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オール・オア・ナッシング ~アーセナルの再起~ 【7~8話レビュー】

aon-arsenal-cover2 雑記
雑記
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記憶に新しい21-22アーセナルの結末!

今後への期待と不安の両方が垣間見える、未完成・復興中ならではのストーリーでした!

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作品概要

『All or Nothing: Arsenal』

日本語タイトルは『オール・オア・ナッシング ~アーセナルの再起~』

ヨーロッパサッカーファンから近年大きな人気を獲得しつつあるAmazonのAll or Nothingシリーズの最新作です。

  • シリーズ:All or Nothing
  • チーム:アーセナルFC
  • 配信プラットフォーム:Amazon Prime Video
  • 配信形態:Amazon Prime会員特典・3話ずつ一挙公開
  • 音声:英語
  • 字幕:日本語、英語などなど

タイトルの通り再起を図るプレミアの名門アーセナルに密着した本作で、記憶に新しい21-22シーズンのアーセナルを見ることができます。

日本代表DF・冨安健洋選手が移籍したこともあり、日本からも物凄い注目を浴びたアーセナル。

そんな彼らの舞台裏が見られる嬉しい作品です。

Amazon制作ということもあり、視聴できるのはPrime会員が利用するAmazon Prime Videoのみ。

とはいえアマプラ会員は送料無料を始めとした特典が多いですから年間契約しちゃってますね。

オール・オア・ナッシングとは?

All or Nothing(オール・オア・ナッシング)は、Amazonオリジナルのスポーツドキュメンタリー

1つのチームに1シーズン密着して、1クール分くらいのドキュメンタリー番組にまとめた作品です。

元々はアメリカンフットボールが題材でしたが、近年はヨーロッパサッカーのトップチームが題材になりつつあります。

2018年はマンチェスター・シティ、2020年はトッテナム・ホットスパー、2021年はユヴェントスを題材にしていましたね。

21-22シーズンのアーセナル

21-22シーズンのアーセナルと言えば史上最悪の出だし、期待の若手たち、そして日本代表・冨安選手の移籍とプレミアを見ない人にも注目されるチームでした。

ぶんちりー
ぶんちりー

サカ、スミス・ロウ、ウーデゴールの前線はライバルだけど好き

監督はアーセナルのOBで、監督としては非常に若いミケル・アルテタ。

アーセナルに来る前はあのペップ・グアルディオラ率いるマンチェスター・シティでコーチをしていた名将の卵とも言える存在です。

実際にこれまでのシーズンでも、アーセナルvsシティは物凄い戦術合戦になることが多く、普段戦術を意識しながら見ていても理解が追い付かない事もある超ハイレベルな試合が見られました。

そんな選手も監督も若く、現代的な戦術もあるアーセナルはどうなるのか。

再起を図り、元居たTOP4の一角に戻ることができるのか。

そんな1シーズンを描いた一作です!

※ここから先はネタバレを含みます!

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感想

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意気消沈するチーム

不調時に立て直せない。

これが昨シーズンのアーセナルであり、若いチームのリスクと言われる部分です。

シーズンラストで大失速をしてしまったアーセナルですが、その理由がハッキリと見て取れましたね。

不調時のチームがとにかく暗い!

言い合ったり意見をバチバチとぶつけるのではなく、シュンとして、意気消沈してしまっているのが目立ちました。

この雰囲気では敗戦を引きずってしまいますよね。

ライバルクラブを引き合いに出して申し訳ないですが、トッテナム・ホットスパーのAll or Nothingで映されたソンフンミンとロリスの言い合いのような、チームに喝を入れるような行動も必要に感じました。

多分ですが、あのシーンのロリスはチーム全体に喝を入れるために、批判を上手に処理できそうなソンを槍玉にあげて喝を入れたんでしょう。

アーセナルにも不調時こそ、ベテラン勢やキャプテンシーのある選手が、チーム全体に喝を入れる必要があると思いましたね。

アルテタもまだまだ経験不足なのは否めない監督ですから、彼一人でこの重く意気消沈したロッカールームの空気を変えるのは荷が重すぎるように見えました。

今夏の補強を見る限りだと、新しくキャプテンに任命されたウーデゴールが年齢を気にせずキャプテンシーを発揮しない限りは、今シーズンも不調時の立て直しに苦労するんじゃないかと思いますね。

あの雰囲気が見れただけでも、アーセナルのサポーターは誰を獲得できるかの議論に幅と深みが生まれるので、羨ましい限りです。

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21-22シーズンは成功なのか?

