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『歴史の終わり』は万人向けじゃない。でも自分には最高だった理由

ゲームレビュー
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今回は、Steamでコアなシミュレーションゲームファンやロールプレイヤーたちの視線を一身に集めているインディーズの話題作『歴史の終わり(The End of History)』のプレイレビュー兼考察記事をお届けします!

国家運営、武将や商人の人生シミュレーション、そして大軍勢がぶつかり合う合戦……。

様々な要素を内包した本作ですが、購入前の僕自身、これは本当に自分に刺さるゲームなのだろうか?と大いに頭を悩ませていました。

しかし、腹をくくって飛び込み、気づけば世界統一というひとつの結末を迎えるまで遊び倒した今、過去の自分に声を大にして言いたいことがあります。

迷っているなら買え。絶対に後悔はしないと。

ただし、同時にこうも付け加えなければなりません。

万人に無条件でおすすめできるゲームではないと。

本作は、プレイヤーが万能の神として世界を完璧にコントロールするゲームではありません。

NPCたちは勝手に結婚し、勝手に反乱を起こし、勝手に戦争を始め、プレイヤーが描いた美しい計画を平気で泥足で踏みにじんできます。

この「思い通りにならない世界の理不尽さ」を、失敗としてストレスに感じるか、自分だけの最高の物語として愛せるか。

それこそが、本作を神ゲーと思えるかどうかの唯一にして最大の分岐点です。

今回は、僕が実際に商人の一端から身を起こし、天下を統一するまでに体験した波瀾万丈のドラマとともに、本作の底知れぬ魅力と、これからに期待したい伸び代を徹底的に語り尽くします!

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購入したバージョンとプレイ環境

  • プラットフォーム:Steam(PC)
  • バージョン:早期アクセス版
  • PCスペック:RTX3070・Ryzen 7 7700・メモリ32GB・SSD搭載
  • 操作方法:マウス&キーボード
歴史の終わり
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一言で感想を述べるなら

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思い通りにならない世界を楽しめるなら、唯一無二の歴史シミュレーション

僕自身、世界統一のエンディングを迎えた時の達成感と満足感は、近年のどのシミュレーションゲームよりも巨大なものでした。

しかし、だからといって誰にでも面白さが伝わる万能な名作だとは思いません。

なぜなら本作は、プレイヤーを中心に世界が回っていないからです。

自分がどれほど緻密な戦略を練っていても、世界はプレイヤーの都合など知ったことかと言わんばかりに勝手に動き続けます。

自分の意思と、世界の意思が激しくぶつかり合う――。

だからこそ、「予定通りに進まなかったこと」そのものが、後から振り返った時に最高の歴史の1ページになるのです。

本作の真の面白さは、自分で綺麗な歴史を書くことではなく、暴走する世界と一緒に、泥臭く歴史を紡いでいく体験にありました。

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よかった点

それでは、僕がなぜここまで本作の虜になってしまったのか、実際のプレイ体験を交えながらその魅力を紐解いていきます。

自分の目標を持って遊べる自由さが最高だった

本作の最大の魅力は、ゲーム開始時点で「こう生きなさい」という強制が一切ないことです。

僕が最初に設定した目標は、「どの国家にも属さず、商会として独自勢力を築き、高みの見物決め込みながら世界情勢の推移を眺める」というものでした。

天下統一を目指すヒーローになるつもりなど毛頭なく、世界の観察者として生きる道を選んだのです。

このように、プレイヤー自身がロールプレイの方向性を自由に決められるからこそ、プレイ体験に他者とは絶対に被らない個性が生まれます。

あらかじめ用意された一本道のシナリオをなぞるRPGでは絶対に味わえない、自分の足でこの世界に立っているという感覚がそこにはありました。

NPCが勝手に動くからこそ、自分だけの物語になった

そして、ここからが本作の真骨頂です。

当初は平和な商人として生きるはずだった僕の計画は、生きているNPCたちと世界情勢によって、見事に崩壊していくことになります。

【波乱のプレイ史:商人から覇王への泥沼ロード】

予定変更その1:領地への欲望と横取り

世界を観察するうちに自分も領地が欲しいという野心が芽生えた僕。

どこにも属していないフリーの都市を狙って準備を進めていた矢先、巨大勢力「神聖ルシュ帝国」にあっさりと先を越されて先取されてしまいます。

プレイヤーの計画などお構いなしの早い者勝ちの現実に直面した最初の瞬間でした。

予定変更その2:仕官、そして主命の嵐

ならば内側から奪うまでと、僕はターゲットを奪った神聖ルシュ帝国にあっさり仕官。

領地を貰うべく奔走しますが、待っていたのは絶え間ない主命と、隣国エルデラインとの苛烈な戦争の日々でした。

自由を奪われ、理想と違う現実に嫌気がさした僕は、ついに独立を決意します。

予定変更その3:他人の反乱に乗じた決死の独立

十分に力を蓄えてからスマートに独立する予定でしたが、ルシュ帝国から別の勢力が突如として反乱独立を宣言。

千載一遇のチャンスと見た僕は、慌てて便乗する形で反乱独立を強行し、その勢力と同盟を結びました。

「自分で世界を動かした」のではなく、「情勢の波に必死に乗っかった」瞬間です。

まさかの展開:ハプニングが産んだ耐忍の日々

これで安泰……と思いきや、同盟相手の反乱勢力は滅亡こそしなかったものの、速攻で戦いに敗れてルシュ帝国と単独和平を結んで離脱。

取り残された僕は、巨大帝国と正面からやり合わなければならない、絶望的な耐え忍ぶ日々へ突入することになりました。

さらに、国が安定してからも臣下たちが「あの国と同盟しろ」「あそこに戦争を仕掛けろ」と勝手な要求を突きつけてきたり、密かに狙っていた固有キャラクターのエレイーゼ・ルシュが、僕の知らん間に別のNPCと勝手に結婚していたりと、思い通りにいかないことの連続でした。

