大みそかに発売されたロード・エルメロイII世の冒険 11巻読了!
ということで、今回も感想をまとめていきます。
※ここから先は【ネタバレ】全開です!!!
エルメロイらしさ
読んで僕が強く抱いたのは、これが「冒険シリーズの中の1冊」という枠を超え、エルメロイⅡ世シリーズの本質を再提示する巻だという感想です。
何をもって「エルメロイらしさ」と感じたのか。
それは、緻密な会話劇、理屈と魔術が複雑に絡み合う論理の構築、そして何より立場の違う者同士による真剣な対話です。
単純な勧善懲悪では決して割り切れない構造――事件簿から冒険シリーズへと物語が流れる中で、最近は少し薄れていたと感じていた「あの独特の空気感」が、今巻では見事に復権していました。
魔術師たちのエゴと誇りがぶつかり合う中で、Ⅱ世が「人間的な視点」を失わずに介入していくスタイルがクライマックスで期待できそうです。
密度という特徴
今回は密度が濃い一冊だったと思います。
なぜこれほど濃密に感じるのか。それは登場人物の多さだけでなく、立場の交錯や、一つの出来事に複数の意味が重なっているからです。
一見すると読みにくさに繋がる要素かもしれませんが、これは「欠点」ではなく、圧倒的な「読み応え」と「再読耐性」の高さを意味しています。
スルスル読んでいると、アレっ?となって戻りたくなり、読みづらいかもしれませんがそれもまた一興。
噛めば噛むほど味が出る、まさにシリーズ読者にこそ刺さる仕様になっていると感じました。
クライマックスではなく、配置換え
物語の構成として見たとき、今巻は何かが劇的に「動いた」巻ではなく、勢力・立場・意味づけが劇的に変わった巻だと解釈しています。
3部構成ではなく、もう2冊必要そうだ。と三田先生もあとがきで述べていますよね。
「王暗殺未遂事件」が象徴するものは、単なる個人の犯行ではありません。
それは政治、権力、そして魔術世界における正統性の問題へと直結しています。
「星冠密議」という場も、ただの会合ではありませんでした。
それは力関係を再定義するための儀式のような場だったのです。
今巻を通じて、登場人物たちはそれぞれが新しい立場へと再配置されました。
この変化こそが、次なる大きな波乱を生むための完璧なセットアップになっていると思いますし、大混戦を期待させてくれます。
次の物語の伏線
意図的な「仕込み」としての謎を大量に残しています。僕が気になっているポイントをいくつか挙げてみます。
- 王暗殺未遂の“本当の意味”: 表向きの解決の裏に隠された真の狙いとは?
- 星冠密議の継続性: この場が解散したあとに残る影響力。
- 各勢力の今後の動き: 再配置された駒たちがどう動き出すのか。
- エルメロイⅡ世の立場の変化: 彼はこれから「何」として扱われるのか。
- 物語スケールの拡張: 神話級の要素がどう現実の世界に干渉してくるのか。
これらの謎がどう回収されていくのか。今から続きが楽しみです。
冒険12巻の発売日
続きの気になるロード・エルメロイII世の冒険 12巻の発売日は未定です!

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