黒幕登場!
情報量たっぷりの一冊で、魔王学院の世界の仕組みがより一層明かされました。
もちろん、我らが魔王アノス様の活躍もしっかりありましたよ!
黒幕に関する話の繋がり方も美しくて、改めて魔王学院面白いなとなった一冊でした!
10〈下〉巻の感想考察はコチラ!
※ここから先は【ネタバレ】全開です!!!
魔王学院10上巻のストーリー
- 前巻ラストで何者かに魔王城デルゾゲードと学府エーベラストアンゼッタを奪われたアノス・ヴォルディゴードと配下たちは、二つの城を隠すことができる4人の神、樹理四神の神域の総称・樹理廻庭園ダ・ク・カダーテへと向かうも、深化神ディルフレッドから、神々の蒼穹では火露(地上における根源)が何者かに盗まれていると知らされる。
- エレオノールたちはウェンゼルの助けもあり、終焉神アナヘムを撃退する。
- ディルフレッドに《遠隔透視》でエレオノールたちの光景を見せたアノスは、火露を盗んでいるものを探すと提案し、発見できればディルフレッドが二つの城を探す手伝いをするという契約を交わす。
- アナヘムの神域・枯焉砂漠にあるホロの集落にて、ホロの長老・ヴェイドに出会う。そこにアナヘムが戻ってくるも、アノスによってアナヘムは捕らえられる。
- ウェンゼルは転変神ギェテナロス撃退し、捕らえる。
- 同時刻、地上では《破滅の太陽》サージエルドナーヴェと《創造の月》アーティエルトノアの皆既日食が起ころうとしていたが、アノスは皆既日食の時を引き延ばす役目をエミリア・ルードウェル、レイ・グランズドリィとミサ・レグリアに託す。
- アノスたちは、淘汰神ロムエヌの正体が秩序から外れた存在である、ホロのヴェイドだと見破る。そしてヴェイドは、自分を適合者だと名乗り、アノスたちを襲う。
- アノスは黒幕が《全能なる煌輝》エクエスだと見破り、後を追ってきたヴェイドを撃退する。
- 魔王城デルゾゲードと学府エーベラストアンゼッタを取り返すべく、ミーシャとサーシャはそれぞれ城と融合するが、城に埋め込まれたエクエスの歯車によりアノスに関する記憶を奪われる。
- 一方地上では、皆既日食を止めるべくレイたちが飛行艇で突撃し、辛くもレイが霊神人剣エヴァンスマナを突き刺したところで終滅の光り《笑わない世界の終わり》が発動する。
感想
めっちゃ色々あった!!!(小並感)
物凄い情報量の、ボリューミーな一冊でしたね!
上下巻に分けてこれかッ!!!すごいッ!!!
神々の中でも最上位に位置する樹理四神が登場したり、不適合者グラハムと選定審判に隠された真の目的・エクエスについて色々分かってきたりと情報量パネェ!
ここで地底編の黒幕・グラハムと話が繋がってきたのは読んでて素直に関心しちゃいました!
魔王学院はシリーズを通して一連の流れが本当に美しいですね!
アノス様構文
魔王学院と言えば、アノス様構文というのはあまりにも有名です。
そんなアノス様構文は今巻でもバッチリ登場しましたが、上下巻の前編ということもあり数は少なめでしたね!
まずは終焉神アナヘムとの戦闘中にアノス様が放った一言。
足がないからといって、蹴れぬとでも思ったか?
魔王学院の不適合者 10〈上〉
足がなければ炎で蹴ればいいじゃない!流石アノス様です!
次に、創世の月と破滅の太陽に続く扉をこじ開けていた時、ヴェイドに襲われ手を放した時のお言葉。
手を放せば、もう手がないと思ったか?
魔王学院の不適合者 10〈上〉
ヴェイドの狙いを素早く察知して臣下に二つの城を託すアノス様、まさに魔王の貫禄です!
最後に、アノス様構文かは微妙ですが、一番痺れた一言。
エクエスがサーシャとミーシャを操ろうとした時のお言葉。
たかが歯車一つで、配下の心を俺から奪えると思っているのか?
魔王学院の不適合者 10〈上〉
臣下との強い絆、素晴らしいですアノス様!
配下想いで、子孫でもあるミーシャとサーシャを信じているところもまたアノス様の魅力的な一面ですね!
エミリアの苦悩
今巻は本筋でも色んな事がありましたが、一番読んでいていいなと思ったのはエミリアのくだりです。
今は勇者学院の学院長となり学生達との関係も良好なエミリアですが、今度は政治に振り回されて苦悩しているようでした。
創世の月と破滅の太陽による皆既日食という未曽有の危機にもかかわらず、政治的な駆け引きに明け暮れる勇議会の権力者たち。
魔族だけにいい顔はさせられない。
勇議会も皆既日食防止に貢献したというポーズは取りたい。
人命よりもメンツ。
こんな考えが蔓延っていて、愛する生徒たちやガイラディーテの人々が危険にさらされていることが我慢ならないようです。
これは気持ちが痛いほど分かるシーンでしたね!
