アニメも放映中ながら新章・ライラット王国編が開幕したスパイ教室。
ライラット王国編のパート1から滅茶苦茶面白い、読むのが止まらない一冊でした!
表紙&タイトルのサラの見せ場もバッチリで、感慨深かったです。
※ここから先は【ネタバレ】全開です!!!
スパイ教室10巻のストーリー
- バカンス後『暁闇計画』の解明に向け、『灯』はライラット王国でのミッションを開始。エルナとアネットはペアで、ライラット王国内での革命を煽動する潜入ミッションに1年を費やす。
- エルナがライラット王国の防諜組織『創世軍』に嫌疑をかけられ、逃亡中に秘密結社『義勇の騎士団』に接触し加入する。
- 鉱山への潜入後、『創世軍』トップのニケに目をつけられ、『義勇の騎士団』は壊滅寸前に追い込まれる。
- サラが秘密結社『LWS劇団』の現トップを名乗って登場し、エルナとアネットを逃がすもサラが拘束される…
感想
読むのが止まらんね!!
スパイらしいエルナとアネットの潜入活動から、ピンチに陥った際に現れるサラ。
綺麗な流れのストーリー展開に、幕間で挟まる今回のミッションに反対だったサラの行動。
幕間がラストの展開に繋がる綺麗な構成で、スラスラ読める一冊でした!
今巻で凄く良かったのは、あえて視点をエルナメインに絞っていた事ですね。
エルナとペアでアネットが行動していましたが、あえてアネットの頭の中は晒さず。
これによって僕たち読者はエルナの視点に偏った情報をインプットされて、綺麗に『義勇の騎士団』壊滅のどんでん返しを食らいました。
すでに”騙されていた”エルナの目を通したからこそ、僕たちもしっかり”騙される”事ができましたね。
なぜライラット王国は革命が死んだ国なのか?
この真相が途中では気にならず、ラストで一気に開示されるのはミステリーチックな納得感がありました。
革命が死んでいる理由が、全ての憎しみがガルガド帝国に向けられるよう洗脳されているから…というのも結構生々しい。
これはフィクションだけでなく、実在する多くの国家で見られる事象ですからね…
そして絶望の後に仄めかされる『LWS劇団』の真相と残された少女。
LWS劇団の由来が以前潜入していた『焔』の『煤煙』のルーカスのL、『灼骨』のヴィレのW、そして彼らが救った少女スージーのSなのはおぉ!となりましたね。
『焔』の双子は故人ですが、スージーはどうやら生きているようで、『灯』の登場を待ち続けていた模様。
スージーと『灯』が合流するであろう次巻への期待も高まって、素晴らしいライラット王国パート1でした!
考察
もう1人の拘束者は誰か?
(これで拘束されたのは二人目か…少しずつ、しんどくなってきたな…)
スパイ教室 10 《高天原》のサラ
エルナ・アネットと合流し、サラが拘束された事を聞かされたジビアのモノローグです。
このモノローグから、サラとは別にもう1人『灯』のメンバーが拘束されていることが分かります。
ではその”もう1人”は誰なのか?
これは各メンバーの動向を見れば消去法である程度分かると思うので、見ていきましょう。
まずはリーダーのクラウス。
彼は『蛇』のトップと交渉のテーブルについており、ライラット王国には居ないので×。
サラは拘束済み。
エルナ・アネット・ジビアは合流してるので×。
モニカとティアは『創世軍』本部前でサラが拘束された事を聞かされていることから、×。
残るはグレーテとリリィ。
グレーテはサラがアドバイスを求め、それに応えていることから、直近までは無事なのが確定。
現在の動向は不明なので可能性は0ではないものの、恐らく×でしょう。
現にジビアが既に”もう1人”が拘束されている事を知っていますしね。
となると消去法的に、活動の描写が一切なかったリリィが拘束されていると見てよいでしょう。
モニカが闘志を燃やしていたのも、ティアは”弟子”のサラが拘束されたから…と指摘していましたが、それ以上に”想い人”のリリィが拘束されているから、と思えば自然ですし。
好きな相手に加え、弟子まで拘束されたのであればモニカも打倒ニケに燃えるってもんでしょう。
整理するとこんな感じ。
- クラウス:不在。『蛇』と交渉中。
- サラ:拘束済み
- エルナ・アネット・ジビア:合流
- モニカ・ティア:サラ拘束の知らせを受け取り行動開始
- グレーテ:サラのヘルプに応答。現在の動向は不明。 ⇒ 拘束の可能性あり
- リリィ:不明 ⇒ 拘束の可能性大
リリィといえばポンコツというイメージもありますし、彼女が拘束されているのは納得感がありますね。(失礼)
とはいえリリィはタダで転ぶタイプでもないので、拘束されているからこその活躍が期待できそうです。
果たして”もう1人”の拘束者はリリィなのか?
次巻が楽しみですね。
やはり『蛇』と手を組むのか?
今巻のラストで明かされましたが、どうやら『蛇』のボスはクラウスと接触した模様。
元々『蛇』の目的は打倒『灯』やディン共和国ではなく、打倒『暁闇計画』。
このため、必ずしも『蛇』= 敵という関係が成り立つわけではありません。
もし『灯』が打倒『暁闇計画』側に転んだ場合は、利害関係が一致するようになります。
敵の敵は味方的な理論ですね。
ここで『蛇』のボスが接触してきたことや、ライラット王国がかなり腐っている事を踏まえると、『蛇』と『灯』の共同戦線はますます現実味を帯びてきました。
彼らの交渉がどう転ぶのか。
特にクラウスにとっては『焔』の仇でもあるので、私情も含めてどう転ぶか注目です!
スパイ教室11巻の発売日
アニメも放映中のスパイ教室 11 《付焼刃》のモニカの発売日は2023年11月17日です!
コメント