しかし、振り返ってみればこのハプニングや失敗の連続こそが、僕だけの唯一無二のドラマを作っていたのです。

もし計画通りにすべてが進んでいたら、これほど深く記憶に残るプレイ体験にはならなかったでしょう。

世界を眺めるだけでも楽しいシミュレーション性

本作は、自分が操作していない画面の裏側でも、NPCたちが濃密な人生を送っています。

国家同士の開戦と終結、NPC同士の婚姻と愛憎、突発的な反乱、そして滅亡寸前からの思わぬ勢力逆転……。

プレイヤーが神として世界を統治するのではなく、複雑に変化し続ける生きている歴史の、一登場人物としてそこに存在する感覚。

ただ情勢マップを眺め、「次はこの国が落ちそうだな」「あいつがあそこと結婚したのか」と歴史を観察している時間そのものが、極上の娯楽になっていました。

最終目標へ辿り着いた時の達成感が大きい

数々の予定変更とハプニングを乗り越え、ついに他国をすべて滅ぼして世界統一を達成した瞬間、画面の前で思わず深く息を吐き出しました。

最初から天下を目指していたわけではなく、商会から始まり、仕官、挫折、便乗独立、極貧の耐忍期を経ての統一です。

数え切れないハプニングを乗り越えてたどり着いたゴールだからこそ、そのエンディングには言葉にできない重みがありました。

ゲームをクリアしたというより、ひとつの時代を生き抜き、己の歴史を完結させたという、本物の達成感を味わうことができました。

悪かった点

ここまでは本作の持つ「物語生成装置」としての素晴らしさを語ってきましたが、一方でシステム面における明確な伸び代・不満点も存在します。

今後のアップデートへの期待を込めて指摘しておきます。

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NPCとの交流が親密度中心で物足りない

世界そのものは非常にダイナミックに生きている反面、プレイヤーとNPC個人との直接的な交流システムがやや浅いと感じました。

基本的に会話で親密度を上げるという作業が中心になりがちで、仲良くなるまでのプロセスが単調です。

せっかくNPC同士が勝手に結婚したり人間関係を築いたりする素晴らしい下地があるのだから、イベントや会話の選択肢、あるいは個人的な頼み事など、プレイヤーとNPCの「人間ドラマ」を深掘りできる遊びがもっと欲しかったです。

狙っていたエレイーゼ・ルシュに横から結婚された時も、結婚される前に政治的・個人交渉でもっとアプローチできる幅があれば、さらに面白くなったはずです。

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キャラクターグラフィックはもっとバリエーションが欲しい

NPCが大量に登場し、それぞれが歴史を作るゲームだからこそ、「人物の見た目のバリエーション」は非常に重要な要素です。

現状、NPCの顔グラフィックや立ち絵のパターンが似通いやすく、重要なキャラクターを視覚的に覚えにくい場面がありました。

インディーズタイトルであり、開発規模の制限があることは百も承知です。

ことインディーズに限っては、個人的にはAI生成グラフィックの活用もやむなしというスタンスなのでバリエーションを増やし、各NPCキャラの存在感の描き分けを強化してほしいと感じました。

豪華さではなく、人物に愛着を持てる工夫が求められます。

外交システムはもっと自由にしてほしい

個人的に最ももったいないと感じたのが、外交の選択肢の少なさです。

現状は同盟を結ぶか、戦争をするかといったシンプルな構成に寄っています。

欲しい外交システム期待されるゲームプレイの変化
領地売買・交換戦争をせずに金銭や交渉で国境線を調整するリアルな政治
通商条約・軍事通行権商人プレイや遠征時に、他国と利害関係を結んで安全を確保する
不可侵条約・属国化巨大国家の庇護下に入りつつ、内部から牙を研ぐといった高度な駆け引き
金銭や資源による賠償制度戦争の落としどころを作り、戦争の潮引きをコントロールする

これだけ世界のシミュレーション精度が高いのですから、武力以外の政治的な駆け引きの選択肢がもっと増えれば、本作の歴史シミュレーションとしての価値はさらに跳ね上がるはずです。

総評

良かった点、悪かった点をまとめるとこんな感じ。

  • 自分の目標を持って遊べる
  • NPCが勝手に動くことでプレイごとにオリジナリティが出る
  • 世界情勢の推移を眺めるだけでも楽しい
  • 最終目標を達成した時の達成感が大きい
  • NPCとの交流が物足りない
  • キャラグラにバリエーションが欲しい
  • 外交システムはもっと求めたい
歴史の終わり
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現状は10点満点中7点の完成度ですが、将来性は0点満点中9.5点の期待作だと思います。

コメント

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