勇議会のメンツのためだけに、ほぼ確実に失敗する危険な作戦に自分の教え子たちが送り出されようとしているわけですからね。
更には、議会の一員であるネブラヒリエ王には純粋な人間ではないと嫌味まで言われてしまいます。
今度は人間じゃないって、差別されるわけですか
魔王学院の不適合者 10〈上〉
アノス様によるお仕置き前は皇族至上主義者として生き、転生後は混血として虐げられ、紆余曲折あって人間の都・ガイラディーテと勇者学院に居場所を見つけたエミリアの一言だからこそ、とても重みがありますね。
この世界だけでなく、現代社会に生きる僕たちも直面するこの問題。
それが未曽有の緊急事態に降ってくるんですから、その苦悩とストレスは物凄いでしょうね…
自分に置き換えて想像できるからこそ、エミリアの苦悩がリアルに伝わってくるのはとてもグッドでした。
そんなエミリアを励ましたのが、エミリアの頑張りを見ていたガイラディーテの人々というのがとてもジーンとしましたね。(アノス様も励ましてたけど)
しがらみや辛いことがあってもなお頑張れるだけの大切なモノができたというのは、本当に素晴らしいことですし感動ストーリーです。
転生後のエミリアのストーリーはこれまでも素晴らしかったですが、今回も短いながらに色々なモノが詰まった素晴らしいストーリーでした!
考察
プロローグで出てきた創造神エレネシアのくだりも気になりましたが、個人的に気になったのは神々にまつわる2つのことです!
樹理四神と表裏一体の性質
まず気になったのが、今回登場した樹理四神です。
生誕神ウェンゼルは前巻から出ていましたが、同格の神々が3名登場しました。
- 深化神ディルフレッド
- 終焉神アナヘム
- 転変神ギェテナロス
ここで気になったのが、彼らの表裏一体の性質です。
生誕神ウェンゼルは、堕胎神アンデルクと表裏一体(二神一体)の関係でした。
なら、他の樹理四神たちも表裏一体の神々がいるのでは?
これが今回僕が疑問に思ったところです。
ヴェイド曰く樹理四神を淘汰してアノスのもとにやってきたそうなので出番はないかもしれませんが、他の樹理四神たちについて考えてみましょう。
表裏一体の性質は全ての神々が持っているわけではないそうですが、同じ樹理四神である以上はこの性質を持っている方が自然だと思います。
例えば深化は誕生後に生命を深めていく事だそうですが、深められず一生を終える者もいます。
逆という感じはしないですが、停滞したまま終焉を迎える者もいますから、停滞が深化の裏側というのはありそうです。
深化⇔停滞
ただ、他はイメージがわきませんね。
終焉を迎えずに転生する者は居ませんし、終焉を迎えなければ生命が循環しません。
同様に、終焉後に転変を迎えずに生誕に戻る者もいないでしょう。
秩序の特性+生命の循環という縛りで考えると、アナヘムとギェテナロスの裏側の神は居なさそうにも思えますね。
本筋にはあまり関わってこない部分ですが、樹理四神の表裏一体の性質は今後出てきたら面白いですね!
神々の感情
もう一つ覚えておきたいことが、神々の感情がエクエスの歯車に奪われていたということです。
本来神々には感情があったようで、秩序を維持するために埋め込まれた「歯車」によって感情が奪われていたor封じられていたようです。
これは、今後のミーシャとサーシャにとって非常に重要なことだと思います。
何故なら、感情を持っていたミリティアのような神は出来損ないだったわけではなく、「歯車」に対する何らかの耐性があった可能性があるからです。
というのも、「歯車」の効果を上回って感情を持っているわけですから、何かしらの理由があるはずです。
その理由として一番考えられるのは、耐性の存在でしょう。(もちろん他の理由がある可能性もありますが)
そして、これをミリティアやアベルニユーが持っていたということは、ミーシャとサーシャも持っている可能性が高いです。
エクエスにアノスに関する記憶を消され、歯車を通じて操られている状態のミーシャとサーシャが窮地を脱するには、この耐性の存在がキーになるのではないでしょうか?
ミーシャとサーシャがエクエスのコントロールから脱することができるか否かが、皆既日食を防ぐキーですから、注目ポイントですね!
ここは次巻が楽しみですね!
魔王学院10下巻の発売日
アノスvsエクエスはどうなるのか?レイたち地上のみんなは?ミーシャとサーシャは?
気になることが多すぎる魔王学院の不適合者10〈下〉巻の発売日は10月8日です!
あまり間隔が開かないのはありがたいですね!
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