ZETAWIN!
連日僕らを睡眠不足と感動の涙で嬉しい悩みを抱えさせてくれたZETA DIVISIONの大躍進。
今回は彼らの軌跡を振り返ってみました!
はじめに
連日ZETAWINがトレンドインしている今日この頃。
VALORANT Champions Tour 2022 Stage 1 Masters – Reykjavíkは、日本では過去最高の盛り上がりとなっていますよね。
このMastersの前は、3回の世界大会を通じて1勝のみ。
世界の壁の厚さを感じずにはいられず、多くの海外ファンから「最弱リージョン」と揶揄されても言い返せない日々が続いていました。
PlatChatのトラッシュトークでもZETAは出場チーム中ぶっちぎりの最下位で、弱すぎてスクリムのブラックリスト入りをしてるなんてネタにされてましたからね。
もちろんジョークとはいえ、強豪と認識されていれば違ったいじられ方をしていたはず。
そんな期待と不安が入り混じるなら始まったMasters Reykjavíkは、日本のE-sportsシーンでも歴史に残る伝説的な快進撃となります。
初戦の大敗からの快進撃。
瞬く間に今大会でもトップクラスに注目されるチームになり、世界ベスト3まで食いこみました。
MastersでのZETA DIVISIONの快進撃はE-Sports史上でも最も素晴らしい快進撃の1つ。
こんなのあり得ないよ。
Day 1からここまでの成長は大会で起きるレベルを遥かに超えている。
凄すぎるよ。
The Esports Writer
ZETAの勝利を祝うためにこのユニフォームを着たけど、この大会中はずっと着続けることにするよ
止まってくれるなよ!
Boaster (FNATIC所属選手)
そのシンデレラストーリーから、ZETAWINや’//,にNICE!、ZETA SUPREMACYといったミームも流行り、公式キャスターがTwitterのハンドルネームをLaz Fan Accountに変更。
昨年のMasters Reykjavík王者Sentinels所属のTenZにも「ZETAは主人公補正がかかってる」「俺らは今アニメを見せられてるよ」とまで言われていました。
ここまで世界中から評価されたZETAの軌跡を見ていきましょう。
本当に毎試合この相手はキツいよなあ〜と思いながら早起きして、最後には感動で泣くを繰り返しましたからね(笑)
ZETAの各選手
Laz
名実共にZETA、ひいては日本リージョンの顔と呼べるスタープレイヤー。
基本的にチェンバーやキルジョイ、ヴァイパーといったセンチネルロールのキャラを使う超人エイマーです。
FNC戦で見せたACEはあまりの美しさに世界を沸かせました。
Laz使用デバイス
crow
縁の下の力持ち
ブリーチやスカイ、ソーヴァといったイニシエーターロールでサポートに徹するvalorantが上手い男。
脳みそ何コア何スレッドなんだろうって思うくらい瞬間瞬間で必要なスキルを入れていく凄まじいプレイヤー。
crow使用デバイス
Dep
神の子
今大会ではイメージのジェットだけでなく、ヴァイパーやセージもプレイ。
エイムもさることながら圧倒的な勝負感と強心臓で観客を沸かせました。
嬉しい1勝目となったFNC戦のラストも1vs1で前ブリンク+ブレードストーム右クリックという強心臓プレイを見せてましたよね。
Dep使用デバイス
TENNN
3マップ目が強すぎるマッチョ
本人もツイートしていましたが、マップが後ろに行くほどドンドン強くなっていくパワープレイヤー。
歴史を変えたNIP戦の逆転劇は彼の強すぎシーン抜きには語れません!
TENNN使用デバイス
SugarZ3ro
恐らく今大会で最も株を挙げた選手。
SugarH3ro(シュガー”ヒーロー”)と言われるくらいの活躍っぷりですからね。
日本一のアストラから世界一のアストラ、世界一のコントローラーと呼ばれるほど大活躍を見せました。
スモークプレイもさることながらフィジカルもパッキパキで、定期的にACSとKDAが壊れていた印象です。
G2戦やTL戦ではアストラなのにACEを取るなど、世界中からもヤバいと騒がれまくっていましたね!
