フェムの船宴編完結!
Fateシリーズのファンにはたまらないファンサービスの応酬で、大満足の一冊でした!
※ここから先は【ネタバレ】全開です!!!
冒険8巻のストーリー
- ヴァン=フェムと白若瓏の戦闘を止めるべく、遠坂凛とルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトはフェムの船宴:第三のゲーム・闘技場の剣闘士の役目を受ける。
- 剣闘士が凛・ルヴィアであることを見抜いたロード・エルメロイII世が第三のゲームを優位に進めるも、ロード・エルメロイは最後に全コインをイシリッド・モーガンファルスに譲り、イシリッドを勝者にする。
- ロード・エルメロイがイシリッドを彷徨海のジズ殺害犯として告発し、フェムの船宴は没収試合になる。
- さらにロード・エルメロイは彷徨海のジズの狙いも看破し、彼の計画も阻止する。
感想
超大作で最高でした!
シリーズ初の3巻構成だったうえに、今回は500ページ超と特大ボリューム!
とはいえ今回もダレることなく、後半は怒涛の推理ショーや宝具級の大技連発と楽しく読めました。
ホワイダニットから事件が解き明かされていくのと、ホワイダニットに人間臭さと魔術師らしさが同居している何とも言えなさが、この作品らしくて満足感たっぷり。
3冊分も待っただけのことはあり、解決編のカタルシスは最高で待ってよかったな!と大満足です。
起源弾の使い方がお上手
個人的に上手だな、面白いなと思ったのが起源弾の使い方。
このシリーズを読んでいる方の99%(過言かもしれない)が、ロード・エルメロイII世のバックボーンであるFate/Zeroを履修済みのはず。
であれば当然、起源弾というアイテムの凶悪さは理解しているはずです。
これをロード・エルメロイに対して放ち、彼を庇ったグレイが被弾。
シリーズのファンにとっては強烈に死を予感させる展開で、ロード・エルメロイと同じくらい不安な気持ちにさせてくれました。
メインヒロインのグレイは死なないだろうという安心感があるはずなのに、それでも強い不安を感じ、続きを!続きを!と読み手を興奮させてくれたのはお見事。
死ななかったとしても、後遺症が残ったりもあるしな…とハラハラドキドキしました。
このシリーズだからこそできる構成で、今回登場した起源弾というアイテムを上手に使ってきたなと思いましたね。
士郎まわりがとにかく胸熱
さすが主人公。(別作品のではあるが)
衛宮切嗣の、魔術師殺しとしての側面に向き合ったり、改めて自分の掲げる正義の味方に向き合ったりと、ファンが求めていたイベントをやり遂げてくれた印象。
それでいて、ブレずに自分を貫き通してくれたのが最高でしたね。
行動原理が相変わらずの衛宮士郎過ぎて最高だった。
UBW展開もアツく、何度見てもファンにはたまらない展開。
正義の味方の、味方によっている。そうだよね。それを士郎の口から聞けて嬉しいよ。UBWでもそうだったけど、士郎が『正義』に向き合う展開は最高オブ最高。
セイバーと同じ顔をしたグレイとの共演も完璧なファンサービスで、これでもかというくらい本シリーズ×衛宮士郎で見たかったものが凝縮されていました。
読んでる最中はおさるのシンバルくん状態になっちゃったよね。
あとがきの話
この本の内容とは全く関係ないですが、作者の三田誠先生、青崎有吾先生とお知り合いなんですね。
なんでも執筆中に刊行された『地雷グリコ』の影響を受けたんだとか。
地雷グリコ面白いですよね…わかりすぎます…
寝る間を惜しんで読んだし、こうやって勝つのかな?と想像をたっぷり膨らませて、その上を行かれました。
自分が面白いなと思った作品を、自分が面白いなと思っている作品の作者が紹介していて、なんだか嬉しくなりました。
単体で完結する小説で読みやすく、短編集形式でありながら1つの大きなストーリーも組まれているので、超オススメです!
考察
ラストはヒマラヤ・仙人ムシキ
次が最終章となるロード・エルメロイII世の冒険ですが、その舞台はヒマラヤ。
そして残す相手は、仙人ムシキ。
山嶺法廷の仙人であり、ジズと同様、現代ではあり得ない神秘を持つ敵がラスボスに。
エルゴが喰らった三柱の神々は明かされましたが、アレクサンドリア図書館で発見されたもう1体の神については謎のまま。
ここら辺の伏線がまだ残っているので、最終章がどうなるのか、楽しみですね。
もう1体の神、想像がつかなさすぎる。(考察できてなくて草)
次のゲストキャラは…
次のゲストキャラはスカンジナビア・ペペロンチーノ。
ここにきてFGOの主要キャラが抜擢。
お恥ずかしながら筆者はFGOを第2部・3章でドロップアウトしてしまっているので、このキャラについてはあまり詳しくありません。
誰だっけ?→ググる→画像が目に入る→あ~このキャラね。くらいの理解度です。
とはいえ本シリーズはゲストキャラの出典を知る必要があるケースは稀で、凛や士郎、セイバーのバックボーンであり、Fateシリーズの原点であるFate/stay night、ロード・エルメロイII世のバックボーンであるFate/Zeroを抑えておけば基本OK。
実際、空の境界からのゲストキャラが居た『彷徨海の魔人』では、今回の士郎に対する理解度レベルは求められなかったですし。
本シリーズの読者=FGOプレイヤーとまではいかないので、空の境界を未読だった方と同じ目線で、次巻を楽しもうかなと思います。
筆者がソシャゲが苦手なだけという話もある
冒険9巻の発売日
気になるロード・エルメロイII世の冒険 9巻の発売日は未定です!
いつもの刊行ペースであれば、2024年12月発売が予想されます。
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