最終的に5位で終わり、CL出場を逃してしまったアーセナル。

その前の2年が連続で8位フィニッシュでしたので、前年より良い成績なのは間違いないです。

アルテタの下、良くなっていってるとは言えるでしょう。

ただ、このシーズンは成功か?と問われるとどうでしょう。

上層部のヴィナイ・ヴェンカテシャムはこのシーズンを成功と述べていました。

一方でアルテタは、5位でも満足か?と問われて、ノー、CLに出たいよと回答していました。

ヴェンカテシャムはこの番組のインタビューでこう答えたので、リップサービス的な側面もあるでしょう。

しかしながら、言葉選びには長けているはずの人物。

そんな人物が述べた事ですから、一部は本音だと見てよいでしょう。

CL権を目前で逃してしまった今シーズンを、成功と評してしまう点。

このメンタリティは、フットボールのビジネス化が象徴されていると思います。

レジェンドのイアン・ライトはこのシーズンを進歩と述べていおり、僕もこの言葉がぴったりだと思います。

結果だけ見れば失敗、内容を見れば進歩。

まさにそんなシーズンですからね。

アーセナルほどの名門であれば、直近がどうであれCL権を獲得できない時点で失敗です。

しかし、フットボールビジネス的には、進歩を見せ、ファンを維持し、増やせたという点で成功と言えるでしょう。

今はまだ一丸に近いように見えますが、現場・ファンと上層部の間に若干の意識の差があるようにも見えましたね。

同じプレミアのマンチェスターユナイテッドは今まさにこの現場と上層部の乖離に苦しんでおり、暗黒時代を迎えています。

アーセナルの再起というタイトルの本作でしたが、再起を期待できるポジティブな要素と、没落を思わせるネガティブな要素の両方が見えるインタビューだったと思います。

冨安にほとんどスポットが当たらないワケ

冨安がもっと見たいのに!

冨安に注目してこのシリーズに興味を持った日本の方は少なくないでしょう。

そうでなくとも、我らが日本代表DFの出番が楽しみな方はとても多いと思います。

僕自身、もっと冨安が見たかったかと問われたら答えはイエスです。

ではなぜ冨安にそこまでスポットが当たらないのか?

これは以下の複数の理由が噛み合ったからだと思います。

  • チームの顔ではない
  • 目玉の新加入選手ではない
  • 同じ新加入DFにベン・ホワイトがいる
  • SBにはティアニー、タヴァレスがいる
  • 移籍市場ギリギリに加入が決まった

まずチームの顔ではないのはそのままの意味で、オーバメヤンやサカ、スミス・ロウといったチームでもトップクラスの人気がある選手には多くのスポットが当たります。

そして昨夏のアーセナルの目玉補強は、なんと言ってもベン・ホワイト

イングランド代表で英語圏の選手ですし、移籍金も約5000万ポンド(約75億円)と、冨安の約1700万ポンド(約25億円)の約3倍。

世界的に見た時の注目度は、同じ新加入DFでもベン・ホワイトの方が圧倒的に高いわけです。

しかもポジションや立ち位置は被っていますから、冨安の出番が減ってしまうのは仕方ないですよね。

そしてSBという観点では、チームの人気選手・ティアニーや、良くも悪くも不安定で注目されたタヴァレスが居ます。

冨安は怪我こそ多かったものの、パフォーマンスは安定しており、ホールディングやマガリャンイスのようにレッドカードを貰っている訳でもないですし、タヴァレスのように明らかに悪いパフォーマンスを見せることもありませんでした。

要はドラマを作りにくい選手だったということです。

そして最後に、加入が夏の市場ギリギリだったのも影響しているでしょう。

制作側もある程度のプランは予め練っているはずで、そのプランの中に冨安が居なかった可能性は非常に高いです。

というのも、そのプランを練ったであろうタイミングでは、冨安はアーセナルに加入していなかったからですね。

こういった要素が絡み合い、冨安の出番はかなり減ってしまったのかなと思います。

とはいえ冨安がチームの一員として動く姿は見れましたし、8話ではインタビューもありました。

それに冨安抜きにしても素晴らしい作品ですので、冨安目当ての方も投げずに最後まで楽しんで欲しいです!

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