですね。
君塚たちに敗北した加瀬ですが、彼女が斎川を諦めるのかどうかは今後の勢力図に大きな影響を与えそうです!
君塚とロボットシエスタ
エッッッッッモ!!
めっちゃエモかったです。
やっぱり君塚はシエスタにベッタリですし、シエスタも君塚にベッタリなんですよね。
尊い…
ロボットシエスタがシエスタの肉体から作られていると見抜いていましたし、愛の深さを物語っていますね。
そんな君塚は、シエスタが4人に課した課題のうち、君塚に課せられた「シエスタからの卒業」を真っ向から否定します。
そしてそれは、ロボットシエスタが願っていたことでもあります。
例え4人を含めた世界が救われても、シエスタが救われていない。
それが、君塚とロボットシエスタが思っていることです。
この点に関しては、助手とロボットという、シエスタに尽くす立場の両者の思惑が綺麗に合致していましたね。
そして、君塚がシエスタに宣言した、
俺はお前を諦めない!
いつか俺はお前を生き返らせる!
探偵はもう、死んでいる。3
はもうたまらんですね!
表紙にもなっているこのシーン、痺れない方が無理ってもんです!
それに涙するロボットシエスタ。
尊い…
絶対にシエスタを諦めない君塚。
機械ながらもマスターを想うロボットシエスタ。
尊さが限界突破してます。
考察
今回はこれまでの伏線がかなり回収されたように思いますが、2つ気になるポイントがあったので見ていきましょう!
《調律者》との関係
まずは、《調律者》との関係ですよね。
一口に《調律者》と言っても、契約に基づいて行動する《吸血鬼》スカーレットや、自分のやり方でSPESを滅ぼそうとする《暗殺者》加瀬風靡、依頼人の利益を最優先する《名探偵》シエスタなど各々思想が違います。
そして、SPESの存在は地球の危機ではありますが、地球の危機はSPESだけではありません。
なので、《調律者》全員がSPESの案件を担当しているわけではなく、現在は《暗殺者》だけが担当しているようです。
《吸血鬼》はシードやコウモリと契約を交わしただけのようですしね。
そうなってくると、今後《調律者》との関係がどうなってくるのかが気になります。
《暗殺者》加瀬風靡は、今回の敗北で思想を改めてくれるのか、それとも今後も斎川を狙ってくるのかで君塚たちの動きやすさは大きく変わってきます。
なので、《暗殺者》の動きは目下最重要でしょう。
では他の《調律者》たちはどうでしょうか?
少なくとも、現在は一切関係がないはずですよね。
彼らが関わってくるとすれば、夏凪の《名探偵》就任に異を唱える者がいるパターンでしょうか。
これもあると思いますが、僕は君塚の「シエスタを蘇らせる」という目的に待ったをかけてくるんじゃないかなと思います。
死者蘇生というのは、世の理に反するものです。
これを目指して行動していくのは、世界の危機を呼び込みかねないんじゃないでしょうか?
シエスタを蘇らせる技術の確立は、それにとどまらない技術ですからね。
SPESとの対決では、味方になり得る《調律者》ですが、君塚個人の敵に回る可能性は高いように思えます。
夏凪のポテンシャル
もう一つ気になったのが、垣間見えた夏凪のポテンシャルです。
加瀬との戦闘で、ヘルの能力を使用しましたね!
紅い眼を発現させ、加瀬を洗脳していました!
身体がヘルのもので、心臓がシエスタのものなので異能のポテンシャルは物凄いはずと考察してきましたが、早速そのポテンシャルが垣間見えましたね!
今回はヘルの洗脳能力を使用しましたが、恐らくケルベロスの変身能力も使用可能なはずです。
そして、シードやヘル曰く、多くの《種》を取り込んでいるようですから、それ以外の異能も使用可能と考えられるでしょう。
君塚もカメレオンの《種》を取り込んで透明化能力を使えるようにはなりましたが、複数の能力を扱える夏凪は今後前線で活躍できそうですね。
もちろん夏凪に戦闘経験はほぼないですが、複数の異能が扱えるポテンシャルはあまりにも大きいアドバンテージだと思います。
今後、様々な異能を組み合わせて戦っていく夏凪の活躍が見れそうですね!
電子書籍特典:『二年前、主人公不在のその裏で』
タイトルは『二年前、主人公不在のその裏で』
今回は、シャルとシエスタが不在の君塚について話すシーンが描かれていました!
シャルはこの時から、シエスタと君塚が単なる探偵と助手、ホームズとワトソンの関係ではないと感じていたんでしょうね。
まああんだけ夫婦感出してたらな(笑)
そして、その後シャルが二人でプリクラを撮りに行きたいと言って締めくくられます。
恐らくこの時のプリクラが、シャルがペンダントに入れていた写真なんでしょうね。
何これ、エッモ…
シャルがシエスタとの決別を覚悟して壊そうとしたペンダント、こういう経緯だったんだろうなァとエモさに浸れる書き下ろしストーリーでした!
たんもし4巻
シードの目的が完全に判明したうえで迎える4巻。
君塚がシエスタ蘇生宣言をしちゃいましたが、いったいどうなるんでしょうか!
今からワクワクしちゃいますね!
そんなたんもし4巻の記事はコチラです!衝撃的過ぎる1冊でした!
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