彼のおかげでコカ・コーラ ゼロが流行っている説まである。
SugarZ3ro使用デバイス
Opening Match: DRX戦
今だからこそターニングポイントの敗戦と言えるDRX戦。
正直この試合を見た時は、スコア・内容共に差がありすぎて絶望感が凄かったですね。
ZETA 0 – DRX 2
- Icebox 2-13
- Haven 3-13
間違いなく国内No.1チームであるZETAがここまで自分のペースで試合ができないのか。
これを凄く感じました。
今振り返ってみると、以下の要因が重なって大きな差となったのかなと感じます。
- 日本代表としてのプレッシャー
- 初戦のプレッシャー
- スクリム相手で恐らく格上寄りであるDRXに対する過剰な読み・対策
もしZETA DIVISIONが僕たち相手のスクリムで練習してきたものを発揮出来たら、あっさり勝利するよ。
自身を持って見せつけてこい #ZETAWIN
stax (DRX所属選手)
staxの発言から見ても今年のどこかでZETAはDRXとスクリムをしているはずなので、それが逆に裏目に出てしまったんでしょうね。
ただ、この大敗によって選手たちも吹っ切れたのか、ここからシンデレラストーリーが始まります。
それはそうとDRXのHavenは正直どうしたらいいんだこれって感じだったので、強くなったZETAとのHavenも見てみたかったですね。
Elimination Match: FNC戦
この試合もZETAにとっては大きな転機。
ZETA 2 – FNC 0
- Fracture 13-7
- Icebox 13-11
世界情勢と感染症によってEMEA3位になった時のフルメンバーから2人(Derke、BraveAF)欠けてしまったFnatic。
高度な連携や多彩な戦術が強みだったFNCはやはり苦しそうでしたが、そこにZETAの強みも合わせてぶつけるFractureピックは刺さってましたね。
Fractureではマクロ面でしっかりとアドバンテージを取れていたこともあり、選手たちのパフォーマンスもドンドン上向いてIceboxでもらしいプレイと素晴らしいクラッチプレイが出ていました。
目標の1勝目を成し遂げたこともあって、選手たちの雰囲気もかなり柔らかくなっていった印象です!
ちなみに僕は通勤途中にこれ見て泣いた
Decider Match: NIP戦
そしてもう1つの大きなターニングポイントになったNinjas in Pyjamas戦。
ZETA 2 – NIP 1
- Split 6-13
- Icebox 13-10
- Fracture 14-12
この試合はなんと言っても大逆転劇を見せてくれたFracture。
怒涛の6本連取で8-12をひっくり返し、14-12の大逆転勝利。
僕はZETAを信じていた部分もありましたが、同時にここまでよく頑張った。世界もきっと認めてくれてるはず。こんな風に半ば諦めていたところもありました。
キャスターの岸大河さんが拾っていたように、そんな中選手たちは「絶対勝てる!」と声を出すくらい勝ちを信じていて、実現してくれましたね。
世界中からZETAが認められ、一躍今大会の注目チームになったのは各自にこの試合でした。
NICE!や’//,、ZETA SUPREMACYといったミームもここから爆発的に増えた印象ですね。
もちろんLazの涙にもらい泣きした
Upper Bracket Quarterfinal: G2戦
鬼の3日連チャンでの試合。オマケに前日最終試合からの当日1戦目という、スーパーハードスケジュールになってしまったこの試合。
相手はFPXの辞退によりEMEA繰り上げ1位となったG2 Esports。
ZETA 2 – G2 0
- Split 7-13
- Bind 10-13
負けはしましたが、間違いなく通用していた一戦でした。
これまでの日本代表の敗戦と違って、本気の相手と同じ土俵で戦えていたんですよね。
日本代表がEMEA1位枠と対等の勝負を繰り広げる。
この時点でこれまでの歴史から見れば快挙でした。
色々ありましたが、やっぱり一番印象的だったのはTENNNのレイズ。
僕の中ではNo.1レイズと言えばG2のnukkyeで、この試合でも難しいタスクをこなすシーンは見受けられました。
ただ、デュエリストとしての、対面での爆発力は間違いなくTENNNでした。
あのnukkyeに格付けをしているという事実に、驚き過ぎて理解が追いつかなかったですね(笑)
他にもZETA側にACEが飛び出すなど、負けはしたものの観客の心を掴んだのはZETAなんじゃないかなという一戦でした。
この試合からZETAの選手たちは吹っ切れて、ポテンシャルをフルに発揮していたようにも思えます。
しかも+αで試合数を重ねる程に強くなっていきましたしね。
Lower Bracket Round 1: TL戦
十分な休養を経て臨んだTeam Liquid戦。
僕としてはTLのvlogや個性豊かなメンバーが好きだったので、どちらかが敗退してしまう悲しい一戦。
ZETA 2- TL 1
- Fracture 13-7
- Haven 4-13
- Split 13-7
そんな始まる前の悲しさを吹き飛ばすような、歴史的勝利でした!
FNCはフルメンバーじゃない。NIPはマイナーリージョン。こんな風に言う海外のファンも多かった試合前。
ここでフルメンバーのTL相手に勝利を収めた事で、ZETAは遂に世界の強豪の仲間入りを果たしたように思います。
少なくとも海外の反応はさらにZETA推しになっていった気がしますね。
この試合で更なる自信を得て、ZETAの勢いは止まらないところまで来ます。
Lower Bracket Round 2: DRX戦
初戦で大敗を喫した相手と、世界ベスト4を賭けた一戦。
まるでアニメのストーリーみたいな展開で臨んだDRX戦。
ZETA 2 – DRX 1
- Icebox 13-11
- Ascent 10-13
- Split 13-4
この試合は素人目に見てもコーチやアナリストの力が発揮されているように見えました。
特に顕著だったのがIcebox。
DRXの設置タイミングや場所、ローテーションの傾向、リテイクのポイントなどを的確に潰していましたよね。
特にヴァイパー(SugarZ3ro)+ソーヴァ(crow)のスネークバイトとショックボルトの組み合わせは最早芸術でした。
2マップ目のAscentが終わった時のDRX側の反応を見るに、Iceboxを落としたのは想定外だったんでしょうね。
そういった意味でもこの試合は1マップ目のIceboxが最も重要であり、見事対策を練り上げたコーチ・アナリスト陣と実行した選手たちに相応しい勝利だったと言えるでしょう。
Lazがインタビューで「理解できる以上の順位に来てしまって、フワフワしてる」と言っていましたが、ここまで来ると観客の僕もフワフワしっぱなしでした(笑)
Lower Bracket Round 3: PRX戦
今大会最もエキサイティングなチームは?
