「昔はもっと読めたはずなのに、最近は数ページでスマホを触ってしまう……」
「仕事で疲れて、活字を追う気力が湧かない」
もしそう感じているなら、まずこれだけは伝えさせてください。
それは、あなたの意志が弱いからでも、加齢のせいでもありません。
今の僕でこそ、フルタイムの仕事をしながら年間100冊以上の本を読んでいますが、社会人1年目の頃は、1冊を読み終えるのに数ヶ月かかるほど読めない状態でした。
読書に必要なのは気合ではなく、『読書体力』という仕組みの設計です。
今回は、僕が試行錯誤の末に見つけた自然に本が開けるようになる条件をすべて公開します。
なぜ僕たちは「本」が読めなくなったのか?
まず、あなたの読めないの正体を暴きましょう。
それは根性不足ではなく、脳が現代の刺激に最適化されすぎているからです。
「短時間・強刺激」に慣れた脳
僕たちの日常は、SNSのショート動画や通知など、数秒で快感(ドーパミン)が得られる強刺激に溢れています。
対して読書は、自分で文字を追い、情景を想像してようやく面白さがじわじわくる「低刺激・持続型」の行為です。
100メートル走(SNS)ばかり練習している人が、いきなりフルマラソン(読書)を走れないのは当然ですよね。
体力がないのではなく、今の環境に合わせて脳の使い方が変わってしまっただけ。
まずは自分を責めるのをやめましょう。
単に脳が読書モードを忘れているだけなんです。
いきなり長編を読もうとしていませんか?
「よし、本を読むぞ!」と意気込んで、本屋で話題の分厚い小説や難しいビジネス書を手に取っていませんか?
実は、その難易度設定こそが挫折の最大の原因です。
「面白そう」より「読み切れそう」を優先する
スポーツに準備運動が必要なように、読書体力を戻すのにもリハビリが必要です。
- 1日で読み切れる薄い本
- 写真や図解が多い実用書
- 昔読んで面白かった本の再読
こんな簡単な本でいいのかな?と思うくらいで丁度いいんです。
「1冊読み切った!」という成功体験が、少しずつあなたの読書体力を底上げしてくれます。
読書体力とは「集中力の残りHP」のことである
読書体力と聞くと、長時間座り続ける忍耐力のようなものを想像するかもしれません。
でも、僕の定義は少し違います。
僕が考える「読書体力」の定義
- 集中力そのもの
- 読み始めるまでの心理的ハードルの低さ
- 生活リズムと環境が噛み合っている状態
集中力は有限のリソース
RPGのHP(ヒットポイント)と同じで、集中力は朝起きた時が最大で、仕事や家事でどんどん削られていきます。
激務の後に「さあ、難しい本を読もう!」と思っても、HPが赤ゲージなら無理な話。
年間100冊読めるかどうかは、精神力の強さではなく、この残りHPの配分が上手いかどうかで決まります。
僕の場合、予定のない休日の朝、淹れたてのコーヒーを飲みながらの1時間は一番スラスラ読書ができます。
また、僕は幸いフルフレックス勤務なので、読書モチベが高い日は『早く帰って読書する』より『読書してから遅く出勤する』を選ぶこともありますね。
平日の夜に読むときは、ご飯やお風呂を済ませてひと息ついた後に読むようにしています。
ちょこっとお酒を飲んでリラックスすることも多いです。
最大の敵は「読み始める瞬間」に潜んでいる
読書において最もエネルギーを使うのは、実は読んでいる最中ではありません。
本を手に取り、ページを開く最初の一歩です。
心理学でも、物事を始める瞬間が最も負荷が高いと言われています。
ここを気合で突破しようとするから挫折するのです。
「習慣」が集中力を引っ張ってくれる
僕は、この最初の一歩を判断ではなくルーティンに変えました。
- 休日の朝: 朝食後、お気に入りのカップにコーヒーを淹れたら、そのままソファへ。
- 平日の夜: お風呂から上がったら、スマホを充電器に挿して、代わりに本を手に取る。
「今日は読もうかな、どうしようかな」と考える余地をなくす。
習慣化してしまえば、脳は抵抗することなく、自然に集中モードへと滑り込んでいきます。
飛行機が一度離陸に成功すると安定するのと同じで、読書も一度読み始めて集中できれば、その後はある程度集中力が持続します。
「いつまで読むか」というタイムリミットが集中力を跳ね上げる
時間がたっぷりある時に読もう——。
実は、これが一番読めないパターンです。
終わりが見えない作業に、脳は本気を出してくれません。
そこで僕が実践しているのは、タイムリミットの設定です。
