いやー、ついにやり遂げました! 以前から熱中していたゲーム、『Kingdom Come: Deliverance』(キングダム・カム・デリバランス、略して KCD)、メインストーリーをクリアしましたよ!
購入したバージョンとプレイ環境
- プラットフォーム:Steam(PC)
- バージョン:通常版
- PCスペック:RTX3070・Ryzen 7 7700・メモリ32GB・SSD搭載
- 操作方法:コントローラー(Microsoft Xbox One ワイヤレスコントローラー)
一言で感想を述べるなら
これは単なるゲームじゃない、歴史を「生きる」体験だ!
この KCD、2018年に発売されてから、「リアルすぎる中世オープンワールド RPG」として、国内外で賛否両論を巻き起こした超話題作。
まさにロールプレイングを存分に楽しめる作品で、ロールプレイングが好きか否か。これがすべてのゲームとすら思いました。
良かった点
圧倒的な「騎士の時代」の魅力と「世界観」
KCD の世界観は、ファンタジー要素を一切排し、15世紀初頭の中世ヨーロッパをリアルに描いています。これが、このゲームの最大のフックであり、熱狂的な支持を集める理由の一つです。
魔法もドラゴンもいません。
あるのは、騎士、農民、職人、そして盗賊。
私たちは、鎧を纏い、剣を振るう「騎士の時代」の生活にフォーカスして楽しむことができます。
城砦の威容、荘厳な教会、そして金属と革の武具がかもし出す重厚な雰囲気。
ファンタジーな装飾がないからこそ、中世ヨーロッパという舞台の持つ、本来のロマンにどっぷり浸れるんです。
例えば、世界中のゲーマーが『Ghost of Tsushima』で日本の武士の時代に熱狂したように、この KCDは、私たちをボヘミアの雄大な大地と騎士の時代に引き込みます。
歴史や文化の持つ力が、ゲームのリアリティと結びついているのが、本当に魅力的でした。
徹底された「歴史考証」と「没入感」
そして、その世界観を支えるのが、細部にわたる歴史考証の徹底ぶりです。
舞台は神聖ローマ帝国の一部である「ボヘミア王国」。
この時代のチェコ(ボヘミア)の文化、服装、建築、そして人々の生活様式が、驚くほどリアルに再現されています。
そして、当時の常識が「システム」に組み込まれているんです。
例えば、暗い場所では本当に何も見えない(たいまつ必須)、汚れた服で町を歩くと評判が下がる、身なりを整えないと話すら聞いてもらえない、といった点。
これは煩わしい反面、「ああ、中世ってこうだったんだろうな…」という、強烈な説得力と没入感を生み出しています。
会話の選択肢一つとっても、主人公ヘンリーのスキル(カリスマ、スピーチ、筋力など)や身なり、相手との関係性によって成功率が変わる。
ロールプレイングが、単なるストーリーの進行ではなく、「キャラクターの生き様」そのものに直結しているんです。
最初は「なぜこんなに不便なんだ!」って思っていたんですが、この「不便さ」こそが、当時の生活を体感する上でのスパイスになっているんですよね。
「成長」が体感できる主人公ヘンリー
KCDの主人公、ヘンリーは、本当にただの鍛冶屋の息子です。
最初は文字も読めない(本当に!)、剣もまともに振れない、錠前も開けられない、話術もさえない、戦闘に至っては村のチンピラにすらボコボコにされる、という情けないスタート。
オマケに後先考えないわ、そのくせ世間知らずだわで本当に情けない男です。
そんなヘンリー君ですが、だからこそ彼の成長を体感することができます。
システムもこの点にフォーカスしており、従来のRPGのように、敵を倒せば経験値が貯まって急に強くなる、というシステムではありません。
ヘンリーのスキルは、実際にその行動を繰り返すこと、そして訓練を受けることでしか向上しません。
剣術を上げたいなら、師範の元でひたすら訓練。
薬草学を上げたいなら、野原で薬草を摘みまくる。
このシステムのおかげで、プレイヤーはヘンリーの「成長」を、他のどのゲームよりもリアルに体感できるんです。
僕もね、最初は逃げてばかりだった野盗相手に、初めて一騎打ちで勝てた時の感動は忘れられません。
「うおお、僕のヘンリー、強くなったな!」って、心の中でガッツポーズでしたよ。
この「努力が報われる」感覚が、このゲームの大きな醍醐味の一つだと断言できます。
人間味あふれる「クエストライン」と「選択肢」
