『A Plague Tale: Innocence』は、疫病が広がる中世フランスを舞台に、姉アミシアと弟ユーゴの過酷な旅を描くアクションアドベンチャーです。
荒廃した世界のグラフィック、画面を埋め尽くす大量のネズミ、そして姉弟の物語。とにかく雰囲気の作り込みがすごい作品でした。
ただ、ゲームプレイの中心になるステルスとパズルは、似たような展開が続くので、人によっては単調に感じるかもしれません。
つまりこれ、ゲームプレイの自由度や攻略の奥深さを楽しむ作品なのか、物語と世界観に浸る作品なのか、という違いで評価が変わりそうなんですよね。
この記事では、PC(Steam版)をコントローラーでプレイした僕の視点から、よかった点と気になった点を整理してみます。
購入したバージョンとプレイ環境
- プラットフォーム:Steam(PC)
- バージョン:通常版
- PCスペック:RTX3070・Ryzen 7 7700・メモリ32GB・SSD搭載
- 操作方法:コントローラー(Microsoft Xbox One ワイヤレスコントローラー)
一言で感想を述べるなら
姉弟の物語に引き込まれる一方、ゲームプレイには単調さも感じる作品
これが、クリアしたあとの率直な感想です。
本作の一番の魅力は、やっぱりストーリーと世界観、そして姉弟の関係性だと思います。
疫病と戦争で荒れ果てた世界の映像が、物語の悲壮感や緊張感をぐっと高めてくれます。大量のネズミを使った独自のシステムも、この作品ならではの個性になっています。
一方で、ステルスやパズルの基本構造は繰り返しが多め。ゲームプレイそのものに変化や驚きを求める人だと、ちょっと物足りないかもしれません。
物語を追う楽しさはすごく強い。
でも、ゲームとしての攻略の幅には限界がある。そんな作品、というのが僕の評価です。
この記事では「物語を体験するゲームとしての魅力」と「ゲームを攻略する楽しさ」を分けて考えていきます。
よかった点
アミシアとユーゴの姉弟関係が物語を引っ張ってくれる
本作は、敵から逃げて目的地を目指すだけのお話ではありません。
中心にあるのは、姉アミシアと弟ユーゴが、この過酷な状況でどう生き延びていくのかということ。
2人の関係や、旅の中で起きる出来事を通して、自然と感情移入していくんですよね。
世界がどれだけ悲惨かを見せるだけじゃなく、その中で生きている人物をちゃんと描いている。
ここがすごく好きなところです。
ストーリー重視のゲームが好きな人なら、この2人がどうなるのか見届けたいという気持ちが、最後まで遊ぶ原動力になるはずです。
荒廃した中世フランスのグラフィックと世界観
街、森、集落といった背景がすごく丁寧に作られていて、世界観に説得力があります。
印象に残ったのは、美しい風景と、疫病や戦争で荒れ果てた光景のコントラスト。
きれいな景色のすぐそばに、ネズミの大群や死体といったグロテスクな描写が出てきて、この世界の危険さが視覚的にガツンと伝わってきます。
しかもグラフィックの美しさが、ただの見た目の良さで終わっていないんですよね。
物語への没入感にしっかりつながっています。映像で世界の悲惨さや恐ろしさを伝える力は、かなり強い作品だと思います。
少し前のゲームになるので最新作の方がグラフィック技術は上がっているはずですが、今プレイしてもなおグラフィックの美しさを感じられました。
ボキャ貧だけど、センスがいいって言うですかね?そういう見栄えの良さを感じました。
大量のネズミを使った演出
本作を語るうえで外せないのが、ネズミの大群です。
ネズミは単なる敵や背景演出じゃなく、攻略システムそのものに組み込まれています。
ネズミは光を嫌うので、その性質を利用して安全な道を作りながら進む。つまりネズミの存在が、そのままパズルやステルスに直結しているわけです。
画面いっぱいにネズミが広がる光景には、生理的な恐怖と圧迫感があります。
怖いんだけど、その性質を利用しないと先に進めない。
恐怖を生み出す存在を、攻略の道具にもしてしまう。
この仕組みは本当に独特で、本作の個性だなと感じました。
物語を体験している感覚がある
本作は一本道のストーリーを軸に進むので、物語の流れがすごく追いやすいです。
ステルスやパズルも、独立したミニゲームという感じではありません。
敵を避ける、光源を操作する、仲間に指示を出すといった行動が、物語の中の危機とちゃんと結びついています。
だから、自分で物語を切り抜けているような感覚があるんですよね。
オープンワールドのような自由度はないけれど、そのぶん物語に集中しやすい。
ゲームプレイの自由度を求める人より、物語を追いつつ適度な攻略要素を楽しみたい人に向いていると思います。
悪かった点
攻略が単調になりやすい
ここからは気になった点です。
まず一番大きかったのが、ステルスの単調さ。
敵の巡回を観察して、見つからないように移動する。
この基本の流れが、何度も何度も出てきます。
物音で敵の注意をそらすといった工夫はあるものの、敵の行動や攻略方法のバリエーションには限界があるな、と感じました。
序盤は緊張感があって楽しいんですが、慣れてくるとまた同じことをやっているなという気持ちになりがちです。
状況によっては、自由な発想で攻略するというより、あらかじめ用意された正解の手順を見つけるゲームになっている印象もありました。
ステルスゲームとしての奥深さや、毎回違う攻略体験を求める人には、ちょっと物足りないかもしれません。
繰り返しによって新鮮さが薄れていく
光源を使ってネズミを遠ざけ、安全な場所を確保する。
この仕組みは本作の象徴ですし、最初はめちゃくちゃ新鮮でした。
ただ、基本的な考え方がずっと同じなので、進めるほど新鮮味が薄れていくんですよね。
新しいギミックが出てきても、根本的な攻略の考え方はあまり変わらない場面があります。
その結果、序盤では印象的だった仕組みが、後半では作業っぽく感じられることもありました。
独自性のあるシステムを持っていることと、そのシステムが最後まで飽きずに楽しめることは、別問題なんだなと考えさせられました。
自由度を求める人には物足りない
本作はストーリー中心に進むゲームで、プレイヤーの選択で物語が大きく分岐するタイプではありません。
攻略に多少の工夫はできますが、世界を自由に探索したり、物語そのものを変えたりする余地は少なめです。
なので、自分で物語を作っていく感覚や、複数のルートを試す楽しさを求める人には合わないかもしれません。
ただ、一本道だからこそ物語に集中できる、という面もあるので、一概に欠点とは言えないとも思います。
大事なのは、物語重視という作品の設計が、自分の好みに合うかどうか。
そこを見て選ぶのがよさそうです。
終盤の展開
本作は、疫病と戦争に苦しむ中世フランスという、わりと現実的で重苦しい世界観からスタートします。
それが物語が進むにつれて、超自然的な要素や派手な展開が強まっていきます。
序盤の雰囲気との違いがはっきり出てくるので、ここは好みが分かれそうです。
盛り上がりとして楽しめる人もいれば、世界観の方向性が変わったように感じる人もいると思います。
物語全体を評価するなら、序盤の印象だけでなく、終盤まで含めて納得できるかどうかが大事ですよね。
総評
良かった点、悪かった点をまとめるとこんな感じ。
僕は元から安価な定価に更にセールが乗っかったので、お値段込では大満足でした。
定価で考えると10点満点中7点、セールで買えた僕としては10点満点中8点の作品でした。




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