「スタバの豆はまずい」「ただ苦いだけだ」
コーヒーを家でドリップするようになると、必ずと言っていいほど一度はこの言葉にぶつかります。
そして、かつての僕も全く同じ意見でした。
専門店で浅煎りのフルーティーな豆を買い、豆の個性を楽しむことこそが最高だと思っていたからです。
しかし、現在、僕の家の冷凍庫にはスターバックスのコーヒー豆が常備されています。
それも、日常使いのメインとして。
かつて否定派だった僕が、なぜ今、合理的な選択としてスタバの豆を選んでいるのか。
そこには味だけでは語れない、生活設計と結びついた理由があります。
スタバの豆が「まずい」と言われる理由
ネットやSNSでスタバの豆の評判を調べると、なかなか手厳しい意見が並びます。
よく見るネガティブな評価
- とにかく苦い
- 焦げたような焙煎感が強すぎる
- 鮮度が良くない
これらの意見は、ある側面では事実です。
しかし、僕はふと思ったのです。
「そもそも、僕たちはスタバの豆を何と比較しているのだろうか?」と。
その評価、比較対象がおかしくないか?
多くの人がスタバの豆を叩くとき、比較対象にしているのは「100g 1,000円以上する個人経営の焙煎所」や「スペシャリティコーヒー専門店」の豆です。
一等地に店を構え、膨大な流通量を支えるスターバックスの豆と、職人がこだわり抜いた希少な豆を、同じ「味」という土俵だけで比べるのは、少しフェアではない気がするのです。
コーヒーは1杯当たりの価格が食事と比べると安いので気にしづらいですが、食事でイメージしてみましょう。
スシローやくら寿司を回らない高級寿司と、「味」という土俵だけで比べることはあまりないですよね?
僕が考える「スタバ豆評価のズレ」
スタバの豆を正しく評価するには、視点を変える必要があります。
「まずい/美味しい」ではなく「価格帯」で考える
スタバの豆、特に通年販売のコア商品は、1袋(250g)で1,300円〜1,800円前後。
ここで注目すべきは、スタバが推奨する抽出比率です。
一般的な専門店では「豆10gでお湯120〜150mL」の抽出が推奨されますが、スタバの公式レシピは「豆10gでお湯180mL」。
深煎りで成分が出やすいため、多めのお湯で淹れても味が崩れません。
つまり、1袋で淹れられるコーヒーの総量が他より多いのです。
保温できるマグやタンブラーで、仕事をしながら時間をかけて飲む日常の相棒として、これほど頼もしいスペックはありません。
スタバの豆には“焙煎の癖”がある
スタバの豆が苦いのは、品質が悪いからではなく、明確な「スターバックスらしい味の設計」の結果です。
もちろん、焙煎したての新鮮な豆ではないですが。
- 深煎り(ダークロースト)傾向が極めて強い
- ミルクや砂糖に負けないパンチのある苦味
- 誰が淹れても「スタバのあの味」になる再現性
これは欠点ではなく、スターバックスというインフラが提示する前提条件です。
この条件を理解した上でどう付き合うか。そこに家ドリップの面白さがあります。
それでも僕がスタバ豆を日常用に選ぶ理由
ここで、誤解を恐れずに言いたいことがあります。
「僕はスタバが特別好きなわけではない」
朝から行列に並ぶタイプではありませんし、キラキラした新作フラペチーノに詳しいわけでもありません。
基本はブラック派で、家で静かにドリップし、外ならレトロな喫茶店やこだわったコーヒー専門店で時間を過ごすのが好きな人間です。
そんな僕がなぜ、スタバの豆を買い続けるのか。
それは、「スタバという仕組み」を利用した時のコスパが、他の追随を許さないほど圧倒的だからです。
アメックス特典とスター制度の「二重取り」
僕はスターバックスのアプリに、アメリカン・エキスプレス・ゴールド・プリファード・カードでチャージして決済しています。
これにより、アメックスのキャッシュバックと、スタバ独自の「Star(ポイント)」が同時に貯まります。
実際に、人気銘柄の「カフェ ベロナ(1,590円)」を購入した際のシミュレーションを見てみましょう。
実質価格のシミュレーション(カフェ ベロナ 1,590円)
パターンA:通常時に購入した場合
- ① アメックスCB(20%):-318円
- ② クレジットカードポイント(1%):-15円
- ③ Star付与(26.5 Star):-111円相当
- 還元額合計:444円
- 実質価格:1,146円(還元率 約27.9%)
パターンB:ダブルスターデイ(Star付与2倍)に購入した場合
- ① アメックスCB(20%):-318円
- ② クレジットカードポイント(1%):-15円