KCDのクエストは、一般的なRPGの「お使い」とは一線を画しています。
このゲームには、絶対的な「悪」や「正義」は存在しません。
登場人物は皆、欲望や弱さを抱えた、生身の人間として描かれています。
クエストの解決策も一つではなく、武力、交渉、盗み、あるいは全く別の奇策など、様々なアプローチが可能です。
そして、プレイヤーの選択は、その後のゲーム世界に大きな影響を与えます。
ある村を助けるために採った行動が、別の場所で予期せぬ悲劇を生む、なんてことはザラです。
これは「オープンワールド RPG」としては究極の形であり、プレイヤーの行動一つ一つに「責任」が伴うという、重厚なロールプレイング体験を提供してくれます。
スカイリムやウィッチャーが好きな方は、ハマるでしょう。

例にもれずハマりました
悪かった点
長期プレイで「飽き」がくる戦闘システム
正直に言うと、プレイ時間が長くなるにつれて、戦闘は「飽き」と「作業感」が強くなっていきました。
最初のうちは、五方向攻撃やマスターストライクの駆け引きが新鮮で楽しいのですが、敵のレパートリーや行動パターンが少ないため、勝利の「最適解」が見つかってしまうと、単調な作業になりがちです。
特にヘンリーのスキルが上がってくると、強力な敵相手でも、特定の動き(マスターストライク待ちなど)に終始してしまい、「工夫」の余地が少なくなってしまいます。
複数の敵に囲まれた時の対処法が非常に限られており、ヘンリーが熟練の剣士になっても、集団戦は運任せな要素が強くなります。
リアルと言えばリアルですが、ゲームプレイとしては「つまらない死」につながることも多く、正直うんざりしました。
最初は感動したリアルな剣戟が、クリアまでの長い道のりでは、少し「奥深さに欠ける単調なアクション」になってしまったのが、僕としては非常に残念なポイントでした。
「不便さ」を強いるセーブ機能
これはKCD のリアリズム追求の諸刃の剣です。
KCDでは、一般的にどのRPGにもある「いつでもどこでもセーブ」ができません。
セーブするには、専用の消費アイテムである「救世主のシュナップス」を飲むか、特定の場所(ベッド、特定のイベントなど)でしか行えないんです。
このシステム、「プレイヤーに安易なリロードをさせず、行動に重みを持たせる」という意図は理解できるんですが、急な戦闘で死んだり、ちょっとした操作ミスで痛い目を見たりした時、セーブポイントまで何時間も戻されるのは、正直言ってストレス以外の何物でもありません。
特に序盤の金策が厳しい時期は、シュナップス代を捻出するのも一苦労で…。
結局私は、この点はそこまで合わず、modで解決してしまいました。
人を選ぶ「激しい画面酔い」
僕がKCDをプレイする上で、肉体的に一番つらかったのが、この画面酔いです。
KCDは一人称視点(FPS 視点)のゲームですが、歩行時や戦闘時のカメラの揺れ、そして初期設定の視野角(FOV)が独特で、僕はかなり激しく画面酔いをしました。
僕はマインクラフトで激しく酔ってしまうタイプなのですが、KCDもそれに近い感覚を覚えました。
これは本当に個人差が大きい部分なので、もし過去にFPSや一人称視点のゲームで画面酔いをした経験がある方は、購入前に必ずプレイ動画をYouTubeなどで見て、カメラの揺れや動きをチェックすることをおすすめします。
僕は画面酔い対策として、プレイ時間を短く区切って休憩を挟むことを徹底しました。
それでも最後までプレイしきれたのは、やはりこのゲームの持つ、圧倒的な世界観と物語の魅力のおかげです。
画面酔いに耐えてでもプレイする価値が、KCD にはありました。
【KCD の隠れた魅力!】Mod 導入で広がる無限の可能性
KCDはPC 版において、非常に多くの Mod がコミュニティによって開発・公開されています。
このModに関しては、僕が実際に導入して「これはよかった!」というものを、別の記事で詳しく紹介したいと思っていますので、ぜひそちらも楽しみにしていてくださいね!
総評
良かった点、悪かった点をまとめるとこんな感じ。
続編のKingdom Come: Deliverance IIも好評ですし、10点満点中9点と非常に満足できるゲームでした!
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