こう聞かれた時に、大抵の人はZETAとPaper Rexを思い浮かべるんじゃないでしょうか。
そんな2チームが激突することとなったPRX戦。
ZETA 2 – PRX 1
- Icebox 6-13
- Haven 13-2
- Split 13-10
PRXはDRX同様にアジア内でスクリムをする相手らしく、お互い慣れた部分のある相手。
PRXも初戦のDRX戦こそ惜敗しましたが、The GuardとG2を倒してきている強者。
そんなPRX戦は心臓が止まりっぱなしの超GG!
見ている僕の心臓は何回止まりかけたか分かりません。
これまで勝率100%を誇っていたPRXのHavenを粉砕したのも凄かったですが、僕はSplitが特にシビれました。(見てすぐ書いてるからかもだけど)
PRXのSplitも非常に強くて、f0rsakenやJingggのパワーある前詰めと全体的に読みづらいポジション取りなどに物凄く苦しめられていた印象。
僕が同じ立場だったら頭が爆発するくらい考えることが多そうな対戦相手でした。
それに対してドンドン適応していき、要所の少人数戦も勝ちまくって取り切った13本。
これはもう優勝行けるだろ。
こう思ってしまうくらい、アツくて面白い試合を見せてくれたGGでした!
明日のOptic戦も勝ってくれ!
Lower Bracket Final: OPTC戦
ここからはBO5!
まさか日本のチームが世界ベスト3、世界大会でBO5を戦う日が来るなんて…
そんな試合の相手はNA格付け対決にも勝利し、名実ともにNA最強格の一角であるOpTic Gaming。
元Team Envyということもあって、昔紹介したようにf0rsakenに引けを取らない怪物・yayが居ます。
ZETA 0 – OPTC 3
- Haven 13-15
- Fracture 5-13
- Bind 8-13
マップカウントだけ見れば完敗ですが、HavenとBindは互角に近い内容だった印象。
yayのワンピックとMarvedの無双を止めきれなかったのが痛かったですね。
特に1マップ目のHaven。
11本取ってからの後2本が本当に遠く、このマップを取っていれば残りの試合展開は違っていたかもしれないと思ってしまいます。
Fractureは相手の方が明らかに上だったものの、Bindは展開が違えばかなりチャンスがありましたしね。
とはいえ、OPTCの引き出しの多さやゲームコントロールの上手さにしてやられてしまった感はある試合でした。
ここでZETAのMasters Reykjavíkは終わってしまいますが、やはりこれまでの大会とは全く違う負け方。
G2戦と同じで、負けはしたけど通用してないわけじゃない。
そんな、次のMastersが楽しみでいられるような試合でした!
相手として立ちはだかったyayもこう言ってくれていますし、実際その通りだと思います。
3-0 vs ZETA DIVISION
またグランドファイナルに辿り着けたことは嬉しく思っている。
だけど同時に、僕たちがZETAを敗退させたチームになってしまったことは残念に思っているよ。
彼らはこの大会で素晴らしい活躍をして、数多くの強豪を倒してきた。
日本の未来はとても明るいね。
yay (OpTic Gaming所属選手)
日本の未来は明るい!
さいごに
あと2勝で世界王者というところまで勝ち進んだZETA。
歴史を塗り替え、間違いなく日本のE-Sports史に残る快進撃を見せてくれました。
この瞬間に立ち会えてたことがとても幸せです。
海外でも日本のシーンは認められ、日本だけでなく世界中に新たなファンが生まれたのは間違いないでしょう。
ZETAへ
E-Sports史の中でもトップクラスの快進撃をありがとう。
1日目から最後の試合に至るまでの成長量は、普通なら何年もかかるほどのものだ。
君たちのチームとファンがアイスランドで起こしたことはずっと記憶に残るよ。
ZETAファイティング! #ZETAWIN
The Esports Writer
全くもってこの通りで、誰が何と言おうと世界3位は快挙中の快挙。
記録だけでなく、記憶に残る素晴らしい大会となったのは誰にも否定できません。
次のMastersに出場するためにはまた国内予選を勝ち抜いて行く必要がありますが、今年のMastersとChampions。
どちらも楽しみで待ちきれなくなりましたね!
ありがとうZETA。
ZETAWIN!!!
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