- ③ Star付与(53 Star):-222円相当
- 還元額合計:555円
- 実質価格:1,035円(還元率 約34.9%)
※190 Starを800円のチケットと交換する想定
いかがでしょうか。250gで約1,000円。
100gあたり約420円。1杯分は約42円。
これはスーパーの定番豆レベルの安さで、カルディの定番豆よりも明らかに安い水準です。
ましてや個人店とは比較にならないレベルの安さになります。
日常回収の強さ
アメックスの豪華な特典には、高級レストランの優待や海外旅行の付帯サービスがありますが、それらを使える機会は年に数回でしょう。
しかし、コーヒーは365日飲みます。
「年に1回の贅沢」だけでなく、「毎日の1杯」でも着実に特典の恩恵を回収していく。
これもまたQOLをコスパ良く上げる手段だなと思っています。
スタバ豆は“日常用”として見ると評価が変わる
僕は現在、コーヒーの楽しみ方を2層に分けています。
- 贅沢用: 週末に楽しむ、専門店の上質な豆(1杯150〜300円)
- 日常用: 仕事中や平日の食後に飲む、スタバの豆(1杯約40〜50円、還元込み)
毎日飲むからこそちょうどいい
スタバの豆は、良くも悪くも味が強いです。
言い換えれば、ハッキリとした個性があります。
だからこそ、仕事に集中している時のBGMのようなコーヒーとして優秀です。
じっくりコーヒーと向き合って味わわなくても、印象に残る味なんですよね。
また、抽出比率が10g:180mLと多めなため、一度にたっぷり淹れてタンブラーに入れておけるのも日常使いには嬉しいポイントです。
癖があるからこそ、淹れ方の工夫が楽しい
「スタバの豆は焙煎感が強すぎる」という前提があるなら、それをどうやって丸く、甘く淹れるか。
- お湯の温度を90℃以下に下げる
- 挽き目を粗くする
- 抽出時間を短くする
こうした試行錯誤の結果、自分好みの味に化けた時の快感は、高級な豆を普通に淹れるよりも大きかったりします。
マシンやフレンチプレスを買え、というわけではなく、ハンドドリップ一式でも問題なく楽しめます。
僕も日常使いの以下の機材で美味しく淹れられています。
スタバの仕組みが日常用として優秀な理由
さらに、スターバックスという企業のUX(ユーザー体験)の設計には、感心させられるものがあります。
- コーヒーパスポートの存在: 飲んだ豆を記録し、シールを集める。この収集性が、単なる買い物を「趣味のコレクション」に変えてくれます。
- 圧倒的な情報量: 各豆の「酸味」「コク」「相性の良い風味」が完璧に言語化されています。これは家ドリップ初心者にとって、最高の教科書になります。
試行錯誤の結果、焙煎感の奥にあるパッケージ記載の特徴がハッキリと感じられた時は嬉しいものです。
パッケージ記載の特徴は、どの豆も1行ですぐにイメージが湧く表記になっています。
例えば、カフェベロナであれば以下の表記。
ダークココアのような風味とローストの甘みと深み
この味が好みだから、似た系統のこの豆を次はトライしてみよう。とか、気分転換にこの豆を試してみよう、とか。
些細なことですけど、次を買う楽しみが上手に設計されていると感じます。
僕はコスパの良さだけでなく、UX設計も好きで買い続けていますね。
結論|スタバ豆は「誰にでもおすすめ」ではない
ここまで書いてきた通り、スタバの豆は万人向けではありません。
- 向いている人:
- 生活コストを合理的に最適化したい人
- 家ドリップをルーティンにしている人
- アメックス等の特典を賢く使いたい人
- 向いていない人:
- コーヒーに「果実味」や「透明感」を強く求める人
- 浅煎り至上主義の人
- コストや体験ではなく、味のみが指標の人
もしあなたが、単なるブランドイメージや、誰かの「まずい」という言葉だけでスタバの豆を避けているとしたら、それは少しもったいないかもしれません。
このシリーズで伝えていくこと
この連載では、僕が実践している「スタバ豆を日常の武器にする方法」をさらに深掘りしていきます。
- 次回: スタバの深煎り豆を「甘く」化けさせるドリップ技術
- 第3回: 自宅ドリップに向いている、本当に買うべき豆の選び方
- 第4回: アメックス特典を最大限に引き出す、スタバ運用の最適解
嗜好品を、いかに合理的に楽しむか。
その一つの答えを、スタバという身近な存在から紐解いていきましょう。
次は、スタバの豆を美味しく飲むための「具体的な抽出法」についてお話しします。お楽しみに。

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