新ヒロイン・斎川唯、登場!
そして夏凪渚の初仕事!
第1章から発展して、君塚たちがSPESとの戦いに身を投じていくストーリーが描かれていました。
本章も終盤で一気に謎が明かされる形だったので、ワクワクしながら読み進められましたね!
第1章の記事はコチラ!
※ここから先は【ネタバレ】全開です!!!
たんもし1巻第2章の時系列順ストーリー
第2章も謎が解き明かされたのが終盤でしたので、時系列順にイベントの発生を整理してみましょう。
- 約6年前、8歳の誕生日にアイドル・斎川唯は青い義眼を両親から貰う。この義眼は、透視能力を宿した《左眼》だった。
- 3年前、斎川の両親が事故で亡くなる。
- 秘密組織《SPES》に脅迫された斎川は、「ドームライブ当日に家宝の時価総額30億円のサファイアを盗む」との予告状をでっち上げ、君塚たちに家とサファイアの護衛を依頼する(金庫に爆弾を仕掛ける)。
- ライブと予告当日、君塚は、SPESの襲撃から斎川を助け出し、警察は斎川邸に仕掛けられた爆弾を解除。
- 君塚と夏凪は、斎川と和解。SPESという共通の敵を持つ仲間として友人となる。
感想
終盤で一気に謎が解き明かされていく感覚、たまんねぇッ!
読んでいてちょくちょく違和感があったんですが、今回のトリックには全く気付かなかったですね!
このオタク、チョロい
そもそも一介の高校生に時価総額30億円のサファイアを守ってくれなんておかしな話ですもんね!
明らかにオタクキャラじゃない君塚がアイドル・斎川唯にドップリハマるのも違和感がありますし、犯行予告前日のリハーサル中に襲われるのも不自然でした!
思い返せば結構おかしな話だったんですが、読んでいる最中は違和感があるな~程度だったのは作者の力でしょう。
そして、今回の話を通じて君塚と夏凪には斎川唯という仲間が加わりましたね!
敵の敵は味方。
こういうことでしょう。
これまでSPESと敵対してきた君塚。
シエスタの心臓を受け継いだ夏凪。
SPESが狙う《左眼》を持つ斎川。
三者三様の理由でSPESに狙われ、仲間として一つの勢力を結成するのは王道でワクワクしますね!
君塚勢力(仮)がSPESと戦っていくビジョンが少しずつ見えてきました!
たんもしというシリーズの導入部分にあたる1巻の第2章としては、新しい仲間の登場と幕が上がるSPESとの戦いという2つの要素を完璧に担っていました!
考察
今回は読んでいて気になることがいくつかありましたが、特に気になった3点についてお話していきます!
斎川唯
まずは本章で新しく登場した新ヒロイン・斎川唯です。
14歳でアイドルをやっており、左眼を眼帯で覆っています。
そんな彼女の《左眼》は、物体を透視することができる、透視能力を宿しています。
この《左眼》は第1章で登場したコウモリの《耳》と同種のものだそうです。
コウモリの《耳》はSPESが造ったものだそうですが、《左眼》の出どころは今のところ不明です。
ただ、こういった人体の一部に相当する「アイテム」が特殊な力を宿している世界観ですからね。
シエスタの「赤い弾丸」もシエスタの血が入っているようですし、人体の一部というのが能力を宿すキーなんでしょう。
ただ、どういった経緯で生み出されるのかは謎ですね。
一つ明らかになっているのは、SPESはこの「アイテム」を収集することが目的のようです。
そのような《左眼》を持ってしまったが故にSPESに狙われる斎川ですが、現状の君塚勢力(仮)では唯一の異能者です。
透視能力というのは直接的な戦闘力はないですが、能力としては便利さの塊ですから、相手の罠などを見破るのに大きく役立ちそうですね!