| タイムリミットの例 | メリット |
| コーヒーを飲みきるまで | カフェインの効果と相まって集中しやすい |
| おやつを食べ終わるまで | 短時間でグッと入り込める |
| お風呂から上がるまで | のぼせないように必死で読むので効率爆上がり |
| 45分 | 時間で決めるのはとてもシンプル |
読んでいる本がとても面白く、没入できていればタイムリミットはオーバーして全然OK。
イマイチ没入しきれないな~という時ほど、タイムリミットが読み進める力を貸してくれます。
環境は「気分」ではなく「集中スイッチ」で選ぶ
集中できる環境は、必ずしも静寂ではありません。
人によって、あるいはその日の気分によって集中スイッチは異なります。
脳を騙す「環境の作り方」
僕の場合、自宅ではよくBGMを流します。
最近のお気に入りは、ジャズやヒーリングミュージック。
旅行直後だと、あえて空港のロビーの雑音や飛行機の機内BGMを流すこともあります。
バリ旅行直後は、羽田空港のロビー雑音やシンガポール航空の機内BGMを聞いていました(笑)
あとは、カフェの雑音や電車のガタンゴトンといった雑音BGMも鉄板ですね。
実は、適度な環境音がある方が集中できるという人は多いのです。
通学・通勤電車の中で意外と本が進むのも、この「ほどよいノイズ」と「制限時間」があるから。
みなさん学生時代、通学電車での勉強が捗った…なんて経験に心当たりがあるのでは?
最近はAlexaなどのスマートスピーカーで「集中できる曲をかけて」と頼むだけで、一瞬で部屋を読書モードに切り替えられるようになりました。
ガジェットの力で環境を固定するのも、現代的な読書戦略の一つです。
実際、Alexaで部屋のムードを用途ごとに切り替えている友人は多いですね。
ちなみに僕はプロジェクター生活をしているので、プロジェクターで読書ムードを作っています。
「役に立つ本」という呪いを捨てて、好きなものを読む
「せっかく読むなら、仕事に役立つ実用書を……」 そう思って、興味のないビジネス書を無理やり読んでいませんか?
読書体力が落ちている時ほど、好きな本を読んでください。
僕が年間100冊以上読む本のほとんどは、小説です。
ただ面白いからという理由で物語に没入している時、僕の読書体力はどんどん回復し、磨かれていきます。
趣味として楽しむことが、結果として集中できる脳を作っていくのです。
これは甘えではなく、最強の脳トレなんです。
それでも、どうしても読めない時期があった僕から伝えたいこと
ここまで偉そうに書いてきましたが、最初にお伝えした通り、社会人1年目の僕は本当にボロボロでした。
仕事に慣れず、環境が変わり余暇時間が激変して毎日が必死。
帰宅して本を開いても、同じ行を何度も行ったり来たり。
結局、スマホを見て寝落ちする毎日。
「自分はもう、本を読めない大人になってしまったんだ」と、本気で落ち込みました。
でも、そこから少しずつ条件を整えていきました。
- 朝の10分だけ読んでみる。
- 難しい本は諦めて、大好きな作家の短編から始める。
- コーヒーが美味しい時だけ読む。
そうして自分だけの読めるライフスタイルを作っていった結果、今の僕があります。
今読めないあなたも、必ずまた読めるようになります。
まとめ:読書体力は「才能」ではなく「設計」で決まる
もし今、あなたが本を読めずに悩んでいるなら、自分を否定しないでください。
ただ、環境やタイミングが今のあなたに合っていないだけです。
- 読み切れそうな本からリハビリを始める
- 集中力のHP配分を考える(疲れている時は休む!)
- 「読み始める瞬間」をルーティン化する
- 行為によるタイムリミットを作る
- 「役に立つか」より「好きか」、「面白そうか」より「読み切れそうか」で本を選ぶ
この5つを少しずつ試してみてください。
読書は、誰かと競うものではありません。
あなたが一番リラックスして、物語や知識の世界に浸れる自分だけのライフスタイルを、一緒に作っていきましょう。
次の一歩として: まずは今日、「一番薄くて、一番面白そうな本」を1冊選んで、カバンに入れてみることから始めてみませんか?
もし「リハビリに最適な本を知りたい」という方がいれば、僕が読書体力を取り戻すきっかけになった一気読み必至の短編リストを別記事で紹介予定です。ぜひ覗いてみてくださいね。




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