君塚とシエスタ、夏凪
やはり本作のキーの一つは、君塚とシエスタの関係だと僕は思っています。
表紙やタイトルになってるくらいですからね。
君塚はシエスタが亡くなって以降無気力状態だったようですし、シエスタの存在と彼女を喪ったショック・喪失感は非常に大きいのでしょう。
事実、シエスタの信条を胸に刻んでいたり、シエスタが教えてくれた「ジャパンのアイドル」斎川唯の登場に少し揺さぶられていました。
こういった事から、君塚がシエスタとの過去を消化しきれていないのは明らかです。
そんな君塚の前に、シエスタの心臓を持った夏凪が現れてしまったわけですから、かさぶたを開けられているような状態でしょう。
シエスタはシエスタ。夏凪は夏凪。
当たり前のことですし、君塚も頭では分かっているようですが心がついていくかは別問題です。
そんな君塚の状態を、夏凪はわかっているようですね。
「あたしは死なない。あんたを置いて勝手に死んだりなんて、絶対にしないから」
探偵はもう、死んでいる。
何気ないやり取りから夏凪が放ったこの一言。
シエスタと自分は違うという、夏凪の意思表示だと僕は思います。
それに対して、君塚は「そうか」とだけ返します。
君塚の心情は描かれていませんが、これはインパクトのある一言だったんじゃないでしょうか。
シエスタと夏凪は違うということ。
自分はシエスタに置いて行かれてしまったという事実。
また喪うことに対する恐怖。
色んな事を再認識させられ、夏凪渚という新しい相棒との関係を構築していくうえで重要な一言だったと思います。
夏凪との関係を通じてシエスタを喪った過去を乗り越えていく、そんな展開になるのかなと予感させられましたね!
これで全然違ったら恥ずかしいな(笑)
vs人造人間
最後に気になっているのが、今後どうやってSPESの人造人間と渡り合っていくのかということです。
本章では、SPESの刺客は斎川を利用したり、ボウガンで観客に紛れて狙撃をしてきたりしました。
つまり、異能を使って攻撃してきていないんですよね。
ただ、今後もそうとは考えられません。
しかし、現有戦力では人造人間と戦って勝てそうなイメージがわきません。
- 君塚:護身くらいはできそう?
- 夏凪:戦闘能力はなさそう。「赤い弾丸」のマスターになれる?
- 斎川:《左眼》は明らかに戦闘に不向き。
詳しく見ていきましょう。
君塚は拳銃を扱うことはできるようですが、今のところ戦闘能力が高いようには見えません。
恐らくシエスタの生前は、シエスタが戦っていたと思われます。
だからこそ、君塚はシエスタが亡くなった後は見逃されていたんでしょう。
次に、夏凪も戦えるようには見えません。
病弱だったようですし、シエスタの心臓を移植されたからと言って急に戦えるとは考えにくいです。
実際に、本章では探偵としての活躍は全くと言っていいほどできていませんでした。
唯一考えられるのが、シエスタの「赤い弾丸」を利用する線です。
「赤い弾丸」を撃たれた者は、夏凪(の心臓)をマスターとして認識するようなので、これを利用して立ち回れば人造人間とも渡り合っていけそうな気がします。
ただ、シエスタが出会っていない人造人間が出てきたらどうすんねんというのはありますが(笑)
最後に、斎川は君塚勢力(仮)において、現状唯一の異能者です。
しかし、その《左眼》の能力は透視能力なので、明らかに戦闘向きではないです。
コウモリの《耳》のように、武器として使える機能も描写されていません。(覚醒したら使えるとかはあるかもしれないが)
ですので、斎川が前線に立って戦うのもないかなと考えられます。
こういった状況なので、今後登場するヒロインが戦闘能力高めなのか、それとも頭脳戦で戦っていくのか。
どういった戦い方になっていくのかが「たんもし」のカラーを決定づけるキーになりますね!
たんもし1巻第3章
お次はまたまた新ヒロインが登場する第3章!
この第3章にて1巻はおしまいです!
エーゲ海行きのクルーズ船で再開した君塚の旧友が、果たしてどのような人物なのか。
1巻を締めくくる第3章の記事はコチラ!
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